日記 2008年 5月     



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2008年5月1日(木) 晴れ晴れ
祈祷師 ランディー

 5月です。 フィリピンの夏も後半になるのでしょうか。 とはいいましても、まだまだ暑い日は続きます。 身体に気をつけて、今月も暮らしていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 きのうは、電線に掛かる木の枝切りということで、1日中停電でした。 ランディーの住むビーチが、お祭りだということで、ビーチに行くことになりました。 さあ、出かけようとすると、門の前に枝切りのトラックが停まっています。
 リッキーのトライシクルが、門から出られません。 作業が終わるまで、待つしかありません。 やっとトラックが移動して、さあ、ビーチへと向かいます。 ハイウェイのいたるところに、枝切りのトラックが停まっています。 電気の回復は、当分無理です。
 ビーチに着けば、なにがお祭りなのか、人もまばらです。 べつに、飲みに来ただけなので、どうでもいいのですが、それにしても暑い。 コバルトブルーに染まる手前の海の向こうには、群青色の海が、水平線まで広がります。
 わずかですが、日本の島も見えたような気がします。 なんの根拠があるのか、ランディーが、ひと雨来るといいます。 いつからインチキ祈祷師(きとうし)になってしまったのだ、ランディー。 炭を熾(おこ)すのが嫌なのだろう。
 なにもない、誰もいないビーチでのお祭りです。 ただただ、飲むだけでした。 もちろん雨など降らなかったことは、言うまでもありません。


 
 家に戻ると、大飯喰らいのラニーがいません。 どこに行ったの、と聞けば、マニラに台湾人の恋人、チェンを迎えに行ったのだそうです。 すると、明日あたり、チェンがやって来るのでしょうか。 
 デッカチ君に、愕然(がくぜん)とするチェンでしょう。 展開が楽しみです。


2008年5月2日(金) 晴れ晴れ
豚の逃走

 きのう午後から、急に雲が出てきて、雷が鳴り出します。 パソコンのコンセントを抜いて、少し昼寝でもと思ったら停電です。 雨でも降るのかなと思いましたが、雨は降りません。 窓からは、涼しい風が吹き込みます。
 部屋の中より、表のほうが涼しいみたいなので、玄関先へと移動します。 なにか足りないなあ、と思えば、ビールがありません。 娘ガキに、ビールを買いに行かせて飲んでいると、マンゴがつまみで出てきます。
 のんびりとくつろいでいると、裏庭で番犬が吠えます。 アイリーンが、裏庭へ偵察に行きます。 ちょっと来て、とアイリーンの呼ぶ声がします。 どうした、面倒くさいな、と行ってみると、なんと、ブタが裏庭を走り回っています。
 捕まえて、ブタ小屋に戻さなければなりません。 しかし、どうやって捕まえればいいのでしょう。 アイリーン博士に聞けば、後ろ足をつかんで、捕まえるのだそうです。 それにしても、チョコマカと逃げ足の速いこと。
 アイリーンが、餌を囮(おとり)にブタを引き寄せます。 むんずとブタを捕まえますが、博士がつかんだのは、耳です。 博士、後ろ足をつかむのではないのですか、と言うと、間違えたの、と、そしてまた格闘が始まります。
 30分も追い回したでしょうか、ブタも弱って動きも鈍くなります。 やっとのことで、後ろ足をつかみ、ブタ小屋へと戻すことが出来ました。 戻ったブタは、死んだように動きません。 心配したほかのブタが、近寄り、身体を舐めてあげています。
 ブタにも愛情があるのですね。 さあ、シャワーを浴びて飲みなおしです。



 きょうは、ネットの接続が朝から出来ませんでしたが、いま繋がったみたいです。 繋がっているうちに、アップをと思ったら、また切れてしまいました。 昼寝でもして、繋がるのを待つしかありません。


2008年5月3日(土) 晴れ晴れ
喧騒と犯罪の街

 きのうは、アイリーンが、オロンガポに買い物に行くと言います。 それで、私に一緒に来てと言います。 荷物持ちですよね。 娘ガキとカッパ少女も、お供することになりました。 私は、行きたくありません。 勘弁して下さい。
 そんなことを言っても、勘弁してくれるはずもありません。 あ〜やだやだと、駄々をこねても許してもらえません。 行けばいいんでしょう、ということで、オンボロバスに乗り込みます。 暑いな、遠いな、オロンガポ。
 喧騒と犯罪の街、オロンガポ。 やっと着いて、昼飯でもと思い歩いていると、偶然か、神の思し召し(おぼしめし)か、荷物持ちが歩いています。 ラニーと台湾人の恋人チェンです。 しめしめ、このまま買い物に付き合わせようとしました。
 ところが、ラニーは、昼飯も食べたし、買い物も済んだので帰る、と言います。 この、薄情者! とは言っても、長旅の疲れもあるのでしょう。 引き止めるわけにもいきません。 まあ、いい、私たちは、とりあえず昼飯を食べることにします。
 ピザ屋に入り、アイリーンが注文をします。 席で待っていると、料理が運ばれてきます。 丸ごとピザに、大盛りスパゲティ2皿、大盛りフライドチキンにトーストパン、ピッチャーに入ったコーラの飲み物。
 なんだよ、食べ切れないだろう。 あまったら、お土産で持ち帰るからいいの、と言います。 まあ、全部で、400ペソだそうです。 1,000円ですよね、買い物をする前から、お土産を抱えなければなりません。
 さあ、メインの買い物です。 場所は、スービック・ベイ内の食品デパート「ロイヤル」です。 重いものは買いません、買わせません。 なんとか持てるほどの買い物をして、帰ります。 帰りも冷房バスには乗れず、オンボロバスでした。
 家に戻れば、チェンとデッカチ君が、和気藹々(わきあいあい)と食事をしています。 まだ、デッカチ君の恐さを知らないのでしょう。 私にお土産だと、100ペソのワインを振る舞うチェンです。 涙が出ますね、100ペソのワイン。


