日記 2007年 7月     



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2007年7月1日(日) くもりくもり
不思議な車

 今年後半の始まりです。
 今月は、ダマシに遇わないように、また騙されないようにしたいと思います。
 まあ、どうなるかは分かりませんが、今月も宜しくお願いいたします。


 さて、きのうはオロンガポに連れ出されて買い物です。 アイリーンとガキに連れられて行ってきました。 まずはシティモールで昼食です。 1階のピザ屋さんで注文して待ちます。 なかなか食べ物が来ませんね。 アイリーンとガキは膨れっ面です。
 ふだん、人を待たせるのは平気なくせして、食べ物を待つのは苦手みたいです。 食事も終わり、少し買い物をして、スービック・ベイの食品を置いてあるローヤルへと出かけます。 出かけるまでが、また大変なんですよね。
 ガキはシティモールのゲームセンターに入り、もう出てきません。 アイリーンは化粧品を売っているところで、あれでもないこれでもないと見ています。 しかたがないので、私は表でタバコを吸うしかありません。
 トイレットペーパーとか、結構かさばる物を買ってしまったので、荷物は店に預けて、スービック・ベイへと向かいました。 シティモールを出るところに、ほんとうのお子様の乗る、メリーゴーランドがあります。
 いい年こいたガキは、幼子に交じりメリーコーランドのお馬さんに乗って得意顔ですが、こちらは恥ずかしくてしょうがありませんでした。 お馬さんよりガキのほうがデカいんですよ。 ああ恥ずかしい。
 はい、ローヤルスービックに到着です。



 前にも説明したと思いますが、ここは食品中心のデパートみたいなところです。 ドルとペソで支払えます。 買い物はアイリーンに任せて、私は缶ビール売り場に行き、ビールをあおります。 ガキは当然おもちゃ売り場ですよね。
 ビールを4〜5缶も飲んだでしょうか、アイリーンを探すと、なんと買い物カートは1杯です。 帰りはどうするんだよ、私がその荷物を持つのかよ、おいおい、ため息が出ますね。 シティモールにも荷物があるんだぞ。
 ガキはガキでおもちゃの車が欲しいなんて言います。 見てみるとこれがなんと、私も驚くような代物です。 ハンドルを左右に振ると、走り出すのです。 バックも出来ます。 ふつうこの手のものは、足で蹴って走らせるのですが、なんと電源も何もなく動くのです。
 ここまでやるのなら、私も電池の充電器を買うことにしました。 399ペソです。 単三、単四電池が4本も充電できるすぐれものです。 いつもはカメラの単四電池2本で、70ペソの使い捨てですから、長い目でみれば安いですよね。





 さて、帰りですが、荷物いっぱいで、とりあえずオロンガポまではタクシーで行くことにしました。 オロンガポまでは200ペソです。 そのタクシーのドライバーに、サンフェリペまではいくらなのと聞くと、1,000ペソだと言います。 
 アイリーンに500ペソだったらタクシーで帰ると言うと、さっそく値段の交渉に入るアイリーンでした。 800、700、600と値段が下がってきました。 最終的に500でいいよということになりましたので、シティモールで荷物を積んで帰ってきました。
 まあ、重い思いをしてバスに乗って帰るよりも、よっぽどいいですよね。 40キロの道のりを500ペソなのですから、安いと言うしかありませんよね。
 きょうは念願のハエタタキも手に入れましたので、ビールでも飲みながら、ハエでも叩いて過ごします。
  

2007年7月2日(月) くもりくもり
リッキーの一男一女

 きのうの午後、さて酒でも飲もうかなと思い、アイリーンにお金をもらいました。 こまかいお金がないというので500ペソ札を受け取りました。 それでもって、ビコールワイフのパン屋にビールを買いに行ったわけです。
 ビールを1本抜いてもらい、500ペソ払いました。 お釣りがないと言います。 お釣りがないんじゃしょうがありません。 アイリーンに言って交渉してもらうことにします。 話し合いの結果、1日2本づつ10日間ビールを渡すということで話はまとまりました。
 1本25ペソですから、計算は合いますので、まあいいでしょう。 しかし、お釣りを現物で返すという凄い話し合いもあったものですよね。 早いところ、ビールを腹の中に回収したいと思います。 えっ、リッキーの愛人宅に行くって、はい分かりました。
 リッキーと愛人との間には、一男一女がいます。 一男はルピンです。 一女はまだ赤ちゃんです。 2人ともこの家にいますので、こんどは愛人宅に預けるのです。  リッキーもケチ女房がいるのに、たいしたものですよね。 



 愛人宅にルピンと赤ちゃんをおいて戻ってきました。 さて、ビールの飲みなおしです。 しばらくすると、マリカーが、コーラを飲みながらやって来ました。 さっそくガキに取り上げられて、ぼうぜんとするマリカーです。
 ガキはコーラをコップに移し、悠然と飲みます。 マリカーには、ほんのひとすすりのコーラを手渡すだけです。 ごめんねマリカー、こんど裏庭のビニールプールを、コーラで満たして水浴びさせてあげるからね。
 おお、ガキが台所でアイリーン博士と勉強をしています。 いや、そういう雰囲気ではありません。 ただの勉強ゴッコですね。 暇を潰しているだけみたいです。 隣りのサリサリから野太い声が聞こえてきます。
 覗いてみると、オカマがビールを買っています。 オネエ言葉っていうんですか、そんな感じのしゃべり方なのですぐにわかります。 セクシーですね、後姿、とっとと消えうせろって感じです。





 きのうマーケットから、タバコを1カートン買ってきてもらいました。 1箱吸って、今朝タバコを見ると、7箱しかありません。 どうなっているんだか、2箱消えてしまいました。 まあ、1箱20円くらいなものですからどうでもいいのですが、断って持っていって下さいよね。
 きょうも、パン屋のビールを飲んで過ごすしかありませんよね。      


2007年7月3日(火) 晴れくもり
ボーっと空を見る日

 サーバーに接続できないということで、新しいサーバーを探すはめになってしまいました。 このままサーバーに嫌われれば、HPを移転しなくてはなりません。 少し様子をみて考えたいと思います。 当分、下記に日記をアップしておきます。

http://www48.tok2.com/home/shota/

 きのうは、そんなわけで、ボーっと空を見ながら考え込んでいたわけです。 とっつぁんがいつものように、大八車を水牛に曳かせて出かけます。 ビコール家では、檻(おり)を処分するみたいです。 古タイヤや、いらない椅子やテーブルも処分するみたいです。
 ゴミとして処分するのではなくて、売るのだというから恐れ入ります。 買うほうも買うほうですよね。 そんなことをして集めたお金で、オンボロバイクなんか買っているではありませんか。 そのバイク自体がゴミだろうに。
 動かないのでしょう、一生懸命に直しています。 不思議なことに、なんとかなってしまうのですよね。 エンジンが始動したではありませんか。 このゴミバイクは農場で使うのだそうです。 ニワトリでもひき殺すために使うのではないですか。



 ビコールワイフが自転車に乗って、庭を走り回ります。 なにやっているのなと思ったら、横にマリカーが乗っています。 マリカーをあやしていたんですね。 それにしてもすごい顔をしていますよね。 子供をあやす顔ではありませんよね。
 学校の帰りでしょうか、海辺に住むランディーの娘が遊びにきました。 おもちゃの車の後ろに乗ったガキが引っ繰り返り、思いっきり後頭部を床にぶつけます。 大丈夫か床は、と心配するみんなでした。
 お調子者のラニーも、おもちゃの車に乗ります。 やめろよラニー、車が潰れてしまうだろう。 家の中で1番体重が重いラニーです。 少しは考えて行動をしてもらわないと困ります。 おもちゃの車は、あまりの重さにピクリとも動きません。



 さあ、きようは暑くなりそうな1日です。 アイリーンはオロンガポへ行くといきまいております。 まあ、オロンガポ中毒ですから仕方がありません。 私はお付き合いはしませんよ。 のんびり家で昼寝でもしていようと思います。   


2007年7月4日(水) 晴れくもり
借金地獄

 昼寝をしていたら、学校から戻ってきたガキに叩き起こされました。 毎日、昼飯を食べに戻ってくるのです。 給食なんてないのでしょう、でも全生徒が家に戻って昼飯でもないのでしょうね。 中には遠くから通う生徒や、親が不在なんていう生徒もいるでしょう。
 ラニーの娘ガキと、ビコールの息子2人が通う学校は違います。 娘は私立で、ビコールのほうは公立です。 貧乏人のガキどもは公立に通います。 授業料は年間、私立で1,000ペソ、公立で300ペソだそうです。
 教科書代が、私立で2,000ペソ、公立はタダになります。 どんなに頭が良くても、お金がなければいい学校には行けません。 まあ貧乏人のガキに、頭のいい奴なんかいるわけがないのですが、お金さえ払えば、どんな不平等でもまかり通るのです。
 昼飯の話ですが、自宅に帰れない生徒は、お弁当や、近くの市場、あるいは学食などで済ませるそうです。 授業料や、教科書代、大変だよねとアイリーンに言うと、アイリーンが支払っていると言います。 それって私のお金じゃないの。
 さあ、昼飯を食べ終えて、ガキは学校へと出かけます。 私はビールでもと思い、ビコールワイフのパン屋にビールをもらいに行きました。 するとビールがないとぬかしやがります。 前払いでお金を払ってあるのにこれだもんな。
 しょうがないので、アイリーンに交渉してもらい、この日はジンということになりました。 まあ、いいでしょう、酔えれば何でもいいのです。 そのあと、アイリーンとラニーとでオロンガポへお出かけです。 いってらっしゃい!



 玄関先でジンを飲んでいたら、白人の大男がバイクに乗ってパン屋に現れました。 こんなみすぼらしいパン屋に、白人がパンを買いにくるわけがありません。 そっと覗くと、やはり借金取りでした。 
 この前はインド人、こんどは白人と、国際的に借金をするビコールワイフです。 借金から逃れるパターンとして、一家夜逃げの確率が1番高いでしょう。 弁護士、調停、破産手続き、極めつけは返還請求などが日本では考えられます。
 しかし悲しいかな、ここはフィリピンです。 それにビコール家には、お金がありません。 すると結論は当然、一家夜逃げということになります。 最悪は、一家心中なのでしょうが、図太いワイフです。 そこまでのことはないと踏んでいます。
 ビコールのところで、犬の解体をしていたチーフが、バイクにヤギを繋いでお散歩です。 そんな、お散歩なんていうことはありませんよね。 どこかでヤギを解体して、食べるか、売るかするのでしょうね。 この、解体魔! 
 ガキと写っているおもちゃの車ですが、裏側を撮ってみました。 ハンドルを左右に振り、体重を移動すると走るのです。 簡単な仕組みなのでしょうが、どうにも不思議でしかたがありません。


 
 アイリーンとラニーがオロンガポから帰ってきたのは、午後の8時過ぎでした。 酔っ払って寝ているところを叩き起こされて、晩飯は、ハンバーガーとカップラーメンです。 凄い手抜き料理に、美味しくて美味しくて、涙がでましたよ。
 きようは私も鬼の借金取りとなり、ワイフのパン屋から、前金で払ったぶんのビールを回収したいと思います。
     

2007年7月5日(木) 晴れ晴れ
赤いバイクの色の謎

 朝、ビコールが、先日買ったバイクに子供を乗っけて学校に送ります。 ガラクタみたいなバイクの値段は、4,500ペソだそうです。 そんなものを買わないで、もっと有効にお金を使ってほしいものです。 たとえば、借金を返すとかですね。
 いや、借金をして買ったバイクでしょうから、もともとお金なんてあるわけないですよね。 その借金取りですが、きのうもまた来ていましたよ。 双方ともしつこいですね。 一方は金返せ、もう一方はもっと貸せと話になりません。
 ビコールが裏庭で、バイクに色を塗っています。 真っ白になっています。 白バイにでもするつもりでしょうか。 そんなことはどうでもいいのですが、私は前金で支払ったビールを回収して飲まなければなりません。
 ビコールワイフのパン屋に行くと、またビールがないとほざきやがります。 ないものは回収のしようがありません。 借金取りもさぞ大変でしょうね。 そんなことで、またジンをもらい玄関先で飲み始めました。