 
 買い物で、クタクタです。 きょうは、誰がなんと言おうと、どこにも出かけません。 さて、昼寝でもします。


2008年5月4日(日) 晴れ晴れ
市場でシゴキ

 きのうは、誰がなんと言おうと、どこにも出かけない予定でした。 午前中、部屋に鍵を掛けずにいると、1人、2人とガキが入ってきます。 最後には、デッカチ君が来て、部屋をかき混ぜます。 出て行け! と言っても出て行きません。
 私が、出て行くしかありません。 ちょうどアイリーンが、市場へ行くと言うので、付いて行くことにしました。 すると、バカ連中も表に出てきます。 バカ連中も行くのなら、私は行きませんよ、と言うと、娘ガキ1人だけだと言います。
 リッキーのトライシクルで、まず、ブタの餌を買いに行きます。 50キロのブタの餌です。 店員とリッキーとで、トライシクルの荷台に積み込みます。 次に市場です。 アイリーンが、ちょっと来て、と言います。 荷物持ち という言葉が、頭にピーンと浮かびます。  
 市場の中を歩き廻ります。 ちょこちょこと買い物をした品物は、全部私が持ちます。 パパイヤやパイナップルも丸ごと買います。 野菜も買い込みますから、重さでビニール袋が手に食い込みます。 あまりの重労働に、私のサンダルも、鼻緒が切れてしまいました。
 娘ガキは、はぐれてしまい、重い荷物を手に、探さなければなりません。 午前中から、このシゴキです。 いったい私が、何をしたというのでしょう。 バカ連中が、部屋を占領したのは、こういう作戦だったとでもいうのでしょうか。
 だとすれば、首謀者はアイリーン。 私が、部屋でゴロゴロしているので、健康のために連れまわすとは、なんという慈悲深いお心、ってそんなことはありません。 人混みの中での連日の荷物持ちに、すっかり風邪をひいてしまいました。



 オロンガポで、バンザイをしているのか、鉄棒にぶら下がっているのか、と思うような格好で、バイクを運転している人がいました。 チョッパーハンドルなのでしょうが、物事には限度というものがあります。
 イージーライダーの映画でも、そこまで凄くはありませんでした。 新しく、クレイージーライダーの撮影を、フィリピンでやっているのでしょうか。 それにしても、トロピカルなお国です。
 きょうは、川へ洗濯じゃなくて、食事に行く予定です。 台湾人のチェンも初めての川でしょう。 あれ、荷物持ちは、また私なのでしょうか。
 

2008年5月5日(月) 晴れ晴れ
チェンは台湾へ

 きのうは、川で食事会をやる予定でした。 アイリーンに、何時に出かけるの、と聞けば、中止とのことです。 とっつぁんが、忙しくて来れないからだそうです。 とっつぁんが来たって、川魚を獲って焼くだけですよ。
 ラニーの恋人、台湾人のチェンが、今朝の飛行機で台湾に帰ります。 きのうの内に、マニラに行かなければならなかったので、川での食事会どころでもなかったのでしょう。 ラニーは、帰り支度のために、ガキどもを連れて市場へ買い物です。
 市場へ行って、いなくなったはずのガキどもですが、家の中で泣き声がします。 だれかな、と見れば、カッパ少女です。 アイリーンが、どうしたの、と聞けば、どうやらトライシクルに、乗り遅れたみたいです。
 子供の数くらい、確認して出かけて下さいよ。 まだ、市場に置いて来られなかっただけでも、幸いでした。 泣きやますには、お菓子をあげるしかありません。 まさか、お菓子が欲しくて、泣いているわけでもないでしょう。
 帰り支度が出来て、チェンともお別れです。 いまごろは、飛行機の中でしょうか、チャイナエアラインは危険だと言っていました。 本国の人間でも恐れるチャイナエアラインです。 安いからと乗れば、安物買いの銭失いでは済まないことになります。
 リッキーが、顔を見てくれと、ケチ女房と部屋に来ました。 おお、その懐かしい顔は、確か薬物副作用の顔。 顔全体が、むくんでいます。 また、歯が痛いので、とっつぁんの薬を大量に飲んだのでしょう。
 アイリーンがひと言、化け物! 私もひと言、とっつぁんの薬は、痛風の薬だろう!



 きょうこそは、川に行きます。 のんびりと川辺で、昼寝でもしながら過ごしたいと思います。
  

2008年5月6日(火) 晴れ晴れ
大自然の味

 きのうは、ハイウェイの橋桁の下の川辺で、バーベキューです。 家からトライシクルで、2分ほどのところです。 晴天の中、リッキーのトライシクルが、2往復して、食料やガキどもと、私達を川辺まで運びます。
 とっつぁんのリヤカーや水牛はいますが、とっつぁんの姿がありません。 川で魚でも獲っているのでしょう。 さあ、火を熾(おこ)して、肉を焼きましょう。 私は、ジンを飲みながら、風景を楽しみます。



 アイリーンが、焼き場を担当します。 肉とウインナーを焼くだけですから、さほど時間は掛かりません。 飯を食べていると、とっつぁんが、網を持って戻ってきました。 網から、小魚を拾います。
 みんな風邪気味なので、小魚の特製スープを作るそうです。 見ていると、沸騰したお湯に、野菜と小魚をぶち込んで、塩と味の素で味を調えるだけです。 最後に、カンコンという、ホウレン草みたいな葉っぱを入れて、しんなりとしたら出来上がりです。
 椰子の器に盛ってもらい、頂いてみます。 口に含んだ感じは、すまし汁といった感じでしょうか、生臭さはまったくありません。 小魚や小エビのだしがほどよく効いて、これに餅を入れれば、うまいお雑煮になる、といった感じの味です。




 
 食べたあとは、お昼寝です。 ガキどもは、川に浸かり遊びます。 遊ぶついでに、食器や鍋を洗わせます。 ガキどもの遊ぶ上流では、水牛がフンをしていますが、そんなことを気にするガキどもではありません。
 しばらく昼寝をして、日が傾いたころ、家へと戻りました。 


 
 小魚スープは、大自然の中だから食べられるのであって、家で出されたら、なに、この金魚スープは、ということになると思いますよ。 たまには、自然に触れるのもいいものです、って毎日、自然の中で暮らしている私です。
 きょうは、出かけません。 足の筋肉が痛いですよ。 ゆっくり、のんびり、玄関先で涼みます。
 