 なんでビールがないのと聞けば、配達にこないのだと言います。 しばらく玄関先で飲んでいると、隣のサリサリに、ジュースやビールなどを配達する車が止まりました。 サリサリへの配達が終わり、次はワイフのパン屋です。
 パン屋の前に配達の車が止まり、品物を搬入しています。 これでビールは大丈夫だろう。 とりあえずジンを飲んでいるので、ビールは日を改めて回収します。 こんどビールがないなんて言ったら、アイリーンにパン屋の冷蔵庫をチェックしてもらわなければなりません。
 それにしても、金の亡者、守銭奴一家。 そのくせ散財の達人、貧乏人の銭失い。 さらに安物買いの銭失い、もう一丁、貧乏人に恐いものなし、貧して鈍する、貧乏人のひがみと、貧乏は国家の大病を地で行くビコール一家です。 
 あまりにもかわいそうなので、貧乏人にも時は持てる、という言葉で締めくくりたいと思います。 おそらく貧乏神を信仰しているであろうビコールは、まだ裏庭でバイクの塗装作業を行っています。 ちょっと見に行ってみました。
 なんと、白いバイクが赤く色付いています。 紅葉でもしたのでしょうか、ってなにを書いているんでしょうね。 白い塗装は下地だったみたいです。 その上に赤いペンキを塗りたくったのですね。 おや、パン屋の看板も赤と白ですよね。
 なるほど、おそらく看板の塗料が余っていたのでしょう。 その余った塗料が目に付き、勿体ないのでバイクに使ってしまったという、まったくもって計画性のない、思いつきだけの行動が手に取るように分かります。



 きょうはビコール一家のことを過激に書いてしまいました。 私に対して、ちょこまかといやがらせをするから、私も何かで発散しなければならなくなるのです。 きょうこそは、ビールを回収したいと思います。
 午後の2時3時が、1番暑くなる時間です。 そのころには、きっと冷えたビールを飲んでいることでしょう。
 

2007年7月6日(金) くもりくもり
謎の手紙

 きのうは天気が良かったので、ベッドのマットレスを天日に干しました。 さて、マットレスを外まで運んで疲れたのでひと眠りって、こんな鉄格子のベッドじゃあ寝れません。 それでも鉄格子の上に体を横たえると、イテー、またダマされた!
 横になったはいいのですが、鉄格子が食い込み痛くて起き上がることができません。 鉄格子の端の太いところをつかみ、そっと体をひねり、やっと床に転げ落ちました。 縦ではなく、横に寝ればよかったのでしょうか、いやいや、そんなことを考えるのはよそう。
 昼飯を食べ終わり、さて横になろうかなって、もうやめなさいと自分にいい聞かせます。 あっ、そうだ、ビコールワイフのところにビールの回収に行かなければなりません。 ワイフのパン屋に行って、ビールと言うと、ありましたね。
 玄関先でビールを飲んでいると、真っ黒い土人のガキが歩いています。 頭の髪の毛は真茶色のアフロヘアです。 フィリピン人も珍しそうに見ています。 それだけの黒い肌なのです。 正体は原始人アイタ族です。 街に迷い込んでしまったのでしょう。
 裏庭に置いてある、女王様ゴッコの鉄の塊に、ピンク色のペンキが塗られています。 前の日バイクの塗装に使った、赤と白のペンキが余ったのでしょう。 赤と白を混ぜてピンクにしたわけでしょうが、女王様アイテムにピンクなんて、よくそんなことが思いつくよな、この変態野郎!
 あれっ、カロイ、学校を休んでなにをしているんだ。



 カロイの弟のアディンは、入学したばかりなのでまだ学校が珍しいのか、真面目に通っています。 カロイはもう学校が嫌になったのでしょう。 親のビコールも何も言いません。 家で働いてもらったほうがいいのでしょう。
 そんなカロイが、私に手紙を書いて持ってきました。 全文、漢字で書いてあります。 頭いいんだなカロイ。 学校が嫌になった訳が分かったぞ、みんながバカだから付いて行けないんだな。 それにしても、日本人に中国語の手紙をよこして、やっぱりバカだなぁお前は。
 ルピンとマリカーがお医者さんゴッコをしています。 いやがるマリカー! 強引なルピン。 さすがパロパロ(浮気者)リッキーの息子です、血は争えません。 マリカーにそんなことをしていると、ビコールワイフにとんでもない目に合わされるぞルピン。



 きょうは学校が休みなのでしょうか、誰も起きてきません。 今朝の3時頃、うるさくて目を覚ましたら、ガキがまだ起きて騒いでいました。 それから私は寝ておりません。 まあ、ガキが学校を休もうが何しようが知ったことではありません。
 窓の外を見れば、なんと朝もやの中に私のサンダルが、庭にぶちまけてあります。 また嫌がらせか。 なんでそういうことをするのか、朝の清々(すがすが)しい気分が台無しじゃないか。 おまけに、土人のアイタまで歩いていますよ。
 さて、きょうはどんな事件があるのでしょう。
 

2007年7月7日(土) 晴れ晴れ
白い仔ヤギ

 ビコール家の庭にピーナツが干してあります。 私の住む家と同じ敷地内に、ビコール家があるわけですから、べつにビコール家の庭でもないのですが、まあいいでしょう。 ビコール家には、放し飼いのバカ犬が2匹います。
 その犬がピーナツを食べているんですね、食べるだけならまだかわいいで済みます。 バカ犬は何を考えてか、ピーナツの上で引っ繰り返り、体をこすりつけてキレイキレイしています。 きっとピーナツのデコボコが、痒い体に気持ちがいいのでしょう。
 2匹ともですよ。 体をこすりつけたあとは、ピーナツの上で寝ています。 最後にはピーナツの上にフンをして立ち去りました。 悪いバカ犬でしょう。 きょうあたり、酒のつまみにピーナツなんか出されても、絶対食べませんよ。
 門から誰かが覗いています。 アイタ(先住民族)かと思ったらヤギでした。 首に紐が付いています。 紐が外れて迷い込んで来たのですね。 どこのヤギだろうって、隣りのサリサリのあんちゃんのヤギに決まっています。
 ビコールの長男カロイが、ヤギの紐を引っぱってサリサリと反対のほうに歩いて行きます。 どこへ連れて行くつもりなのでしょう。 まあどこでもいいのですが、ほんとうにバカだなカロイ。 考えてから行動してくれよ。



 裏庭でも見てみようと思い行ってみました。 トライシクルのサイドカーがあります。 よく見ると、半分だけピンク色に染まっています。 ビコールのトライシクルのサイドカーです。 屋根が白で車体の半分がピンクです。
 塗っている途中で、きっとペンキがなくなってしまったのでしょう。 それにしても、普通ピンクになんか塗らないだろう。 まあ変態野郎ですから、色彩感覚もおかしいのでしょう。 残りの半分はどうするのでしょうね。
 ンメェ〜とヤギの鳴き声がします。 物置の裏からです。 行ってみると、白い仔ヤギが繋がれています。 前日まではいなかったと思います。 さっきのカロイのヤギは茶色でしたので違います。 とすると答えは1つしかありません。 ビコールがかっぱらってきた。



 きょうは、リッキーが愛人に産ませた赤ちゃんの、誕生日と洗礼式です。 私がニノン(男のスポンサー)だそうです。 リッキーはきのう愛人宅に泊まり、朝帰りでした。 ケチ女房とは顔を合わさず、そのまま農場へ出かけました。 いや、逃げていきました。 
 そんなわけで、きょうは愛人宅でパーティーがあるのでしょう。 久しぶりに表の空気でも吸ってきます。
    

2007年7月8日(日) 晴れ晴れ
エンジェルの洗礼式と誕生日

 きのうは、リッキーとその愛人の娘、エンジェルの誕生日と洗礼式がありました。 まずは教会へと向かいます。 リッキーのトライシクルに、私とガキが乗って向かいました。 リッキーの本妻、ケチ女房の手前、アイリーンやラニーは不参加です。 
 近所のバラック建ての風通しのいい教会に着きました。 愛人と子供はすでに到着していました。 牧師が説教をして、洗礼式の始まりです。 説教が終わり、子供の頭に水を掛けて洗礼式は終了です。 リッキーの友人や、愛人の友人など10人も集まったのでしょうか、簡単な儀式でした。
 家にいるケチ女房はなんと思っているのか、まったくノーテンキな男、リッキーです。 ほんとうに刺される日は近いと思います。 お刺されパーティーは、盛大に私が主催したいと思います。

 

 式も終わり、愛人宅での誕生日パーティーです。 タダ飯ですからね、近所の貧乏人がこれでもかと集まります。 犬まで群がってくる始末です。 ご祝儀を包む白い紙が置いてありますが、誰もご祝儀などは包みません。
 食事はバイキングです。 みんなお皿にてんこ盛りでガツガツ食べています。 ブタ小屋を見ると、この前いたブタがおりません。 そうです、みんなが食べているのは、この前、愛人と見間違えたブタなのです。
 私は、食事はほどほどにジンを飲んでいました。 待機しているトライシクルドライバー達も、ジンを飲んでいます。 酔っ払い運転どこ吹く風ですか。 そんなことで、しばらく居て家に戻ってきました。



 家に帰り、持ち帰った残飯を裏庭の犬にやっていると、なんか異様な臭いがします。 毛を焼く臭いです。 ビコールの家からモクモクと白い煙が立ち上がっています。 なにごとだと思い、ビコールハウスに行ってみました。
 うわっ! 真っ黒に焼けた動物の塊! ビコールに犬かと聞くと、ヤギだと言います。 ヤギって、前日の仔ヤギちゃんか? なんていうことをするのだ、この原始人、野蛮人、野獣人間! このあと解体して鍋でグツグツ煮るのでしょう。 ヨダレが垂れているぞビコールワイフ!
 トライシクルのサイドカーはどうした、ほら未完成じゃないか。 ヤギより他にやることがあるだろう。 部屋に戻れば、なんだよコレ! ベッドがバカどもに侵(おか)されている。 しょうがない、表でビールだ。 空には誕生日を祝うように、鳩が舞っています。



 盗品はすぐに処分しろという定石通り、そんな定石あったっけ、ってまあいいですか、すぐに胃袋に処分したビコール一家です。 もう証拠はありません。 私はおそらく、隣のサリサリのあんちゃんのヤギだと思います。
 まあ、盗られる方が悪いのです。 ちゃんと管理をしなさい、サリサリのあんちゃん。 それにしても、毛焼きを悟(さと)られないように家の中で焼くとは、なんという野獣の勘を持った男だビコール。 毛焼きのプロ、犬殺し。
 きょうはどんなバカがあるというのだ。 毎日これでは体が持ちません。
 

2007年7月9日(月) くもりくもり
重婚の裁き

 玄関先で飲んでいると、ガキが勉強道具を持ってやって来ました。 どうせ勉強なんかする気はありません。 ただ私のおつまみのスナックを食べたいだけです。 白い修正液のふたが開かないので開けてくれと言います。
 ふたはカチンコチンに固まっています。 使っていないのだからあたり前です。 私がふたを開けるのに苦戦していると、ガキはスナックを食べ散らします。 食べ散らせばハエがたかります。 勉強どころではありません。 
 ガキは私の部屋からハエタタキを持ってきて、ハエを叩き始めます。 もうしょうがない、勝手にやっていなさい。 飽きるまでやりなさい。 ふとカメラを見ると、レンズの内側に小さなホコリが入っています。 
 どうやって入ったのか、内側ですからホコリは取れません。 記録に残そうと、自分のカメラを撮ろうとしました。 ちょっと待て、自分のカメラで自分のカメラが撮れるのか? すごい大問題に直面してしまいました。
 やってやれないことはありません。 鏡を使い、自分のカメラを撮りましたのでご覧ください。 部屋が暗いのでレンズのホコリまでは写りませんでした。 私の手も写っておりますが、これは自動シャッターを使うことで解決できるでしょう。
 そんな暇なことをやっているバカな私です。