2008年5月7日(水) 晴れ晴れ
目の前の大惨事

 きのう部屋で、昼飯のツナバーガーを食べようとしたところ、ドォーン、ドドドンとハイウェイから鈍い音がします。 アイリーン警部、事故だ急げ! 窓からハイウェイを見ると、大型タンクローリーを引いたトレーラーが、徐行しています。
 まさか、大型トレーラーが、人でも轢(ひ)いたというのか、腰のホルスターに38口径の水鉄砲を収めながら、状況を判断します。 門のところに、1人倒れています。 ハイウェイにも、人が転がっています。
 表に出ると、どうやら2人が撥(は)ねられたようです。 門のところに倒れている人は、頭から血を流しています。 ハイウェイに倒れた人は、20メートルは引きずられたみたいで、顔の半分が、血だらけです。
 けが人を、トライシクルに乗せて、病院に運びます。 その間、大型トレーラーは、徐行しながら逃げようとしていますが、100メートルも行ったところで、止められてしまいます。 怪我人の1人は、顔の右半分が潰れた状態で、脊椎も骨折しているそうです。 
 街医者では無理なので、オロンガポの病院に搬送されたということですが、おそらくダメでしょう。 事故の原因は、トレーラーが歩道に突っ込んできたことにあります。 居眠り運転以外のなにものでもありません。
 もし、人を轢いていなければ、私の家に激突していたでしょう。 ポリスが来ますが、現場検証も何もしません。 目撃者の話を聞いて、それでお終いです。 タンクローリーを運ぶような会社なので、賠償金には問題がないのでしょう。
 現場は、隣のサリサリのトライシクル待機場でした。 リッキーなんかも、よくそこでたむろしているのですが、この日は、家にいました。 アイリーン警部の聞き込みと、現場の写真を総合すると、凄惨(せいさん)な事故の様子が浮かび上がります。
 下左写真の、白い線が、普通に車が走るところです。 なにを思ったか、黄色の線に、トレーラーが突っ込んできます。 青い印の人を、矢印方向へと巻き込んでいくわけです。 もし、人がいなければ、私の家に、直撃していたでしょう。 以上が全容です。
 




 撥ねられた人は、リッキーの近所のトライシクル仲間です。 1日も早い回復を、お祈りいたします。 まるで、暴走トラックが襲ってくる映画、「激突」のワンシーンのようでした。 なんで毎日、こうなるのですかね。
 きょうこそは、何もないことを願いながら、玄関先でのんびりしたいと思います。  


2008年5月8日(木) 晴れ晴れ
雨の日の午後

 最近は、午後から曇って雷という日が多くなりました。 きのうも、昼から雷が鳴り出し、雨が降ってきました。 雨が降れば、部屋の中より表のほうが涼しくなります。 玄関先で涼もうと、玄関先に行けば、アイリーン博士が、米を広げて作業をしています。
 話をする前に、サリサリでビールを買わなければなりません。 サリサリから戻る途中、庭にヤギが繋がれています。 番犬が、ヤギのぬいぐるみでもかぶり、驚かそうとしているのでしょう。 その手には乗りませんよ、番犬君。 
 玄関先に戻り、ビールを飲みます。 ところで博士、お米を広げて何をしているのですか、と聞くと、とっつぁんから、お米を1袋もらったので、米のゴミを取っているのだそうです。 とっつぁんにお金でも貸したのか、と言うと、そんなことなぜ分かるの、と。
 しばらくすると、ガキどもが昼寝から起きて来ました。 私のつまみのえびせんを、あっという間に食べてしまいます。 食べるのはいいのですが、頂戴のひと言がありません。 かっぱらい癖のついてしまったガキには、頂戴などという言葉は、もうないのでしょう。
 博士、あのヤギは犬ですか、と聞くと、そうよ、とあっさり答えます。 博士、それでは話が進まないではありませんか。 私の話など、聞いていないのでしょう。 細かい作業をしているので、話をするどころではないのかもしれません。
 怒らせて、米でもぶち撒けられたら、拾うのが大変です。 博士、なぜヤギは、パンツを履かないのですか、キッと睨(にら)む博士です。 やめましょう、お米を拾うのは私です。 おとなしく飲んでいれば、誰にも文句は言われません。
 ヤギに、えびせんをあげましたが、食べませんでした。 犬と猫は、喜んで食べます。 ヤギは、生野菜しか食べない、ベジタリアンなのですね。



 きのうは、平和な1日でした。 毎日、こんな日が続けばいいのですが、そうもいかないのでしょう。 きょうも平和のために、玄関先で、往き交う女を監視しなければなりません。


2008年5月9日(金) 晴れ晴れ
お国の将来を憂(うれ)う

 日記を書いていたら、パソコンがフリーズしてしまい、すべて消えてしまいました。 また、1から書くのかと思うと、面倒ですよね。 きょうは、短めでお終いにしたいと思います。 
 朝からガキどもが、部屋に乱入してきて、何も出来ません。 外で遊べばよさそうなものですが、家の中に閉じこもりです。 夏休みになって、1ヶ月半経ちますが、隣のサリサリ以外は、1歩も表に出ないガキ老人です。
 友達でも遊びに来れば、出かけるのでしょうが、かわいそうに、友達の1人も遊びに来ません。 家の中でやることは、テレビと昼寝とかっぱらいです。 私の部屋からは、お菓子をかっぱらい、隠れもせずに堂々と食べています。
 アイリーンの財布からは、小銭をかっぱらい、アイスキャンディーを舐めます。 アイスがなくなれば、また小銭をかっぱらいます。 ラニーの財布からは、お札がなくなりました。 かっぱらったのは、デッカチ君です。
 他人様の家に、世話になっている分際で、このザマです。 大自然が、すぐ目の前にあるというのに、なぜ大自然と戯(たわむ)れないのでしょう。 毎日、悪さをして文句を言われて、何が面白いのか、このマゾガキどもは。
 外で暴れて、問題でも起こしてこい! この内弁慶。 表に出る勇気もない、小心者です。 かといって、勉強しているところなど、見たこともありません。 こんなガキが、大人になってお国を支えるわけですから、お国の将来知れたものです。



 将来、番長になるであろうマリカーは、まだ、かっぱらいを覚えていません。 マリカーには、投資をして、ご機嫌を取っておかないと、将来、大変なことになる気がします。 なにせ、ビコール家の娘です。
 さて、きょうはアイリーンが、オロンガポへ行くと張り切っています。 荷物持ちは、誰になるのでしょう。 私は、行きませんよ。 
 

2008年5月10日(土) 晴れ晴れ
孤独な少年

 きのうは、みんなでオロンガポへお出かけです。 デッカチ君が嫌で、みんなで出かけたのです。 家に残ったのは、私とケチ女房とおっかさんです。 おっと、もう1人、仲間はずれのデッカチ君もいました。
 デッカチ君が悪さをしたので、ラニーが注意をしたところ、ラニーの首を絞めにかかったと言います。 それで、デッカチ君などとはいられない、ということで、みんなでオロンガポ、ということになったわけです。
 悪さばかりしているのであれば、デッカチ君のオヤジに引き取りに来させれば、と言うと、オロンガポのオヤジも、そんな奴はいらないと、引き取りを拒否しているそうなのです。 困った問題児の、デッカチ君です。
 玄関先で、お酒を飲む時間がきました。 玄関先に出てみると、おや、これまたデッカチ君、ぽつねんと1人、さみしそうに空を見上げています。 ビールを買いに行き、デッカチ君など無視をして、寡黙(かもく)に飲みます。
 ケチ女房が、イカの炒め物をつまみに出してくれます。 孤独に耐える、おしゃべりデッカチ君です。 夕方になり、庭の掃除を始めたデッカチ君、また火遊びでもするのだろう、と見ていると、集めたゴミに火を点けます。
 部屋に戻り、ひと眠りしていると、デッカチ君の声で目が覚めます。 みんなが帰ってきたので、一気に喋りまくる、おしゃべりデッカチ君です。 うるさい野郎です。 おいおい、嫌われているのに気付けよ、このスットコドッコイ! ですよね。



 きょうは、なにをしようか、と思っても、なにもすることがありません。 これでいいのです、この、のんびりが大事なのです。 きょうも、事件がないことを願いながら過ごします。
 

2008年5月11日(日) 晴れ晴れ
見て スイムウェア

 きのうは、缶ビールを飲みました。 アイリーンが、オロンガポから買ってきたものです。 いつも、安いビールを飲んでいるのだから、たまには、高いビールを飲みなさいと、なんてやさしいのでしょう。
 缶ビールを見ると、レッドホースです。 缶ビールが高いのは分かりますが、いつもの安ビールと銘柄が同じでは、味も一緒で、割高な分だけ損でしょう。 いいんです、こういうものは気持ちです。 うまいなあ、レッドホースは。
 裏庭で、アイリーンの呼ぶ声がします。 なんか、わけの分からないフルーツを切っています。 なにそれ、と聞くと、ガバノというフルーツだそうです。 とっつぁんが、農場から採ってきたみたいです。 甘くて、私には食えませんでした。
 ドリアンにしても、ランカにしても、こういう大きなフルーツは、中身が気持ち悪いですよね。 ドリアンは、鳥のモモ肉みたいだし、ランカは、小動物の内臓みたいです。 このガバノも、見ての通りです。



 裏庭にいる、この前産まれた仔犬は、もう、ヨチヨチと歩いています。 仔猫は、寝ていますね。 まだ歩かないでしょうね。 いまのところ、みんな元気に育っています。 さて、玄関先に戻りましょう。
 気持ちよく飲んでいると、パパァ見て、とデッカチ君の太い声が、振り向くといつものパターン、オカマデッカチが、これでもかとポーズをとっています。 バカか気違いかアンポンタンか、親も見捨てるわけです。
 しばらくすると、また、パパァ見て、スイムウェア、ってぶちのめしてやろうかい、このかたわ!(差別用語ですが、悪気はありません) だから、君のパパの前でやりなさい。 そして、げんこつで殴ってもらい、頭をより巨大にしなさい。
 


 きょうも、リッキーは朝帰りです。 べつに、徹夜で仕事をしているわけではありませんよ。 愛人宅で過ごしているだけです。 そのうち、ケチ女房に、半殺しにされるはずです。 なぜか今朝、デッカチ君に当り散らすケチ女房でした。
 きょうは、さっそく花瓶が割れたみたいです。 あとで、現場検証です。 物は大切にしないといけません。 さて、ホルスターに38口径でも収めて、現場に向かいますか。 


2008年5月12日(月) くもりくもり
ブタのおやつ

 午前中停電で、日記の更新が遅れています。 それはいいのですが、早く書き終えないと、飲む時間が来てしまいます。 きのうは、花瓶が壊されたところで終わりましたね。 さて、犯人は誰だったのでしょう。
 私が、リビングの現場に行くと、あれっ、花瓶が壊れていないじゃありませんか。 しかしよく見ると、テープで壊れたところを貼り付けてあります。 アイリーン警部に状況を説明してもらうと、ガキが遊んでいて、ひっくり返したのだと言います。
 それで犯人は、と聞くと、ランディーの娘姉妹だそうです。 そうか、分かった、お米で弁償してもらいなさい、1袋でいいでしょう。 お岩とカッパは、しょぼんとしています。 かわいそうだから、キャンディでもあげなさい。 これで一件落着。
 午後、玄関先で飲んでいると、裏庭からアイリーンが呼びます。 ブタの餌を作るから、手伝ってと言います。 鍋で、野菜くずや、くず米を煮るのだそうです。 火を熾(おこ)して、鍋を乗せてお終いかな、と思ったら、次はブタ小屋の掃除ときましたか。
 人がブタ小屋の掃除をしていれば、いい調子で、水浴びをしているオカマデッカチです。 タダ飯を喰らって、高見の見物とは恐れ入ります。 パンツ一丁でやっていろよ、写真は、きっちり載せて、みなさんに笑って頂きます。
 ブタ小屋の掃除に奮闘していると、 総料理長 が、娘さんを連れて来てくれました。 助かった、ブタ小屋の掃除を手伝いに来てくれたんだ、と思ったら、遊びに来たよ、ってそりゃそうですよね。
 玄関先で、お話をして、食べて、飲んで、楽しい時間を過ごしました。 タマさん、ありがとうございました。





 午後2時、ちょうどいい時間ですね。 さて、アップして、玄関先に移動です。


2008年5月13日(火) くもりくもり
電気がないと困ること

 不安定な天気のせいか、きのうは、午前中停電でした。 朝起きると、電気がありませんので、読書をしていました。 すると裏庭から、アイリーンの呼ぶ声がします。 また、ブタですね。 電気がないので、電動ポンプが使えません。
 分かりました、なりますよ、井戸水ポンプになればいいのでしょう。 タライに手押しで、井戸水を汲み出して、バケツでブタ小屋に運びます。 ブタ小屋も掃除するので、半端な水の量ではありません。 朝から、この重労働です。
 1時間も井戸水を汲み出して、やっと終了です。 ブタや動物を飼うのはいいのですが、世話が大変ですよね。 日本人を、これだけこき使ったブタですから、安売りはしませんよ。 日本人が育てたブタ、ということで、高く売ってほしいものです。
 午後、玄関先で飲んでいると、雷が鳴り出しました。 パソコンのコンセントを抜き、停電に備えます。 ピカッと光る稲妻、バリバリバリッと近くに雷が落ちます。 雨が、タライをひっくり返したように、叩きつけます。
 雨の日は、ジンです。 私は、ジンカラマンシー、アイリーンは、パイナップルジュースをピッチャーに作り、それにジンと氷を入れて、ジンパイナップルとしゃれ込みます。 お酒と知ってか知らずか、ガキも飲みます。
 お酒が効いたのでしょうか、玄関先で火遊びを始めるガキどもです。 なんでお前ら、そうなるんだか、いつかはこの家も、燃やされてしまうのでしょう。 さいわい停電にはならず、午後のブタ小屋の掃除からは、解放されました。