 アイリーンが見慣れない携帯電話を持っています。 なんなのそれと聞くと、リッキーの携帯らしいのです。 ケチ女房から預かったのだと言います。 そういえばケチ女房は、部屋に閉じこもりきりで出てきません。 
 愛人との通信手段をなくすために、リッキーの携帯を奪い取ったのでしょう。 たまにリッキーが戻ると、醜い言い争いの応酬です。 ついにケチ女房はアイリーンに、リッキーなんてもういやだ、日本人を紹介してくれとまで言ったそうです。
 いい展開になってきましたよ。 このまま傷害事件へと発展するのではないでしょうか。 悪いのはリッキー、お前だ! 覚悟を決めてズブッと男らしく刺されろ。 二重生活、二重婚の悪行に神の裁(さば)きは必ずあることでしょう。
 修正液のふたも開き、勉強などする気のないガキに、ハエ取り紙をプレゼントしました。 1匹2匹と、ハエがくっ付くたびに大歓声を上げて喜ぶガキです。 ハエがたかりやすいように、スナックの袋を横に置く周到さです。 修正液でも飲んで、頭を修正してほしいものです。
 雨が降ってきました、天然ラニーの登場です。 たしか雨が降る前に、裏庭でシャワーをしていたと思います。 こんどは雨水でシャワーですか。 裏庭でシャワーしたことを忘れたのでしょうか。 私も酔っ払って忘れることがありますが、そういう問題ではないでしょう。



 きょうは月曜日ですよね。 おかしいな、ガキが家にいます。 学校が休みなのでしょうか。 まあいいです。 きょうも事件を待ちましょう。   
 

2007年7月10日(火)
登場人物再確認

 きのうは台風が近づいているためか、雨の1日でした。
 飲みすぎてしまいまして、今朝は二日酔いです。
 そんなことで本日は、多少この日記を読まれる方も増えてまいりましたので、登場人物の再確認をさせて頂きたいと思います。
 まずはアイリーンですか、私の彼女ですね。 今いくつだろう、私と20才年が離れていますから、32才ですかね。 たしかアイリーンが24〜25才のころですかね、日本のフィリビンパブに出稼ぎに来て知り合ったわけです。
 私と結婚はしていません。 大体が面倒くさがりで出不精の私ですから、フィリピンで式をあげて、日本で手続きなんてとんでもないことです。 子供でも出来ればね、責任上結婚しますが、当分ないでしょう。
 アイリーンと知り合い、そのうちフィリピンに遊びに行くようになりまして、彼女の家にもおじゃましたわけですよね。 マニラからバスで5時間ですよ、とんでもないところに来た、というのが最初の印象です。 でもね、なぜか違和感がないんですよね。
 そのころって今もいますが、アイリーンの兄のリッキーと弟ビコールなんかいまして、夜毎(よごと)カラオケ屋に繰り出しまして、アイリーンには怒られたものでした。 リッキーのケチ女房はそのころ香港に出稼ぎに出ていていませんでした。
 出不精っていうのは面白いもので、たとえば会社に行くとするじゃないですか、すると会社が終わり家に戻るのが億劫になってしまうんですよね。 その場所から動きたくなくなってしまうのです。 だから仕事が終わったあと、コンビニなんかで酒を買ってよく会社で飲んでいました。
 また悪いことに、酒が入ると出かけたくなるんですね。 気持ちも大きくなり、どうでもいいやなんてね。 そのころ私はバツイチの独身ですから、アパートに帰ったところで寝るだけです。 毎晩のように飲んでおりました。 もちろん会社のお金でです。
 話が登場人物の紹介からそれてしまいましたね。 まあいいですか。 きょうは私の彼女アイリーンと兄リッキー、それに弟ビコールを紹介いたしました。



 本日事件がなければ、明日続きを書きたいと思います。 おっ、アイリーンがカップに紅茶のティーバックを入れて持ってきてくれました。 なんか色が薄いなと思って飲んでみると、なんとぬるま湯ではありませんか。
 ぬるいお茶で始まる1日、きょうも楽しい1日になるのでしょう。 
 

2007年7月11日(水) くもりくもり
ラニーの素性

 アイリーンは5人兄弟です。 兄がリッキーですね。 下に弟と妹がいます。 年の順番に、ビコール、ラニー、ランディーとなります。 妹がラニーで30才になります。 ラニーが結婚したのは19才のときだそうです。 フィリピン人男性と結婚しました。 
 ラニーに子供は2人います。 男と女の子供です。 女の子供がいつも日記に登場するガキです。 24才のときに、台湾へ出稼ぎに行きました。 原因は夫の浮気です。 娘ガキはこの家で育てていました。 息子は夫のほうで面倒をみています。 このころから夫とは別れる決心をしたみたいです。
 ラニーも台湾で彼氏が出来ました。 名前はチェンです。 独身で子供はいないそうです。 まだ若くてハンサムで、すらっと背の高い男です。 ラニーと夫との離婚調停が始まります。 弁護士費用に30〜40万円掛かります。
 本来、お金は夫との折半なのですが、夫にはお金がありません。 ラニーにだってそんなお金はありません。 とばっちりは台湾のチェンのところにいきます。 調停を始めて5年目の今年、やっと離婚が成立したみたいです。
 息子は夫へ、娘ガキはラニーへ、養育費その他一切なしで決着がつきました。 あとは台湾のチェンと結婚して、台湾に住まいを構えるのでしょう。 娘ガキは連れて行かないと言っていますので、私が育てることになりそうです。
 ラニーが1番複雑なので、簡単に書いておきました。 あとの人物については、日記をお読みになれば大体分かると思います。 それにしても、夫の浮気で傷心、台湾に出稼ぎに行き彼氏をつくる奴もいれば、女房が香港へ出稼ぎ中に、愛人に子供を産ませるバカもいます。
 前者がラニーで、後者がリッキーであることは、いまさら言わなくてもおわかりでしょう。 それでは最後に残った、海辺に住む末っ子ランディーはどうかといえば、いまのところは真面目に暮らしています。 
 女房が学校の先生ですから、生活には困りません。 世間体もあるのでしょう、ヘタはできません。 娘が2人に、この前産まれた男の子も1人おります。 まあ海辺でのんびり暮らせればいいという感じですか。 
 この家から北へ車で20分ほどのところにある、ラワグビーチに住んでいます。 あと、とっつぁんとおっかさんはもちろんこの家に住んでいます。 とっつぁんは農場にこれまた愛人を囲っています。 酔っ払いのとっつぁんも自由気ままに生きています。



 私がこの家に住むようになってから、ラニーやリッキーのケチ女房は、出稼ぎをやめて帰ってきました。 それって、なんなんだろう。 ラニーだって台湾にいたほうが彼氏に会えていいと思うんですが、どうなんですかね、このタカリの構図。
 さて、そんな中で生活をしている私です。 きょうも玄関先で張り込みをして、情報を捉(とら)えたいと思います。   
  

2007年7月12日(木) くもり
隠れ蓑(みの)作戦

 ビコールワイフのパン屋が、ここ2〜3日閉じています。 お金がないから開けないのだそうです。 でもパンは借りて店において、売った分だけ儲かる仕組みじゃなかったのか。 私が先払いしたビールの代金はどうなるのだ、まだ半分しか飲んでいないぞ。
 あと10本、きっちり私はノートにチェックしてありますよ。 まさかそれが嫌で店を閉じているわけでもないのでしょうが、なんとも腑に落ちない閉め方に納得がいきません。 強欲ワイフです、それで儲かったとでも思っているのでしょうか。
 亭主のビコールはといえば、トライシクルのサイドカーを外したままです。 これでは仕事になりません。 ペンキを買ってきて塗り、組み立てればよさそうなものですが、やりませんね。 サイドカーを取り付けるバイクが見あたらないけれど、どうしたのでしょう。 
 さすがに暇だとみえて、なにをやっているかといえば、稲の苗なんかをリヤカーに積み込んで、水牛と一緒にお出かけです。 田植えに行くのか、かっぱらいに行くのかは知りませんが、自然に溶け込んだその姿は誰にも怪しまれません。 これを隠れ蓑作戦というらしいです。



 玄関先で隣りから買ってきたビールを飲んでいると、この前アイリーンが頼んだ通販のおばさんがやって来ました。 頼んだ商品を持ってきたのです。 確かサンダルでしたよね。 おばさんが持ってきたものは、な なんと、子供服です。
 これですからね、どいつもこいつもでしょう。 タカリババアのパターンとまるっきり一緒ですよね。 サンダルを頼んだのだから、素直にサンダルを持ってくればいいものを、わざわざ子供服なんか持ってきて売りつけようとするのですから、始末に負えません。
 そういえば、見るからに悪そうな顔をしていますね。 その横でマリカーが、ケツを出してルピンとミルクを飲んでいます。 マリカーにも小さい子供服です。 そんなことより、早くサンダルを持って来いよボケババア! ですよね。



 夕飯を食べていると、ガキが帰ってきました。 元気がありません、いや、元気がないふりをしているだけです。 トイレでゲロを吐くふりもしています。 いつもの仮病の始まりです。 誰も心配していません。 ただ明日、学校を休みたいだけの猿芝居です。
 そして本日、はい、学校を休んでご満悦のガキです。 フィリピン版の、オオカミが来た! ですか。 そのうち、とんでもないことになるのが物語の帰結です。 ガキもそうなるのでしょう。 現にガキがゲロを吐いても、誰も心配しないし見向きもしないのですから。
 きょうは、アイリーンに禁断症状が出たみたいです。 オロンガポ中毒の禁断症状です。 苦しくてしかたがないみたいです。 そんなことで、アイリーンはオロンガポへお出かけみたいです。 私は家で昼寝でもすることにします。    


2007年7月13日(金) くもりくもり
昼飯泥棒

 不安定な天気が続いています。 過ぎ去った台風の影響でしょうか、その台風は日本を直撃しそうですので、十分ご注意下さい。 そんなぐずついた天気の中、アイリーンは果敢にもオロンガポへと出かけていきました。 
 学校を病気芝居でズル休みしたガキも、元気に行きたいとぐずります。 ズル休みしたバカを、遊びに連れて行くほど甘くはありません。 連れて行ってもらえなかったガキは、チビガキと家の中で遊びます。 
 ガキどもに、私の部屋になだれ込まれては厄介です。 部屋にはカギを掛けて、アイリーンが帰って来るまでこもることにしました。 そしてお昼も過ぎたころ、アイリーンが手にいっぱいの荷物を抱えて帰ってきました。
 荷物に群がるガキどもにキャンディーを与え、さあ、昼飯です。 私はスバゲティとハンバーガー、アイリーンはフライドチキンとライスのセットです。 ガキ? ガキどもや兄妹になんて買ってきません。 
 どこへ行っても、お土産など買ってきたことのない兄妹には、それなりの冷たい仕打ちをします。 当然のことです。 いつも自分さえよければと思っている人間には、こちらも自分さえとなってしまうのは当然です。
 部屋で、アイリーンの買ってきた食べ物の写真を撮っていると、バナナを見つけた猿のように、ガキが凄い勢いでかっぱらいに来ます。 盗られまいとガキと揉み合っては、ごちそうが床に散らばる可能性があります。
 目ざといガキは、フライドチキンのセットと、ハンバーガーに付いているポテトフライを素早く手にすると、部屋を出ていきました。 部屋の外を見ると、早くも食べているガキです。 アイリーンの飯だぞ、それにお前は病気じゃないのか? お前も自分さえか! 