 きょうも、雲の多い日です。 また午後から、ひと雨来そうです。 停電にでもなれば、過酷な労働が待ち受けています。 タライに、水を溜(た)めておけばいいじゃないか、って誰が溜めるのですか。 電動ポンプだよ、って、なるほど力いらず。
 筋肉痛のきょうは、ビールで肉を柔らかくしなければなりませんね。 ビールでマッサージ、ということで過ごします。


2008年5月14日(水) くもりくもり
夏 スイカ

 きのうは、玄関先でビールです。 ビールを飲んでいると、つまみが運ばれてきます。 つまみは何かなと見てみれば、真っ赤なスイカです。 ビールにスイカですか、どちらも夏のものです。 涼しそうで、いいとは思いますよ。
 スイカには塩ですよね。 塩を振れば、甘味が引き立ちます。 隠し味ですよね。 ところが、テーブルの上に塩はありません。 塩を振る習慣がないのでしょうか、塩好きのフィリピン人には、めずらしいことです。
 スイカを口に含んで、ビールを飲みます。 甘さと苦さが喉を通ります。 合いませんねえ、ビールとスイカ。 スイカ自体は、甘くておいしいと思います。 みずみずしさもあります。 でも、つまみというよりは、おやつですよね。
 スイカは、一切れ食べればじゅうぶんです。 スイカの皮は、ブタの餌です。 ブタに喰わせなくても、皮を薄切りにして、塩を振れば、シャキシャキとした歯ざわりの良い、酒のつまみになるのですよね。 スイカの浅漬けですね。
 それにしても、小振りなスイカですよね、1玉20ペソだそうです。 足元に猫がいたので、スイカをあげてみましてが、食べません。 猫は、フルーツを食べませんね。 調理した、野菜は食べるのに、好き嫌いがあるのでしょうか。
 つまみは、スイカだけではありませんよ、ちゃんと、豚肉の炒め物も、猫君と頂きました。 そんなことをしているうちに、夕暮れです。 なにもない1日が、過ぎていきました。



 きょうは、日本から、お客さんが来て下さる予定です。 お酒の席になるでしょうから、上品に酔わなければなりません。 とは言いましても、お酒が入れば無礼講になってしまうのですよね。 堅苦しいよりはいいでしょう。
 無礼講は、明日報告いたします。
  

2008年5月15日(木) くもりくもり
ジンで宴会

 きのうは、日本からのお客さんが、お2人来られました。 toshiさんとshigeさんです。 こちらで、ご商売をしているので、打ち合わせや、現場の視察に見えられたようです。 なかなか大変だとは申しておりました。 1週間くらいの滞在で、お戻りになるそうです。
 お土産をたくさん頂きまして、ありがとうございます。 チョコレートは、マリカーの誕生日が20日なので、そのときマリカーにあげますね。 お気遣い頂きまして、申しわけありませんでした。 お礼に、ジンでも飲んで下さい。
 ということで、酒盛りが始まりました。 みなさん、弱くはありません。 あれよあれよと、ジンの瓶が空になります。 話も盛り上がり、農場見学に行くことになりました。 ほかに観光するところなどないのですから、しかたがありません。
 キープしてある、カソイ(カシューナッツ)の種を煎(い)ってもらい、カソイをつまみに、飲み直しです。 楽しい時間は、過ぎるのも早いものです。 そろそろお帰りの時間、ということで、農場でみなさんともお別れです。
 私も家に戻り、横になっていると、アイリーンが、農場にジンを忘れてきたと言います。 しばらくすると、とっつぁんが、大酔っ払いで帰ってきました。 農場に置き忘れたジンを、全部飲んだのでしょう。 声高らかに、歌を歌っています。
 静かになったと思ったら、リビングで人形を抱いて、あやすとっつぁんです。 ガキどもも、あきれるその姿、人形を抱えたまま、寝てしまったとっつぁんでした。



 toshiさん、shigeさん、きのうは色々と、ありがとうございました。 また、こちらに来られましたら、遊びに来てくださいね。
 きょうも曇り空です。 涼しいうちに、ひと眠りしたいと思います。
 

2008年5月16日(金) くもりくもり
雨に煙る街

 きのうは、寒いなと思うくらいの1日でした。 気象庁の台風情報 を見ると、台風3号が、フィリピンのルソン島の東海上を、北上したみたいです。 私の住んでいる、西の海辺の南シナ海では、熱帯低気圧が発生しています。
 熱帯低気圧は、台風の子供ですよね。 発達して台風になれば、直撃はまぬがれないでしょう。 ルソン島を、横断してやろうかと構えているように見える、台風の子供です。 ここしばらくは、悪天候が続くのでしょう。
 きのうは、午後から長雨でした。 リッキーが、私の部屋にウォークマンとCDを持ってきて、音楽や動画を入れてくれと言います。 まあ、簡単に入れられるのだろうと思って、やってみたら、これがうまくいきません。
 中国製のウォークマンですから、普通のファイルではダメみたいです。 となると、このウォークマンに合った、変換ソフトから探さなければなりません。 MP3、AMVへの変換ソフトです。 ああ、面倒くさい。
 なんとか無料変換ソフトを探し出して、パソコンに取り込みます。 音楽や動画のファイルを変換してみたところ、時間は掛かるものの、AMVのファイルへと変換ができました。 そのファイルを、ウォークマンに入れてやればいいわけですよね。
 半分壊れかけたウォークマンに、ファイルを入れて再生すると、ちゃんと再生できます。 こんなことで、時間が過ぎてしまいました。 蒸し暑い中での作業が終わって、玄関先に出れば、涼しい風が吹いて、頬を撫でます。
 雨を眺めながら、ビールを飲んで、1日が終わります。 きょうも雨なのでしょうか、あいかわらずの曇り空です。