 午後から、ラニーが台湾に住む恋人、チェンからのメールチェックをするので、パソコンを貸してくれと言います。 ラニー、ガキ、チビガキと続々部屋に入ってきます。 おっかさんまで入ってきました。 こうなると私の居場所はありません。 私はそっと部屋を出ます。
 玄関先で飲んでいると、いきなりバケツ、いや、タライの水を引っ繰り返したような、猛烈に叩きつける豪雨です。 シャワーチャンスとばかりに、服を脱いで雨の中に跳び出しました。 気温が低いせいか冷たい雨です。
 シャワーですから、石鹸で体を洗わなければなりません。 アイリーンに石鹸を持ってきてくれと言うと、植木や植物があるからダメだと言います。 体は裏庭で洗ってくれと言います。 なんでだよ、この前ビコールワイフが、ここで石鹸でシャワーしていたぞ、シャンプーもだ。
 まあいいや、冷た過ぎる雨の中で、文句も言っていられません。 裏庭へ行き、井戸水を浴びました。 井戸水は温かいですね。 雨水に比べれば温水ではありませんか。 そして体を洗い、きれいさっぱりしたわけです。
 


 きょうも今朝、ガキはゲロを吐く猿芝居です。 しかし、誰にも認めてもらえず、学校に行くはめになってしまいました。 毎回同じ芝居では、いいかげんにしろよ、このバカとなってしまいます。
 きょうはガキもいないし、静かな1日になることを祈ります、13日の金曜日。    
 

2007年7月14日(土) くもり
雨の日の相談者

 なんか毎日雨ですね。 梅雨みたいなお天気です。 こんな日は玄関先で飲むしかありません。 雨の中、隣りのサリサリにビールを買いに行こうとすると、アイリーンがカトルも買ってきてと言います。 カトルとは蚊取り線香のことです。
 蚊取り線香は、なにも1箱買うわけではありません。 そんなお金持ちはこの田舎にはおりません。 タバコと一緒で、蚊取り線香もバラ売りしています。 いくつ買うのと聞くと、1つでいいと言います。 2つ組みで1個ですよね。 これが3ペソです。
 蚊取り線香は、ポキポキ折って短くして使います。 渦巻きのまま火を点ける、なんていう勿体ないことはしません。 この長さなら何分、何時間燃え続けるということは頭に入っていますから、決して無駄にはしません。
 蚊取り線香に火を点けるのが大変なんですよね。 玄関先で、私のライターでアイリーンが火を点けようとしています。 長い時間ライターを点けっばなしにしているものですから、ライターの着火部分が溶けて壊れてしまいました。
 なんということをするのだ、アイリーン。 蚊取り線香を無駄にしないのはいいけれど、蚊取り線香より数倍高いライターを無駄にしてどうするのだ。 しょうがありません、私だってまさかライターが溶けるなんて、夢にも思っていませんでした。



 いい調子で飲んでいると、女の人が相談があるとやって来ました。 アイリーンが話を聞いたところによると、なんと私に日本人を紹介してほしい、ということらしいのです。 突然来てなにを言っているのだろうと思いましたが、面白そうなので2〜3質問をしてみました。
 彼女の年はと聞くと36才、なんだとこのやろう! でしょう。 子供はと聞くと1人いると、おいコラ、引っ叩かれるぞ! ですよね。 一緒に日本人の建てた家に住みたいと、寝言、たわごとまでいう始末です。  
 17〜18才で、ピチピチしている娘なら成る程と思いますよ。 なんなんだよ、バツイチの子持ちババアじゃしょうがないだろう。 それでも邪険には出来ませんので、はいはい分かりました、いい人がいたら紹介しますよと言っておきました。  
 そばでビコールワイフが伺(うかが)っているのを、私は見逃しはしません。 いいかげんにしろよ、ビコールワイフ! お前が連れて来たんだろう。 なんの罠(わな)かは知らないが、連れてくるのなら、もっとセクシーで若いのを連れてくるのがスジだろう。
 こんどは置家の商売でも始めたのか、いいかげんにしてくれよ。 私の前金で払ったビールはどうなっているのだ。 ビールもよこさない、金も返さない、あげくには変な子持ちババアまで連れてきやがって、もう勘弁して下さい。 外は雨なんだぞ。



 すべてが仕組まれている昨今(さっこん)、ちょっとの油断が泥沼にはまり込むことになります。 油断禁物、ワイフ禁物、目には目薬を、歯には牙(きば)をと、ときには優しく、ときには厳しく接しなくてはなりません。 お前、訳が分からないぞって、書いている私にも分かりません。
 きょうも雨です。 憂鬱(ゆううつ)な日には、ロクなことを考えないワイフです。 きょうは何を考えて攻撃してくるのでしょうか、極限の精神状態で戦いに臨(のぞ)まなくてはなりません。    


2007年7月15日(日) くもりくもり
再開か ビコールワイフのサリサリ

 きのうも1日雨でした。 ガキは土曜日だというのに、午前中は学校があるとかで、渋々出かけていきました。 ちょうどいい、昼寝でもしようかなと思い、ベッドに横になったのですが、寒くて寝られません。 ハエもブンブン飛び交います。
 うるさいガキがいないと思ったら、うるさいハエに攻め立てられます。 寒かったので、タオルケットを体に巻いてハエがたかるのを防ごうとしました。 しかしハエは、タオルケットから出ている顔を攻めてきます。
 顔の周りでハエがブンブン飛びます。 顔の横をハエが擦過(さっか)します。 追い払っても追い払っても、まとわり付きます。 ちっきしょう! と、跳ね起き、ハエと戦うことにしました。 そんなことで午前中は、あっという間に終わってしまったのです。
 昼飯にインスタントラーメン野菜入りを食べて温まり、玄関先で飲む準備をします。 準備は簡単です。 まず、タバコとマッチですね、ライターは壊れてしまったのでマッチです。 そして、いつ事件が起きてもいいように、カメラをテーブルの上に用意して終了です。
 隣りのサリサリからビールを買ってきて、アイリーン警部と張り込みに入ります。



 張り込んで1時間もしたころでしょうか、ビコールの使用人がやって来ました。 タレこみです。 謝礼はタバコ1本です。 タレこみの内容は重大なものでした。 なんと、ビコールワイフがまたサリサリをやるとの情報です。
 そうすれば、私が前金で払った残りのビールを回収できます。 しかし、タレこみ屋が言うには、 私のビールはすべて私が受け取ったと、ビコールワイフが言っているというのです。 なにをバカなことをビコールワイフ、私はきちんとノートにメモしてあるのだ。
 前金で500ペソ支払い、これまでに私が受け取ったものは、レッドホースビール10本、単価25ペソ、それにジンの小瓶2本、単価26ペソ、それらを計算すれば、302ペソだぞ。 あと約200ペソ、レッドホースで8本分が未回収なのだ。
 きょうワイフのサリサリが営業していれば、とりあえず交渉してみます。 もし応じないようであれば、何を言っても無駄でしょう、きっぱりと引き下がります。 そのかわり今後、私のお酒に関しては、ワイフの店では一切買いません。
 目先の欲で今後の利益を失うのか、素直にビールをよこして上客を留めておくのか、それはワイフの自由です。 高額紙幣でお釣りがないと言われたら、何も買わずに素直に帰ってくることにしましょうね。 それが1番です。
 そんなことで、雨も降っているし部屋へ戻ろうかなとしたら、バカどもがリビングでたむろしていました。



 きょうの予定は決まりですね。 ワイフのサリサリに事情聴取に行くことになります。 アイリーン警部にも同行してもらいます。 ぶちのめされるのではないかという一抹の不安はありますが、それでは、明日をお楽しみに。 
   

2007年7月16日(月) 晴れ晴れ
ビコールワイフとの交渉

 きのうビコールワイフの店を覗くと、おお、やっています。 おやっ、パン屋ではありませんね、普通のサリサリ(雑貨屋)みたいです。 なんだよ、品数がありません。 自分の家で使う食材などを店に並べていると、そんな感じですね。
 私の家の周りのサリサリですが、ビコールワイフのサリサリを含めて全部で3つあります。 家の真正面に1つと、両隣に1つずつです。 だからなにも、ワイフのサリサリに買いに行かなくても用は足せます。
 さて、いよいよビコールワイフと、私が前金で支払ったビール代金の、未回収の分についての交渉です。 交渉の前には作戦が必要です。 まず、いきなり、私が、あとビールは何本貰えるのだと聞いて、ワイフが、全部渡したと言われればそれまでです。
 そこで作戦です。 まずビールのことは伏せておきます。 アイリーンに私が、もうワイフのところでは、私がお酒を買わないと言っていると伝えてもらいます。 ワイフはなんでだ? ということになると思います。 そこで、前金で支払ったビールを受け取っていないからだ、と言ってもらいます。
 ちゃんと本数はチェックあるし、残金の計算もしてあることを伝えてもらいます。 残金は200ペソ、ビール8本分、それを受け取らない限り、ワイフの店では私は買い物をしない、と怒っていることを伝えてもらいます。 さあ、ワイフがどうでるかですよね。
 隣りのサリサリでビールを買ってきて、玄関先でアイリーン警部に作戦を告げました。 すると早速ワイフのところへ交渉に向かってくれました。 しばらく待つと、アイリーン警部が戻ってきました。 どうだった? と聞くと、ワイフは納得したみたいだと言います。
 まあ、ビールを寄こす寄こさないは別として、認めさせただけでも収穫でした。 それでビールはと警部に聞くと、まだ仕入れていないからないんだって、とチョコレートケーキを食べながら言います。 チョコレ・・って、買収されたか! アイリーン警部。



 ミンダナオから遊びに来ていた、親戚のおばさんが帰ることになりました。 私の家には1泊しただけですが、まあどうでもいいのです。 2人で来て、そのうちの1人が先に帰ることになりましたが、帰り方が分からないと、とぼけたことを言っているのです。
 誰かを送りにつけてやらなければなりません。 ここは1番暇なビコールに白羽の矢が立ちます。 さっそく着替えるビコールです。 足許を見れば、軍隊にいたときに買ったという長靴(ちょうか)5,000ペソを履いています。 なにを考えているのだビコール。
 マニラだぞマニラに行くんだぞビコール、それは山の中で履く靴ですよ。 そんな靴売り払って、ビールを返してくれ。 裏庭では、リッキーが屋根の隙間を竹棒で突っついています。 なにをしているのかなと思ったら、コウモリを追っ払っているのですね。


 
 きょうは久しぶりのいい天気です。 こんな日はビールが美味いのです。 ワイフはどんな手を使ってくるのか、きょうもさり気なくワイフの動向を観察したいと思います。 まだまだ終わらないワイフとの戦いです。     
 

2007年7月17日(火) 晴れ晴れ
恫喝 「芋を喰え この野郎!」

 きのうは暑い1日でしたね。 絶好のビール日和とでもいうのでしょうか、玄関先はもうビアガーデンにするしかありません。 そんなことで、意を決してビコールワイフのサリサリにビールをもらいに行きました。 中を覗くと誰もいません。
 とりあえず、サリサリの裏口に設置してある冷蔵庫へ行ってみました。 ビールはあるのかなと思い冷蔵庫を開けようとしたら、なんとカギが掛かっています。 まるで私がビールを取りにくることを見透かしたような用心深さです。
 前はワイフがいないときは、勝手にビールを取って、飲んだ分だけお金を払っていました。 ところが今回はカギときました。 しかたがないので、隣のサリサリからビールを買って、ビアガーデンでビールを飲んでおりました。
 アイリーン警部がきたので、再度確認しました。 ワイフは分かっているの、と聞くと、大丈夫、残りの200ペソ分はきちんとビールで支払うと約束したと言います。 ワイフのところにビールはあるの、と聞くと、冷蔵庫にいっぱいあると言います。
 そのうちワイフが、鬼の形相で戻ってきました。 なにか面白くないことでもあったのでしょうか、それともそれが普通の顔だとでもいうのでしょうか。 どちらにしろ、あまり機嫌がよさそうにないので、警部にビールの回収をお願いしました。
 さすが警部です。 ワイフのサリサリから、見事にビール1本を回収してきました。 全部回収した暁(あかつき)には、警視に格上げしてやらなければと思っています。 そんなことをしているうちに、マニラへおばさんを送りに行っていたビコールが帰ってきました。



 ビコールの手にはお土産袋が握られています。 その中から、娘のマリカーに缶コーラをあげます。 喜ぶマリカーです。 しかし、缶の中身はカラッポです。 私に泣き付くマリカーです。 なんでそういうことするかなビコール、ワイフにやってみろよ!
 サリサリの裏口から中に入って、ワイフにマニラでの報告をするビコールです。 私とアイリーンがそばで見ていると、いきなりワイフが私の顔を見て、芋を喰え! と言います。 たしかに鍋に蒸(ふ)かし芋があります。
 美味しいから芋を食べなさい、ではありませんよ。 大声で怒ったように、芋を喰え! って怒鳴るんですよ、そのあとに、このやろうとでも言いたかったのではないでしょうか。 なにを言っているんだこの女(あま)は、ですよね。
 ヒェ〜、恐ろしや恐ろしや、狂気の館です。 もうビールはどうでもいいやという感じです。 このまま敗北するのか、なにか活路は見い出せるのか微妙になってきました。 そこでビヤガーデンに戻り、1杯飲みながら次の策を練ることにしました。
 残り173ペソか、ん〜、これはビールに固執(こしゅう)するからいけないのだ、スナックでも缶詰でもなんでもいいではないか、とにかくワイフを騙して173ペソ分回収して終わりとするのだ。 ビールに越した事はないが、とりあえず回収品はなんでもいいことにしよう。



 なんだ、きょうは雲ひとつない いい天気、きょうもビールが美味そうな日じゃないか。 きょうの回収は、ワイフの気分次第ということにしましょう。 なんか、きのうビコールがお土産に買ってきた、ピンクのネグリジェみたいなアロハを着て、機嫌はどうやらよさそうです。
 朝から庭を得意げに歩きまわり、見せびらかしているのでしょうか、気持ちが悪いのでやめてほしいものです。 ネグリジェの写真は明日です。
  

2007年7月18日(水) 晴れ晴れ
敏腕 リッキー刑事登場

 きのうの朝、ビコールワイフが窓の外を歩いています。 歩いているだけなら許しましょう。 あろうことか、ピンクのネグリジェというか、ムームーみたいなものを着て、まるでモデルにでもなったようなつもりで歩いているのです。
 清々(すがすが)しい朝にですよ。 1日の始まりにですよ。 朝から1日をぶっ壊されたことは、いうまでもありません。 昼までそんな格好でいたのではないでしょうか。 気持ちが悪いので昼寝でもしようかなと思ったら、玄関先から大音量です。
 リッキーですよ、デシベル気違いがまた始まりました。 そのうち玄関先にジンを用意して、飲む気満点のリッキーです。 まだ昼飯前ですよ。 とりあえず早めの昼飯を食べて、私も準備をしました。 玄関先のビアガーデンは、うるせぇ〜! の一言です。



 そんなことでビアガーデンで飲んでいると、玄関先に一台の黒塗りのバンが停まります。 中でカメラを構え、パチパチと写真を撮っています。 どこのスパイだと思っていたら、車のドアが開き、精悍なマスクの男性が降りてきました。 りゅうとTシャツを着こなしたその姿、よく見れば、なんだタマさんじゃん。
 びっくりさせないで下さいよ、 カステリオスのタマさん がやって来たのです。 なにか重大な話でもあるのかなと思ったら、ただ世間話をしにきたみたいです。 リッキーが犬の肉だなんて言いながら、この前ビコールが と殺した仔ヤギの肉を持ってきました。
 食いしん坊のタマさんですから、なんでも食べます。 そんなことをしながら話をしていると、ジンがカラッポになってしまいました。 リッキーはビールが飲みたいと言います。 なにぃ! ビールときましたね。 ラッキー、リッキー!



 ビールといえば、ビコールワイフのサリサリに、未回収分の7本のビールがあります。 さっそくリッキー刑事に簡単に事情を説明しました。 するとデカ根性とでもいうのでしょうか、ただの酔っ払いの、タダ酒好きとでもいうのでしょうか、ワイフのサリサリへと交渉に出かけました。
 サリサリを出てきたリッキーの手には、なんと2本のビールが高々と掲(かか)げられています。 またたくまにそのビールを飲み干し、再びリッキー刑事が、回収に走ります。 おお! また2本回収してきましたよ。 
 ビコールワイフが、目を吊り上げて私に向かって何か怒鳴っていますが、日本語でしゃべらんかい このボケ! と酔っ払いの私は強気です。 ふう、飲んだ呑んだ、もう飲めません。 一応この日の回収はこれで終わりです。 ざまあみさらせ、ビコールワイフ!



 回収の残りはあと3本です。 しかしこれ以上深追いすると、危険な臭いがします。 しばらくは、ほとぼりが冷めるまで、ワイフのところには立ち入りしないことにします。 それにしてもこの回収劇、いまが引き際かもしれませんね。
 タマさん、きのうはありがとうございました。 近くに行ったら寄らさせてもらいますね。 奥さんに宜しくお伝え下さい。   
 

2007年7月19日(木) 晴れ晴れ
むしり取られた 1,000円

 きのうお昼も過ぎたころ、さて、ビールでも飲もうかなと思い、一応、ビコールワイフのサリサリを覗いてみました。 そうしたら、誰もいません。 アイリーンに、誰もいないからビールを取って飲んでも大丈夫か、と聞くと、大丈夫だと言います。
 アイリーンが冷蔵庫を開け、ビールやジュースを取り出して、玄関先で飲み始めました。 まあ2〜3本飲んでも気が付きはしないいだろうと、軽い気持ちで飲んでいました。 飲んでいると、屋根に荷物を積んだジープニーが家の前に止まります。 
 屋根から荷物を降ろして、なにやら玄関先に運び入れています。 なんなのと聞くと、小物を入れるケースだと言います。 毎日20ペソの6ヶ月払いだそうです。 約1万円ってとこですかね。 しかしなんという支払いの方法なのでしょうか。
 アイリーンは部屋でケースに小物を整理しています。 ビールがなくなったので、こんどは私が冷蔵庫からビールを取ってきました。 ビールを持って玄関先に戻るとき、運悪くワイフが自転車で帰ってきました。 
 ワイフと目と目が合います、ワイフの視線は私の手もとのビールへと注がれます。 これは大変なことになるとの悪寒が背すじを走ります。 冷蔵庫を確認したのでしょう、ワイフが私の部屋の窓から、ものすごい剣幕でアイリーンに文句を言っています。
 写真をと思い、後ろからそっと撮っていると、いきなり振り向くワイフです。 また目と目が合ってしまいました。 ウワァオ! 万事休すとはこのことか。 



 なんとかアイリーンが、お金を払うということで話を付けてくれました。 もうこれで大丈夫だろうと玄関先で飲みなおしていると、ワイフが手招きしながら、汚いダンボールを持ってきます。 私の前に置いて、箱を開けました。 なんだよコレ、ケーキのスポンジか。 
 なんとそれを170ペソで買えと言います。 おいおい、そういうものはクリームを塗って初めて商品になるんじゃないのか。 ワイフは、これでもうまいのだと譲りません。 まあ、大きさもほどほどだし、作りたてみたいなので、ビール1本おまけに付けてもらい買うことにしました。
 いまお金がないからと言うと、私の腕をムンズとつかみ、私の部屋の中に引っぱり込みます。 アイリーンが、どうしたのという顔で見ています。 アイリーン、ちょっとお金貸してくれというと、ないよと素っ気なく言うではありませんか。
 ワイフが日本円でいい、なんてことを言い出します。 なんだよそれ、ケーキのスポンジと冷蔵庫のビールとジュースで1,000円だ、なんて言います。 高いんじゃないのかと文句をいうと、田舎の両替所は1,000円が300ペソだなんて、無茶苦茶を言います。
 1,000円より命のほうが大事なので、払ってやりましたよ1,000円。 なんちゅう奴だよ、あの手この手でむしり取られます。 いったい私がなにをしたというのだ。



 結局、スポンジが夕飯になってしまいました。 なにがなんだか、訳が分からなくなってきました。 考えてみれば、ことの発端、悪の元凶はビールです。 きょうからしばらくビールはやめて、ジンを嗜(たしな)みたいと思います。      


2007年7月20日(金) 晴れ晴れ
哀愁のカサブランカ

 鬼面(きめん)ビコールワイフのバカガキが、学校にも行かずに外で遊んでいます。 なぜ学校に行かないんだとアイリーンに聞くと、着ていく服がないのだとか、なるほど上半身裸で遊んでいるバカガキどもです。 服くらい着せて学校へ行かせてやれよビコールワイフ。
 さて、ビールのお時間です。 ワイフのサリサリはもうこりごりです、と思っているときに限って、おい! ビールだ、なんてワイフが持ってきます。 またなんか魂胆があるのだなと思い、ビールをひと口飲みました。 なんだよ、温(ぬる)いビールだな。
 温い原因を調べに、ワイフのサリサリに現場検証に行きました。 原因は冷蔵庫の霜取りでした。 蓋が開けっ放しで、冷蔵庫が機能していません。 まあ、これも一種のかわいい嫌がらせなのでしょう。 
 ビールのお金を払わなければと思い、アイリーンにお金をもらいにいきました。 するとまた悪夢の500ペソ札です。 お金がないと言いながら、どうしたんだこのお金はと聞くと、ラニーに借りたと言います。
 これをワイフに渡すと、またお釣りがないと始まることは目に見えています。 お金はあとで渡すことにしましょう。 ビールのおつまみはインスタントのヤキソバです。 ひと口食べると、口から火を噴く辛さです。 
 なんでも庭の唐辛子を5本も入れたとかで、辛いの好きでしょうって、限度があるわい! おかげでビールがすすみます、また温いビールをもらってしまいました。 魚売りがやって来ました。 晩飯は小魚のフライに決定です。





 しばらく飲んで部屋に戻って寝ていたら、アイリーンがカラオケに行くよと言います。 カラオケってどこに行くんだよと思い付いていくと、なんとビコールワイフのサリサリに入って行きます。 なんでサリサリなんだと思い中を見ました。
 なぁんとサリサリの中にカラオケが運び込まれているではありませんか。 こいつらバカか痴呆か気違いか、ここはサリサリショップだぞ、雑貨屋だぞ、まあいい、食べ物の違いで考えも方も違ってくると思うしかない。
 お祝いに1曲歌わないといけませんね。 まずビールで喉を湿らせて、郷ひろみの哀愁のカサブランカをリクエストします。 曲が掛かります、いいね、あれっ! 歌詞が英語じゃないの? そんなことは気にしません。
 出鱈目(でたらめ)な日本語を並べ立てて歌えばいいのです。 ♪だきしめると臭い君は〜いつも気違いの臭いがする〜、といい調子で歌います。 いい調子で歌っていたのはいいのですが、気が付けば誰もいません。 帰るなら帰ると言ってくださいよ。 
 店の中には、私とワイフだけです。 いきなり帰るとも言えないので、サリサリの品物を手にとって、これいくらなんて、しょうがないことを聞いて時間を潰します。 そのうち客が来たので、逃げ帰りました。
 部屋に戻ると、ワイフが集金に来ました。 いくらと聞くと、ビール4本で100ペソです。 500ペソでの支払いです、お釣りが先です。 ワイフに先にお釣りを持ってきてもらい、無事支払いは完了しました。



 そんなことで、手に汗を握る1日が終わりました。 きょうは、アイリーンがオロンガポへ両替に行きます。 お金がないのですからしょうがありません。 私は家で待機することにします。 
 はたしてサリサリのカラオケ屋は繁盛するのでしょうか、それとも私を呼び入れるための罠(わな)なのでしょうか、今後の展開がどうなるのか予想もつきません。
      