 きょうも、暑くはならないのでしょう。 雨と風があれば、涼しくて過ごしやすいですよね。 この前までの暑さは、どこへいったのでしょう。 とはいっても、まだ夏です。 晴れれば暑くなるのです。 涼めるときに涼みたいと、そう思います。 
  

2008年5月17日(土)
台風の直撃

 きょうは、台風が直撃です。 きのう紹介した、台風の子供が育ち、台風4号となりました。 現在ルソン島西の、南シナ海に台風があります。 気象庁の台風情報 の進路図を見ると、西から北東へ、ルソン島を駆け抜けそうです。
 私の住むところも、今、叩きつける雨と風に揺れています。 いつ停電になっても、おかしくはない状況です。 停電になる前に、早めに日記を書き終えて、更新したいと思います。 手短になりますが、ご了承下さい。
 きのうは、午後から雨でした。 台風の影響なのでしょう、雨は降り止みません。 とりあえず玄関先で、ビールでも飲むことにします。 いい雨と風です、涼めますね。 酒のつまみは、精のつくものがいいですね。
 精のつくもの、あるんですよ。 この前、お土産で頂いた中に、「行者にんにく」という瓶詰めが。 にんにくではないそうですが、にんにくの香りがする草で、山で修行をする行者が、荒行に耐える強壮薬として食べたことから、「行者にんにく」というのだそうです。
 蓋を開けると、見た感じ、ホウレン草のお浸しみたいですね。 食べてみると、なるほど、にんにくの味と香りです。 これはビールが進みます。 「行者にんにく」でビールを飲んでいるうちに、横殴りの土砂降りの暴風雨となります。
 嵐になろうと平気です。 玄関先に吹き込む雨にも負けずに、ビールを飲むことが出来ました。 私も修行の身ですから、「行者にんにく」が効いたのでょう。 



 台風ということでは、きょうは寝ているしかありません。 おっと、ここで停電です。 きょうは、こんなところで。   


2008年5月18日(日) くもり
雨の日の収穫

 きのうは台風で、ものすごい雨と風でした。 台風は、本日もルソン島に上陸したままです。 きょうも、大荒れの1日となるのでしょう。 たいした被害ではないのですが、私の家の裏庭の、バナナの葉っぱが、吹き飛ばされてしまいました。
 私の部屋の、割られた窓からは、横殴りの雨が吹き込んできますので、アイリーンが、窓をふさぎます。 隣のビコール家では、にわか作りのトタン屋根が吹き飛ばされました。 被害があれば、収穫もあります。
 あまりの強風に、隣のサリサリのマンゴ木から、大粒のマンゴが、店先の道路に落ちてきます。 大雨で誰も気が付きませんが、玄関先で、監視をしている私には、門の横に転がるマンゴを見逃すことはありません。
 アイリーン警部を呼んで、道路に落ちている物は誰のものか、と聞けば、拾った人のものでしょう、という食べたさ一心の簡潔な答えです。 さっそくデッカチ君にビニール袋を持たせ、大雨の中、マンゴの回収に向かわせます。
 ずぶ濡れになりながら、ビニール袋に大粒のマンゴを拾ってきたデッカチ君には、チップとして、マンゴを1個与えます。 なおも監視を続けていると、アイリーンが、飲料水のポリタンクが空になったので、買ってくると言います。
 なにをバカなことを、先を読むのだアイリーン警部。 いいか、朝から停電、ということを思い出しなさい。 停電ということは、浄水設備が稼動・・と説明しているうちに、話も聞かずに出かけてしまうアイリーンです。
 アイリーンが戻ってきました。 買い物でもしてきたのでしょう。 手に荷物を持ち、空のポリタンクもあります。 開口一番、停電だから、お水がないんだって、とだから言ったでしょう。 しかし、台風に買い物とは、恐れ入ります。



 きょうは、台風が上陸しているというのに、日が照ってきました。 ダマシでしょうか、それとも、これが台風の目、だとでもいうのでょうか。 安心は出来ません。 私の予想では、きょうも暴風雨です。
 暴風雨との戦いに向けて、晴れているうちに、お酒を調達しないといけません。


2008年5月19日(月) 晴れ晴れ
戻った暑さ

 また暑い日が、戻ってきました。 きのうは、台風も去り、昼から青い空が顔を覗かせました。 その青さは、しだいに大きくなり、日も照り始め、いつものフィリピンの暑さになります。 ジンを片手に、玄関先へ出ます。
 くっ、眩しい! おい、玄関先は日陰だろう、っていいじゃありませんか、ひさしぶりの青空です。 青空を眺めながら、ジンを飲みます。 おい、ビールじゃないのか、って、この日は雨だと思ったから、朝、ジンを買っておいたのです。
 晴れの暑い日にはビール、じゃなくて、ジンがうまい。 つまみも光って見える。 なんか、カシャカシャと、リビングで音がします。 振り向けば、ラニーが飯を喰らっています。 私が、部屋にいるときから、食べ続けています。 
 おそらく、5杯目くらいのご飯でしょう。 2時間は昼飯にかけるラニーです。 もちろんそのあとは、爆睡で夕飯を待つのです。 ミルク飲み人形というのがありますが、大飯喰らい爆睡人間などは、聞いたこともありません。



 裏庭の仔猫も、太陽の光を浴びて、気持ち良さそうです。 親猫は、もちろん玄関先の、魚フライの匂いを嗅ぎつけ、食べさせて下さいと、日本語で私に語りかけます。 そこまで流暢(りゅうちょう)に話されたのでは、あげないわけにいきません。
 つまみを食べている横で、娘ガキのシラミ取りが始まります。 あのねぇ、シラミを取るのはいいですよ。 いいんですけれど、おつまみから、離れてやってもらえませんか、ほら、シラミが、テーブルの上で笑っていますよ。
 シラミの笑うのが見えれば、酔っ払いです。 さて、寝ようかなと思ったら、黒塗りの車が、塀の外に停まります。 反射的に、ホルスターの38口径の水鉄砲を引き抜きます。 狙いを定めれば、なんだ、 タマさん 、水も滴(したた)るいい男になるところでしたよ。
 タマさんと、いろいろお話をして、楽しい時間を過ごしたのですが、酔っていて、何を話したのか覚えていません。 タマさんの写真も、撮らなかったみたいです。 失礼がありましたらお許し下さい。 もう水鉄砲は向けません。



 タマさんも、いろいろな方とお会いになり、私へのお土産などを預かって、持ってきて頂いたりします。 お土産を下さった方、お気遣いありがとうございます。 タマさん、ありがとうございます。
 きょうは、暑くなりますよ。 暑い日は、ビールで涼みたいと思います。