2007年7月21日(土) 晴れ晴れ
口直しの お好み焼き

 きのうは金曜日、海辺に住むアイリーンの弟ランディーが、上の娘を連れてやってきました。 学校にも行かさずにどうしたんだと聞くと、子供の頭にシラミがたかり痒(かゆ)がって学校に行けないというのです。
 それで、なんでここに連れてきたのかといえば、アイリーンにシラミを取ってもらいたいということらしいのです。 シラミを取るためにここに連れてきたのか、バカもいい加減にしろよランディー。 ガキの頭を洗ってやればいいだけのことじゃないのか。
 オロンガポ行きを中止して、アイリーン博士がさっそくガキの頭をチェックします。 これは凄いと、驚きの声とともに、シラミを取り始めました。 私の部屋の中でやっているものですから、汚染されると思い、玄関先に追い出しました。
 ランディーもシラミ取りを手伝います。 ガキの頭に、大の大人が2人掛かりです。 まあ暇だからいいのですが、私は理解に苦しみます。 頭を洗ってやれば一発で解決することだと思うのですが、なぜ1匹1匹取らねばならないのでしょうか。
 昼飯にハンバーガーを食べて玄関先に行くと、まだやっています。 ビコールワイフのサリサリにビールをもらいに行き、ガキにはスナック菓子を買ってやりました。 スナックをポリポリかじりながら、気持ち良さそうにシラミを取ってもらうガキでした。
 さあ、おやつの時間です。 お好み焼きでも作るかと思ったら、アイリーンがもうヤキソバを炒めたと言います。 ちょっと辛めにしてねと言うと、庭先の唐辛子をもいでキッチンへと行きました。 ヤキソバが出来上がり玄関先へと運ばれてきました。
 あれれ! ちょっと唐辛子が大きいんじゃないの。 唐辛子1個を4等分くらいに切って入れてあります。 4個分、それも生のままです。 なんで炒めないのと聞けば、炒めると麺が辛くなるとの理由です。 
 唐辛子は私だけしか食べないので、避(よ)けやすいように、目立つように入れたわけです。 このぶつ切りじゃ、そうとうきますよ。 案の定、この日も口から火を噴く私でした。 ビールが何本あっても足りない辛さを味わいました。



 口直しにお好み焼きを作ることにしました。 粉をといで、玉子、キャベツにセロリ、ネギにチーズにハムと、あるものをぶち込んで焼こうとすると、ガスがないよなんて言います。 なんで先に言わないんですか、1番大事なことでしょう博士。
 しょうがない、表で焼くしかありません。 アイリーンに火を熾(おこ)してもらい、しちりんの上に中華ナベを載せて焼きます。 火の調節が大変です。 ここは弱火でじっくりと焼くことにしました。
 なんとか出来上がり、食べてみると思った以上の出来上がりです。 ビールのつまみにふた口も食べたころには、お皿はカラッポになっていました。 ガキやおっかさんやミンダナオババアが、全部食べてしまいました。
 ミンダナオババアは親戚のババアですが、この前来て居ついてしまったので、私がメイドとして雇ってあげました。 賃金は1日50ペソの破格の値段です。 仕事は、掃除、洗濯、それにマッサージです。 悪くないでしょう。
 夕方、やはりビコールワイフのカラオケに行かなくては、1日が終わりませんね。 ちょうど娘ガキも学校から帰ってきて、カラオケに繰り出しました。 年齢不詳のワイフがホステスです。 雰囲気は、まるで暴力 カラオケバーてすよね。
 飲んで歌って、楽しいかといわれれば、楽しいわけないじゃないですか。 長居をすると悪酔いしますので、早々に引き揚げてきました。





 今朝の朝食は、ガスがないのでカップラーメンとパンでした。 アイリーンは、きょうこそオロンガポへ行くと張り切っています。 ちょっと待て、きょうは土曜日で学校が休みじゃないのか。 ガキも連れて行って下さいよ。 
 きょうこそは、のんびり過ごしたいと思います。   


2007年7月22日(日) 晴れ晴れ
半殺しのカメラ

 きのうアイリーンとガキは、オロンガポへ買い物にお出かけです。 私は久しぶりにぐっすりとお昼寝です。 そのうちお昼になり、ラニーとケチ女房が部屋に入ってきました。 昼飯をお盆に載せて持ってきてくれたのです。
 調理用のガスがない中、チャーハンとレーズン入りウインナー、それにコーヒーがお盆の上に載っています。 薪(まき)で調理したのでしょう、ウインナーは生のままべつの皿です。 ひと口チャーハンを食べてみると、なんかうまみがありません。 塩味も足りません。
 せっかく作ってくれたのに残すわけにもいかず、コーヒーと水で胃の中に流し込みました。 そのうち午後の2時も廻ったころ、アイリーンとガキが帰ってきました。 私へのお土産は、ピザ2切れです。 まあ買ってきてくれるだけ善しとしなければなりません。
 ビコールのガキには、サンダルを買ってきてやったみたいです。 この前、服がなくて学校に行けないという話をしましたが、履いていくサンダルもないらしいのです。 まさか、裸足で学校に行くわけにもいきませんよね。 そこで、サンダルとなったわけです。
 ガスがないのを見越して、パンやカップメンを多量に買い込んできたみたいです。 アイリーンにガスを注文すればと言うと、誰もお金を払わないから、ガスはいらないと言います。 薪だと燃費が、ガスの3分の1だと言います。 なるほどねぇ!
 で、きょうの晩飯は何なのと聞くと、さっき買ってきたピザだよ〜ん、って やっぱりガスを注文したほうがいいんじゃないのか。



 玄関先で飲んでいると、隣のサリサリのあんちゃんが、私の家の塀の外にヤギを繋いでいきました。 塀の外では、ヤギが背伸びをして、私の家の塀の中の木の葉っぱを食べています。 きっと、ビコールに仔ヤギを喰われてしまった腹いせなのでしょう。
 ラニーが、台湾の恋人チェンにメールするからパソコンを貸してくれと言います。 そうして、延々と長い文章を打ち込んでいます。 最後に、送信出来ないとよ、と言います。 見ると電波がありません。 残念でした、と言うしかありませんよね。
 さて、いつものように、締めはワイフのカラオケ屋です。 ラニー、ケチ女房などが楽しんでいます。 それが終われば夕飯です。 約束通り、きっちりピザが出てきます。 オーブントースターで温め直しただけのピザです、その心尽くしに涙が出ます。
 




 チビガキのマリカーが、私のカメラを地面に叩きつけました。 そのためか、カメラのスイッチが入りません。 ショックを与えると、たまにもとに戻りますが、ダマシダマシにも限界があるでしょう。
 壊れるまで使いますが、いつまで持つ事やら。 ほんと、マリカーはかわいいなあ。 さすがビコールワイフの娘だけのことはあります。 
 きょうは日曜日ですね。 晴れ渡った空です、ビールがうまいぞきょうは。 


2007年7月23日(月) 晴れ晴れ
シャワーエステ

 今朝の朝食は、トーストとインスタントラーメンでした。 ガスもないのに朝から薪(まき)でラーメンを作ったのかと聞くと、炊飯器で作ったんだよと、思いも掛けないような答えです。 たしかに炊飯器なら煮物くらいは出来ますよね。
 きのう、玄関先で飲んでいると、バナナキューと春巻きを売りにおばさんがやってきました。 バナナキューを2本買って食べてみましたが、甘くて酒のつまみにはなりません。 失敗しました、春巻きのほうを買うのでした。
 バナナキューはチビガキにやって、サントールというフルーツを食べることにしました。 皮を厚めにむいて、お好みで塩を付けて食べます。 種の周りの実は、かじってもかじっても取れないので、しゃぶるという感じで食べます。 味は酸っぱいですね、だから塩を付けるのでしょうか。
 サントールが終わり、つぎはグァバです。 これはぶつ切りにして食べるだけです。 まん中のピンクのところがおいしいのですが、味はほんのり甘いといった程度です。 この薄味にこそ塩が有効だと思うのですが、これには塩を付けないようです。
 喰って飲んでいると、銀縁めがねに金時計の、上品そうなおばさんがやってきました。 なぜか手にはホウキとチリトリを持っています。 このおばさん、何しに来たかといえば、水牛のフンを拾いに来たのです。
 草花の肥料にでもするのでしょう。 一生懸命、フンを集めています。 時々こちらを見て、ニッ なんて金歯を光らせます。 お金持ちなのでしょうか。 しかしお金持ちが、フンなんか拾いに来るか。 それよりもなによりも、ここはウンコハウスかよ、失礼じゃないのか このフン取りハバア! 





 ビコールワイフのサリサリにビールをもらいに行くと、日曜日のせいでしょうか、汚ったない男どもが狭い店内でカラオケをしています。 ビールなんかもグビグビ飲んでいるものですから、私のビールがありません。
 男どもも、ビールの追加はあたり前です。 さあ、ビールの在庫のないワイフのサリサリです。 儲けのチャンスを不意にするものかと、なんと隣りのサリサリを脅して、ビールを調達するワイフです。 なくなるたびに、隣りのサリサリに行き、2本、3本と持ってきます。
 ワイフの図太い神経には誰も敵(かな)いません。 さあ、裏庭でシャワーでもしようかなと思ったら、マリカーがトコトコとやってきます。 そうか、一緒にシャワーするのかマリカー。 それではと、マリカーの頭と体をピカピカに洗ってあげました。
 なんと、風呂上りのマリカーは、白人のように白く輝く肌になりました。 頭のシラミも もういないはずです。 シラミをチェックしたアイリーン博士も、これにはビックリしておりました。 なんて、そんなはずもないですよね、でもちょっとは白くなったマリカーでした。
 シャワーが終わって喉が渇いたので、ふたたび、ビコールワイフのところへビールをもらいに行きました。 そしたら、またビールがありません。 凝りもせずに、また隣りのサリサリを脅しに行くワイフです。 何もしていないのに、怒鳴り散らされる隣りのサリサリも、たまったものではありませんよね。



 ガスのない生活はいつまで続くのでしょうか。 私はべつに構いませんが、おかずはちゃんと作って下さいね。 
 きょうも抜けるような青空です。 いつも事件は午後に発生します。 それまで少し体を休めたいと思います。      


2007年7月24日(火) 晴れ晴れ
ミンダナオのLPガス事情

 ガスのない生活にもすっかり慣れたのでしょう、余裕のお菓子作りが始まりました。 プトというお菓子です。 ココナッツとミルクに米の粉を入れて、蒸しあげるお菓子です。 味は芋ようかんといったところでしょう。
 裏庭でメイドのミンダナオババアが、火を熾(おこ)して蒸しあげます。 ミンダナオではガスがあるのかと聞くと、驚いたことにあるといいます。 なにぃ! ここより文明的な生活をしているというのか。 
 いや、きっとミンダナオの大金持ちだけが、使っているのでしょう。 日本人の私でさえガスのない生活をしているのですから。 メイドの仕草を見ていると、それはもう手慣れたものです。 バナナの葉っぱなんかで、火の調節までしています。
 絶対普段からやっていないと、ここまでの手際の良さはありませんよね。 わずか月に500ペソのLPガスに、なんでここまでやるのか、なにがそうさせるのか、原始の血がそうさせるのでしょうか。 血が騒ぐというのか、血が暴れるのでしょうね。
 薪(まき)で蒸しあげた格別のお菓子、プトの出来上がりです。 苦労して作った割には、あっという間に食べてしまうんですよね。 まあいいでしょう、私が苦労して作った訳でもないのですから。



 玄関先でビールを飲んでいると、またビコールワイフのところに借金取りがきています。 アイリーンに利息はいくらなんだときくと、ファイブ・シックスだと言います。 そういえば先日掲示板に キャプテン・サントさん から、これについての書き込みがありましたよね。
 5千ペソ借りれば、1ヶ月後に6千ペソ支払うシステムですよね。 年率240%ですか、日本のヤミ金並みの金利です。 とりあえず1ヶ月後に、金利分だけ支払えばジャンプ出来るみたいです。 払えなければ金利上乗せの書換えとなり、複利で莫大な借金が増え続けるわけです。
 これとて、お金のない人間には支払えません。 どうするのでしょう、臓器を売れ、なんていうことになるのでしょうね。 サラ金地獄、ヤミの取立てフィリピン版ではないですか。 まあ業者にしても、人や家を見てお金を貸すと思いますが。
 ワイフの場合、そんなに高額は借りられないだろうし、貸してもくれないだろうと私は読んでいます。 いずれにせよ、借金癖のある人は、けっして借金から抜け出せません。 面白いことに、一生貧乏するように出来ているのですね。 しょうがありません、自分の蒔(ま)いた種です。
 そんな話をアイリーンとしていると、またバナナキュー売りがやってきました。 いや、売りに来たのではないみたいです。 先日のバナナキューのお金が未払いだったらしく、取りに来たらしいのです。 こらこらアイリーン、借金で物を買わないようにしなさいね。
 さて、夕飯です。 玄関先に並んだおかずは、魚とサラダと味噌汁だけ。 味噌汁なんか、ラーメンどんぶりに入れて、スプーンまで付けてくれます。 いいんですよ、雰囲気で食べるんですからね。 さあ、いっただきま〜す!
 