2008年5月20日(火) くもり
停電という落とし穴

 きのうは、雲ひとつないくらいの、いい天気でした。 これぞ、フィリピンの夏、という1日でした。 暑さのため気でも触れたのか、わざわざ私の狭い部屋で遊ぶ、バカガキどもです。 狙いは、ビスケットとキャンディです。
 夏休みも、もうすぐお終いですから、あと少し我慢しましょう。 2ヶ月間も居候をしてくれたデッカチ君も、こんどこそ、オロンガポへと帰らなければなりません。 それにしても、他人様の家に、2ヶ月間も放っぽり出しておく親も親です。
 帰るときは、ぐずると思いますよ。 みんなで僕を追い出そうとしているんだ、なんてね。 その通りなのですから、しかたがありません。 よくもここまで嫌われたものです。 それでも、他人様の家に居つくのですから、始末に負えません。
 部屋には、バカと暑さがあるのでいられません。 玄関先でくつろいでいると、英比辞典を売りに、セールスマンが来ました。 そろそろ学校が始まるので、辞典を売り歩いているのでしょう。 分厚い辞典で、2,300ペソだそうです。
 教材ですから、私は口を挟みません。 お金も出しませんよ。 アイリーンが、買うことに決めたようです。 博士ですから、辞典は必要なのでしょう。 支払いは、毎日8ペソの1年払いだそうです。 フィリピンスタイルですね、おしゃれな支払方法です。
 カンカン照りの中、番犬が舌を出して、喘(あえ)いでいます。 これは、危険です。 暑さで倒れそうです。 娘ガキを呼び、水をかけるよう指示します。 井戸水を汲むのは、手馴れた私の仕事です。 犬も元気になり一安心です。
 これで終わりかと思ったら、アイリーンが、停電だと言います。 こんな晴れた日に、なぜ停電なのだ、と聞けば、火事があったと言います。 そういえば、サイレンが鳴っていましたね。 ということで、ブタ小屋の掃除に駆り出されます。



 きのうの夜から降り出した雨は、今朝も降り続いています。 きょうは、マリカーの誕生日です。 私からは、スパゲティと、この前日本の方から頂いた、チョコレートをプレゼントしたいと思います。
 ビコールの農場に行ったままのマリカーです。 きょうは、姿を見せてくれるでしょう。 


2008年5月21日(水) くもりくもり
マリカー 4才の誕生日

 きのうは、マリカーの誕生日でした。 パーティーは、ビコールの農場で行われます。 昼過ぎに、マリカーへのお土産と、飲み物や氷を持って、リッキーのトライシクルで出かけました。 ガキどもは、朝から会場に行っています。
 アイリーンとトライシクルに乗り込み、会場へと向かいます。 トライシクルで2分も走ったところの、ハイウェイで降ろされます。 なんだよ、何もないし誰もいないぞ、と思ったら、そこからは、歩きだそうです。
 カゴにいっぱいの荷物ですよ。 私が荷物持ちですか。 しかたがありません、トコトコと田んぼのあぜ道を歩きます。 5分も歩いた頃、アイリーンが、道を間違えたかな、って勘弁して下さいよ。 空からは、雨も落ちてきましたよ。 
 アイリーンが、大声で人を呼びます。 どこで聞きつけたのか、どこから現れたのか、ガキどもが走ってきます。 荷物をガキどもに持たせ、パーティー会場へと向かいます。 会場は、ハイウェイから10分も歩いた、田んぼの中です。
 田んぼの中に、竹で建てた家に、ビコール一家は棲(す)んでいました。 驚いたことに、人が集まっています。 いくらタダ飯が喰えるからって、こんなところまでふつうは来ないだろう。 それも雨の中をです。
 お土産のスパゲティが茹で上がるまで、酒でも飲んで待つしかありません。 掘っ立て小屋のような家の横を見れば、ビコールのトライシクルが停まっています。 なんだ、トライシクルで来れるのではありませんか。
 お酒を飲んで、料理を食べているうちに、雨が、本降りになってきました。 どこからともなく、とっつぁんが、水牛に大八車を曳かせてやってきす。 帰りは大八車で送ると言います。 人数が多いので、2回に分けて帰ります。
 家まで、牛歩の大八車で送ってくれるのかな、と思ったら、とっつぁんの農場の入り口で降ろされます。 雨の中、歩いて帰る途中、道端で酒盛りをしている連中が飲んでいけというので、ジンを1杯ごちそうになり帰って来ました。




 
 マリカーには、日本の方から頂いた、チョコレートをプレゼントしました。 ありがとうございました。 さあ、きょうもガキが私の部屋に来て、ゴロゴロしています。 曇り空です。 午後から雨なのでしょうか。 
 まずは、ガキを追い出して、昼寝をしなければなりません。 
    

2008年5月22日(木) 晴れ晴れ
仔犬が1匹また1匹と・・

 きのうは、午後から、雨が降り出しました。 玄関先は、雨が降ろうと、屋根付きのビアガーデンですので、何も問題はありません。 ビールを飲んでいると、つまみが出されます。 アボカドのわさび醤油和えです。
 アボカドを醤油で食べると、マグロのトロの刺身のような味がします。 刺身が食べたくなったら、アボカドです。 プリンに醤油をかければ、ウニの味です。 マグロとウニがあれば、海鮮丼ができますね。 トロピカル海鮮丼と名付けましょう。
 裏庭の仔犬が、全滅しそうです。 4匹いたのが、残り1匹となってしまいました。 この暑いところに、毛皮を着て産まれてくるのですから、たまったものではありません。 なんとか、1匹でも、育ってほしいと思います。
 仔犬は、なかなか育ちませんね。 過酷な気候に耐えられないのでしょうかね。 仔猫は、元気ですよ。 でも、猫は死んだら化けて出るといいますから、さわってみないと分かりません。 仔猫にさわれば、実体があります。 化け猫ではないみたいです。
 遊んでいた娘ガキが、パンツのゴムが切れたとやって来ます。 ゆるゆるになったパンツを、ずり落ちないように押さえながら、内股で歩いてきます。 ラニーが、パンツの横を引っ張り、結びます。 どんな遊びをすれば、パンツのゴムが切れるというのでしょう。