 きょうも玄関先でということになるのでしょう。 なんかいつも家の中の出来事ばかりですみませんね。 なにせ出不精なものですから、近場でということになってしまいます。 まあ、いいですよね。   


2007年7月25日(水) 晴れ晴れ
なぜかイバ

 きのうアイリーンがいきなりエビを買いに行くなんて言いだします。 なんでエビなのかはよく分かりませんが、どこかへ出掛けたいということなのでしょう。 どこに買いに行くのかと聞くと、イバまで行くと言います。
 イバはザンバレス州の州都です。 ここからだと、北にバスで40分くらいのところです。 バスで行くのかなと思ったら、トライシクルで行って来るといいます。 根性ありますよね。 トライシクルで往復100ペソです。
 私はもちろん家で待ちます。 玄関先で飲んでいると隣のサリサリに、サイドカーの付いた自転車に乗った親子が買い物にやって来ました。 コーラの大瓶1本買っていきましたが、いかにも生活に疲れたという感じでした。 かわいそうですがね、どうしようも出来ません。
 ビコールワイフのサリサリに、またビールがありません。 お金がなくて仕入れが出来ないのでしょうか、隣りのサリサリにビールを買いに行く私ですが、なぜか背中に殺気を感じます。 後ろ向きに歩くわけにはいかないので、何度もふり返りながら歩く私です。
 アイリーンがイバから戻ってきました。 なんかご機嫌斜めです。 エビがなかったのですね。 やはり早い時間に買いに行かないとダメみたいですね。 そこで、何を買ってきたのかなと見てみると、魚です。 あたり前ですよね、魚屋に行ったのですから。
 なんていう名前の魚かなと思い、魚の名前を聞くと、サーモンだよと言います。 サーモンって鮭 (しゃけ) でしょう、なんでそんなに小さいんですかね。 まあ、大きくなる途中だと言われればそうなのでしょうが、おいしければいいですか。



 調理をするために、薪 (まき) で火を熾 (おこ) さなければなりません。 薪は3束で100ペソです。 ガスがないので薪を買っておいたらしいのですが、その薪が半分近くも かっぱらわれたというのです。
 まさか、外からの泥棒ではないでしょう。 そうなると、また答えは1つですよね、ビコールが かっぱらった。 ビコールのところも、もちろんガスなどありませんから、薪は貴重品です。 それにしても、だからガスを注文したほうが安いんじゃないのか、となりますよね。
 火も熾り、調理の始まりです。 魚はバナナの葉っぱに包 (くる) んで焼きます。 大きなナスはそのまま火に掛けます。 私にちょっと見ていてくれなんていうものですから、ナスを引っ繰り返していたら、コロンと下に落っことしてしまいました。
 酔っ払いに、そんなことをさせるのが間違いなのです。 ナスは引き続き焼いて、皮をむくのだから問題はないでしょう。 それにしても薪での火加減の難しさ、熟練の業を要しますね。 さてそろそろ出来上がりですか。
 本日も玄関先に並んだ夕飯、本日のメニューは、サーモンの奉書焼き風、焼きナス、スカスカの甘いハムみたいなものと盛りだくさんです。 たまにはお肉が食べたいな。



 いよいよ壊れた私のカメラ。 今朝、カメラのスイッチが入りません、画像のロードは出来たので、本日は大丈夫でした。 カメラを買わないとダメみたいです。 1万円くらいであればいいのですが、本日カメラ屋にでも行ってみます。 
 

2007年7月26日(木) 晴れ晴れ
ミニにタコの靴屋

 きのうの朝、ドーナツを作るというので写真を撮っていたら、2枚撮ったところでカメラのスイッチが作動しなくなりました。 ショックを与えても作動しません。 これはいよいよ壊れたなと思い、新しいカメラを買いに行くことにしました。
 アイリーンに話すと、カメラ屋はオロンガポにしかないと言います。 オロンガポ中毒ですから、他にあってもオロンガポということになってしまうのですが、早速出掛ける準備を始めました。 ビコールの娘、マリカーも一緒に行きます。
 準備も出来て、ハイウェイに出てバスを待ちます。 この日は暑かったしマリカーもいるので、冷房バスで行くことになりました。 待っているところを、1枚パチリとカメラに収 (おさ) めます。 1枚って、あれっ! カメラが作動する。
 じゃあオロンガポに行く必要がないんじゃないの、と思ったところでもう引き返す訳にもいきません。 まあいいや、途中でまたカメラの調子が悪くなるのだろうと、複雑な気持ちでオロンガポへと向かったのでした。
 大都会オロンガポ、そこは喧騒の街。 まずはスービック・ベイ近くの、シティモールというミニデパートみたいなところで昼食です。 1階に、ジョリビーとか、チョウキンとか、グリーンなんとかというピザ屋なんかありますが、2階にある、フィリピン料理の大食堂で食べることにしました。
 好きなおかずを2品と、多めのご飯が付いて、60ペソです。 おかずは牛、豚、鳥などの料理が数十種類、それに野菜の料理もありますので、好きなものが食べられます。 味は、まずくはないですね。 食事も終わりお腹いっぱいです。
 カメラは絶好調ですが、今後のために、こちらのカメラを見ておかなくてはなりません。 モール内のカメラ屋に行ってみました。 1番安いので6千ペソです。 7Mの画質ですね、分かりました、本日みるだけ!



 モールの近くの雑貨屋に、ガキどものお菓子を買いに行きます。 マリカーにアイスクリームを買ってやり、道端で食べさせます。 そのあと、ふたたびモールにもどり、マリカーを乗り物に乗せてやります。
 そして、2階のホームセンターでブラブラしていたら、温水シャワーが、なんと3千ペソで売っています。 これは安いと思い、買って帰ることにしました。 まだ取り付けてはいませんが、本体は1.5リッターのペットボトルくらいの大きさです。
 店員の話では、小さくてもなにも問題はないということです。 オートマチックですので、すぐにお湯が噴き出ると言っていました。 問題があれば、返品も大丈夫とのことです。 ほんとうかよ、おい!
 ジープニーでビクトリーライナーのバスターミナルに戻る途中、サンダルをマリカーに買ってやることになりました。 どこで買おうかとしばらく歩くと、超ミニ、ひざ上30センチの店員が働いている靴屋がありました。
 ここしかありません。 しかも値段が安い。 アイリーンがマリカーのサンダルを選んでいる間に、私は店員を眺めていたことは当然です。 店員は5〜6人います。 いずれもグリーンのピッチリとしたミニスカートです。 
 しゃがめば奥が覗けます。 時間を引き延ばせアイリーンと、祈りながらお尻を眺めていました。 マリカーがどんなサンダルを買ったのかなんて、全然覚えていません。 店を出た私のTシャツの前は、ヨダレで濡れておりました。



 ミニスカートの写真はどうしたって? 見るのに忙しくて、写真なんて考えもつきませんでした。 しかし凄かったですよ、ムッチリ太ももが、目の前を行き来するんですよ。 ナマ太ももがですよ。 さすが大都会オロンガポです。
 カメラはきょうも絶好調です。 一応、初期状態に戻して、フォーマットもしておきました。 カメラとの騙し合いまでしなくてはならないとは、試練は次々と訪れるのです。
 私もきょうからオロンガポ中毒です。 早く行きたいなオロンガポ、サンダルはオロンガポで買うぞ! さて、きょうはなにが待ち受けているのだろう。      


2007年7月27日(金) 晴れ晴れ
ビコールワイフ 両替事件

 きのうは器用貧乏リッキーに、オロンガポから買ってきた3千ペソの、温水シャワーを取り付けてもらいました。 温水器に接続する金属パイプと、コンセントを買わないと取り付けられないと言うので、500ペソをリッキーに渡しました。 
 パイプとコンセントをリッキーが買いに行き、領収書とお釣りを持って帰ってきました。 部品代は285ペソです、お釣りは工賃でいいでしょう。 お釣りが200ペソですから、それで取り付けてくれるのなら、安いものですよね。
 トンチンカンと工事が始まります。 一応、シャワーの設置位置を指定して、あとはお任せしました。 1時間もすると、取り付けが終わりました。 出来たよと言うので行ってみると、きれいな仕上がりです。
 シャワーを捻(ひね)ると、おお! 熱いお湯が出てきます。 水圧も大丈夫です。 ガスのない家に、温水シャワーが付きました。 これでもう、寒い日のシャワーに悩まされることもなくなります。 噂を聞きつけ、シャワーを浴びに来るバカがいないことを祈るだけです。
 カメラの電池がなくなったので、充電器で電池の充電をしていました。 充電をしている間、代わりの新しい電池を入れると、またスイッチが入りません。 電池がカメラ本体に廻るまでに、時間でも掛かるというのでしょうか。
 反応が遅いことを蛍光灯といいますが、これは蛍光灯どころではありません。 玄関先で酒を飲んで暇をつぶし、2時間後にやっとパワーオンになったカメラでした。 またいつ、壊れた振りをするかもしれませんので、調子のいいうちに写真を撮っておくことにしました。 ほんと、このバカメラがですよね。 
 玄関先で酒を飲んで暇をつぶしているいるときですね。 ビコールワイフが1,000ペソ札を持ってやってきました。 私に、この1,000ペソ札を小銭に両替してくれと言うのです。 なぜ貧乏ワイフがこんな高額紙幣を持っているのだ。



 なぜ私が、小銭にしてやらなければならないのだ。 ビールでも仕入れて、つり銭を貰えばいいことではないのか。 なにか使えない訳でもあるのか。 まさかニセ札でもないだろう。 手に取りお札を見てみましたが、透かしはあるし、本物みたいです。
 しかし、ダマシのワイフです。 ニセ札の可能性は大です。 ここは丁寧に、お断りしておきました。 そのあと、10ペソ、アイリーンに貸してあるからよこせときました。 なんだ、こいつはと思いながらも、20ペソ札を渡しました。
 いまお釣りがないから、あとで10ペソ持ってくると言い、それっきりです。 よかった、両替してあげなくて。 
 裏庭からいい匂いが、夕飯はカレーライスみたいです。 ケチ女房はブタに餌をやっています。 メイドは洗濯、ラニーだけは遊んでいます。 さて、1日もお終いですね。
 


 1日の終わりはシャワーです。 いいですね、温水シャワー、なんかホテルにいるような気分になりますね。 ランディーの娘ガキ2人も、わざわざシャワーを浴びにやってきました。 うわ〜、これいい、買ってぇ とランディーにせがみます。
 ガスがなくても温水シャワーのある奇妙な家に、きょうはどんな事件が降りかかるのでしょうか。 
 

2007年7月28日(土) くもりくもり
トラの仔刈り

 きのう、のんびりと過ごそうかな、なんて思っていたら、表が急に騒がしくなりました。 ビコールが私に、誰か来ていると言うので、これは日本からでもおいしいものが、小包で届いたのかなと思い表を覗くと、あれっ! タマさん。
 昼飯時に、 カステリオスのタマさん がやって来たのです。 奥さんと子供さんが学校に行ってどうのこうのと、要するに暇なのですね。 昼飯は俺が作ると言います。 ホワイトクリームシチューを作ってくれるそうで、アイリーンが材料の買い出しに走ります。
 材料は、カレーの材料と一緒です。 あとミルクと固形スープですよね。 材料がそろったところで、タマさんが台所に立ちます。 それはいいんですが、ガスがありません。 裏庭のメインキッチンは、すでにラニーが使っています。
 ガスがないのは恥ずかしいことなのでしょう。 リッキーがLPガスの調達に走ります。 タマさんが、材料をを下ごしらえしている間に、なんとかガスは、取り付けることが出来ました。 シチューですので、あとは煮込むだけです。
 シチューも出来上がり、玄関先でお昼ご飯をいただきます。 さて、シチューのお味は、おっと、とろりまろやかに仕上がっていますよ。 シチューの素がなくても、おいしく出来上がるのですね。 タマさん、ごちそうさまでした。



 昼飯も食べ終わり、お酒を飲みながら話をしていると、ってお酒を飲んでいるのは私だけですが、おやつはオクラにすると言います。 こんどは、オクラの買い出しに走るアイリーンです。 そういうふうに、普段から機敏に動いてくれればいいのですがね。
 おやつの時間にはまだ早いので、また話していると、アイリーンが電動バリカンを持ち出してきました。 確かに私の髪は伸びています、だからといって、なにもタマさんが来ているときに刈ることもないでしょう。
 なんて思っていると、庭先に引っぱり出されて、アイリーンに頭を刈られてしまいました。 デザイン名は、トラの仔刈り です。 容赦なく刈られる頭に、私は悲鳴を上げました。 タマさんは笑っていましたが、心の中では恐ろしい光景だ、と思ったに違いありません。
 そんなことで、すっかりもみ上げもなくなり、さっぱりしたところで、おやつです。 酢醤油でいただく、これまたさっぱりとしたオクラのおやつです。 ちょっと砂糖を入れて、甘めにしていただきます。 お酒にもなかなか合いますね。
 雨が降り出し、タマさんもそろそろお帰りです。 海辺に住むランディーが、この日も娘2人を連れてやってきました。 どこでかっぱらって来たのか、アボカドを持ってきてくれたので、タマさんにも少し持ち帰ってもらいました。



 きょうは、 無謀にもフィリピン起業に挑む男の独り言 の Cyoroshiさんと、 フィリピンで生活そして起業 の OSCARさんが遊びに来て下さるそうです。 楽しい話で盛り上がればいいな、なんて思っています。  


2007年7月29日(日) 晴れ晴れ
ブログのお仲間

  きのうは、 無謀にもフィリピン起業に挑む男の独り言 の Cyoroshiさんと、 フィリピンで生活そして起業 の OSCARさんが遊びに来て下さいました。 家で待っていて、おかしいな、連絡がないなぁと思って、アイリーンに携帯はどうなっているのと聞きました。
 そうしたら、私が伝えた番号と違うシムカードを入れているとのことで、連絡があった時には、お2人は先の隣街まで行っていたのです。 すみません、不手際はいつものことです。 急遽 (きゅうきょ) 戻ってきていただいて、無事お会いすることが出来ました。
 お土産だなんて、ガキどもにスナック菓子をいただき、私には手作り餃子と特製ラー油を頂きまして、ありがとうございます。 餃子は早速本日、食べたいと思います。 そんなことで、しばらく話をしていると、一台の車が家の前に停まります。
 誰かなと思ったら、 バロイビーチのhiroさんカステリオスのタマさん です。 賑 (にぎ) やかになりましたね。 お酒がすすみます。 私はすぐに酔っ払ってしまいました。 何を話したのかも覚えていませんが、思い出して書いてみます。
 人物像からいきますか。 Cyoroshiさんは、俳優でいえば岩城滉一に似ています。 精悍さがありますよね。 色が黒いからそう見えたのかもしれません。 OSCARさんは聡明な方です。 私が高校のときの教師にそっくりなんです。 先生が来たのかと思いましたよ。
 アイリーンが言うには、お2人とも流暢 (りゅうちょう) なタガログ語を喋られたそうです。 やはりフィリピンパブに、夜毎 (よごと) 通っている強みなのでしょうか、変な言葉まで、全部知っているのです。



 出不精の私ですが、酔うと妙に表に出たくなるのですよね。 近くのビーチに、みんなで行ってみました。 べつに、何があるわけでもないのですが、せっかくここまで来て頂いたのですから、田舎の海でもと思ったわけです。
 海、思った通り何もないですよね。 海を見たあと、hiroさんとタマさんが、帰られたのだと思います。 CyoroshiさんとOSCARさんは、そのあとも遅い時間までいたのではなかったでしょうか。 なにせ酔っ払いなので、あまり覚えていないのです。
 そうそう、確か、近所の1泊500ペソのホテルに案内して、泊まっていけなんて、失礼なことを言ったことを思い出しました。 ほんと、失礼の数々、お詫び申し上げます。 きょうから少し反省をしなければならない私です。
 何もない田舎に来ていただいて、感謝いたしております。 懲りずにまたお越し頂ければと思っておりますが、もう懲りた、2度と行かないと思っていることはお察ししております。 でも、いつでもバカどもはお待ちしていますからね。



 CyoroshiさんOSCARさん 、ありがとうございました。 写真、載っけてしまいましたが、マズかったらご連絡下さい。 もっと鮮明な写真をというのであれば、それでも結構です。 夜中の12時ごろマニラに戻られたそうで、お疲れ様でした。
 hiroさんタマさん 、お忙しいところ来て頂きまして、ありがとうございました。 またみなさん、いつでも遊びに来て下さいね。 さて、餃子でも食べよう。  
 

2007年7月30日(月) 晴れ晴れ
ケチ女房のインスタントラーメン

 きのうは、なんか疲れ気味だったので、午前中寝ていようと思いベッドに横になっておりました。 するとガキが鉄琴を持って部屋にやってきます。 耳元でキンコンカンと鉄琴を鳴らします。 うるさいなぁ、そうか、日曜日で学校が休みなのだ。
 そのうち、キャンディやチョコレートを食べ始めて、収拾がつかなくなります。 しょうがない、ちょっと早いが玄関先で飲むしかない。 二日酔いで気持ちが悪かったので、迎え酒ということでいいでしょう。 
 部屋の中にビールがあるじゃないですか。 冷蔵庫に入れておくと、とっつぁんやリッキーに飲まれてしまうので、部屋の中に置いてあるのです。 冷えていなくてもいいでしょう、温 (ぬる) いほうが、疲れた体にはいいのでしょう。
 玄関先で飲んでいると、アイリーンがお金を頂戴と来ます。 もう月末ですもんね。 生活費を入れてやらないといけませんよね。 渋々、お金を渡す私、ほくそ笑むアイリーン。 おっ! 昼飯はツナバーガーですか、マックの車でお出ましですね。



 午後からも、チビリチビリやっていると、私の飲んでいる傍 (そば) でケチ女房の髪の毛をカットし始めるアイリーンです。 なんで玄関先でやるのだ、裏庭ででもやってくださいよ。 小1時間もチョキンチョキンとやっていたでしょうか。
 やっと終わったかなと思ったら、こんどはラニーの番です。 これまた小1時間、私の頭はバリカンで、たったの10分だったぞ! 怒っても始まりませんよね。 ああでもない、こうでもないと、やらせておくしかありませんよね。
 なんだかんだと、午後の3時ごろヘアーカットも終わり、アイリーンとラニーとガキが、オロンガポへ行くなんて言いだします。 おいおい、何時だと思っているんだよ、私の夕飯はどうなってしまうのだ。
 アイリーン達が出かけて、私の夕飯はケチ女房が作ってくれることになりました。 なんだろうな夕飯と思っていたら、インスタントラーメンです。 こんなことだろうと思っていたぜ! いまごろオロンガポで、うまいものでも食べているんだろうな。
 バカどもの帰りを待っていると、リッキーが部屋に入ってきました。 飲みに行こうと言うのです。 昼間から飲んでいた私は、もうたくさんです。 お断りしてベッドに寝っ転がっていました。 すると、ビコールワイフのカラオケ屋から歌が聞こえてきます。 
 リッキーですよ。 飲みに行こうなんて、ビコールワイフのカラオケ屋に行ったんですよ。 よかった、行かなくて、またとんでもないことになるところでした。 どうでもいいけれど、私の部屋の隣りですからね、うるさいのなんのって、やめろとも言えませんし、困ったものです。



 オロンガポからは、午後の10時ごろに帰って来たのでしょうか。 帰ってくるなりお腹が空いたよ、何も食べていないよなんて、夜食を食べていないだけなんでしょう。 夜中に台所でバカどもみんなが、大飯を喰らっていましたよ。
 きょうは風が吹いて、爽やかないい日になりそうです。 こんな日には、爽やかに過ごさなければなりませんよね。    


2007年7月31日(火) 晴れ晴れ
芋を食べる人種についての考察

 カモティン・カホイ (芯のある芋) 、英語ではキャッサバというのですか、それが収穫されたというので、台所に見にいきました。 白くてきれいな芋です。 その横ではラニーが、アイスキャンディーの製作に取り掛かっています。
 そもそもラニーが、こんなアイス作りなどやるはずがないのです。 よほど、アイスが食べたくなったのでしょう。 芋を蒸 (ふ) かしている間、玄関先でビールを飲みます。 すると、とっつぁんの農場の使用人がやって来ました。
 なんか袋を持ってやって来ました。 中味は、サントールという果物です。 農場からもぎ取ってきたのですよね。 10個ほどもらい、お礼にタバコを2本あげました。 早速、サントールをむいて食べるアイリーンです。
 お芋も出来上がってきました。 アイリーンが芋を食べながら、この芋は貧乏人が食べるのだと教えてくれます。 ミンダナオでは、この芋が主食だなんて、メイドのミンダナオババアや、ミンダナオ出身のおっかさんがいるのに、平気で失礼な話をしています。
 アイリーンの友達が、ガキを連れてやって来ました。 手には箱を持っています。 お金を入れる箱だと言います。 なんでもガキの学校での、寄付集めに来たらしのです。 50ペソを入れてやったみたいです。
 サントール10個でタバコ2本でしょう、なんでガキの寄付に50ペソもやるのでしょうかね。 しばらく友達は、家の中で話を、いや、芋でも喰っているのでしょう。





 眩 (まぶ) しい金髪が、太陽の光を反射して輝きます。 この黄金の輝きは、もしやと思ったら、やって来ましたタカリババア。 恥ずかしいからと、顔を手で隠してやってきます。 そりゃ恥ずかしいだろう。 悪行の数々をやりこなした訳だからな。
 いきなりタバコをタカり、アイリーンはと聞くので、家の中で友達と一緒だと言うと、素直に家の中に入って行きました。 手にぶら下げたカゴの中には、ワインの瓶があることを私は見逃しませんでした。
 あとで聞くと、そのワイン、なんと300ペソでアイリーンに売りつけようとしていたみたいです。 どこからか、私がアイリーンに生活費を渡した、という噂が広まったのでしょう。 ビコールワイフなんか、頼みもしないのに、次から次へとビールを運んできます。
 仕舞 (しま) いには、めったに来ない弾き語りまで来る始末です。 酔っ払いの私は、合唱団からギターを取り上げて、吉田拓郎なんか歌ってしまいましたよ。 ヨシナ ヘタクロウです なんて挨拶をして、ああ、恥ずかしい、ふと我に返り5ペソをあげて、合唱団にはお引き取り願いました。
 


 さて、月末ですよね。 きょうはなにがあるのでしょうかね。 ビアガーデンで、本日も待機することにします。

 今月もお付き合い頂きまして、ありがとうございした。 新しいお友達も出来まして、生活の励みになります。
 また、何も変わらない毎日を過ごしていきますが、月が替わっても宜しくお願い致したいと思います。
 それでは、今月はこんなところで失礼致します。
      
  


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