 きょうは、いい青空ですね。 暑さが戻ります。 何もすることのない1日です、のんびりと過ごしたいと思います。
 

2008年5月23日(金) 晴れ晴れ
隣のおばあさん

 きのう午後から、玄関先で気持ちよく飲んでいると、ちょっと買い物に付き合ってと、アイリーンが言います。 行きたくないので無視をしていると、すぐそこだからと、私が吸っているタバコを、灰皿で揉み消します。
 なにを買うのかと聞けば、ベッドのマットレスだそうです。 ベッドが硬めなので、上に敷くマットレスを買うのだそうです。 隣のサリサリは、家具屋もやっていますので、近いからいいか、ということで見に行くことにしました。
 家具屋に行くと、よぼよぼのおばあさんが、1人で店番をしています。 マットレスは、うず高く積まれています。 おばあさんでは、取り出しが出来ません。 だから、私を連れて来たというわけてすね。
 マットレスを、私が引き出して、アイリーンとおばあさんが見ます。 大きすぎると言うので、次を引き出します。 そんなことをして、やっと買うマットレスが決まります。 引き出したマットレスを片付けるのも、もちろん私です。
 私が、マットレスを片付けている間に、アイリーンが、支払いの契約をします。 内金を入れて、残りは、ブタが売れたら返済するという、これまたおしゃれな返済方法です。 ホコリだらけになった私に、マットレスを家まで運んでと言います。
 もうダメ、あれ呼んで、とアイリーンに言います。 あれってなあに、とアイリーン、あれだよ、あれ、タダ飯喰らいのデッカチだよ。 アイリーンに呼ばれて、デッカチ君と娘ガキが、家具屋に来ます。 しぶしぶマットレスを運ぶ、頭デッカチとバカの大足です。
 店番の、よぼよぼのおばあさんは、接客に疲れたのか、椅子の上でコックリと居眠りをしています。



 そういうことで、きのうは家具屋の1日店員でした。 労働のあとのお酒は、また格別です。 きょうは、どこで働かされるのでしょうか。 ブタ小屋の掃除だけは、勘弁してほしいと思います。
 えーっ! デッカチ君が帰るだと、本当か。 さあ、どんな帰り方をするのか、拝見しましょう。     


2008年5月24日(土) 晴れ晴れ
ビアガーデンにようこそ

 きのうは、オカマデッカチ君が、いよいよオロンガポの自宅へと帰ることになりました。 着替えて、お化粧も済ませ、母親のラニーと出かけます。 アイリーンが、小遣いにと100ペソあげます。 さあ、お帰りです。 みんな嬉しくて、涙ぐみます。
 わりと素直に帰るデッカチ君ですが、手ぶらです。 来るときに持ってきた自分の荷物は、持ち帰らないのでしょうか。 まあ、帰るのですからいいでしょう。 そんなことで、デッカチ君がいなくなり、静かな1日が始まります。
 カステリオスのタマさん から、日本の方を連れて遊びに行きます、という連絡があり、玄関先で、ビールを飲みながら待ちます。 待つ間、大雨が降りましたが、すぐに止むのがフィリピンの雨です。 庭先には、もちろん雨に震えるバカがいます。 



 黒塗りの車が、塀の外に停まります。 来ましたね、タマさんです。 日本人の方は、いつも掲示板に書き込みをして下さる、kiyoさんです。 美しいフィリピーナの方とご一緒です。 聞いてビックリ、奥さんだそうです。 驚くことはありませんよね。
 お土産にと、たくさんのものを頂きました。 kiyoさん、ありがとうごさいます。 kiyoさんもタマさんも、お酒を飲まないのですね。 私だけ失礼して、ビールを飲まさせて頂きました。 いろんなお話をして、楽しい時は流れます。
 盛り上がっているころ、身体に不釣り合いな頭をした子供が、門を入ってきます。 その頭は、まさかデッカチ君か。 あとに続き、ラニーが入ってきます。 どうしたというのだ、デッカチ君、オロンガポに帰ったのではないのか。
 それと入れ替えに、リッキーが愛人に会いに、愛人の実家のあるマニラへお出かけです。 ケチ女房の怒った顔が、リビングの奥にあります。 kiyoさんとタマさんがいなければ、庭先で殺傷事件が起きていたでしょう。
 楽しい話もひと段落したころ、kiyoさんとタマさんがお帰りになられました。



 kiyoさん、タマさん、ありがとうございました。 楽しい1日でした。 また、いつでも遊びに来てください。 
 さてきょうは、すでにデッカチ君が大暴れです。 続きは、明日のお楽しみということで。 


2008年5月25日(日) くもりくもり
ランディーの闘魂注入平手打ち

 きのうの朝、なにか面白くないことがあったのでしょう。 デッカチ君が、小学校の卒業証書を破ったそうです。 なぜ卒業証書など、この家にあるのでしょう。 こちらの学校にでも、転校するつもりで持ってきたのでしょうか。
 ラニーが怒(いか)ります、アイリーンもケチ女房も参戦します。 デッカチ君は、一丁前に口答えですが、かなうわけもありません。 でかい頭の中の、かんしゃく玉でも爆発したのでしょうか、物をぶん投げて壊すデッカチ君です。
 そこに、海辺に住むランディーが現れました。 二言三言注意をしますが、聞く耳を持たないデッカチ君です。 言葉で分からないのなら、鉄拳しかありません。 ランディーの平手が、デッカチ君の頬を叩きます。
 泣き崩れるデッカチ君、さっきまでの勢いはどうした。 裏庭に逃げるデッカチ君です。 なにをしているのかな、と覗けば、呪いの墓を作っています。 棺桶が2つとは芸が細い。 君と娘ガキが入る棺桶だと思えば、誰も怒りはしないだろう。
 昼飯を食べたあと、泣きながらリビングで、荷物をまとめるデッカチ君です。 今度こそ帰るのか、まあ、バカは放っておいて、玄関先で飲むことにしましょう。 この日のお酒は、「さつま木挽(こびき)原酒」という、芋焼酎です。 先日頂いたものです。
 つまみは、コガネムシの炒め物ですが、見るだけでした。 羽や硬い部分を取って、煮てから炒めるのだそうです。 おっかさんの大好物だそうなので、おっかさんにあげました。 コガネムシは、生きたまま市場で売っています。
 そのうち、サーファー王子の SATORUさん が、奥さんと遊びに来てくれました。 犬は、チョコレートを食べると死んでしまうから、チョコレートは本能的に食べない、という王子です。 ならばと、犬にチョコをやると、食べません。 不思議だなぁ。
 などと、くだらないことを話しながら飲んでいると、まだいますよ、デッカチ君。 たのむから帰って下さいよ、みんなの願いです。
 



 
 きょうは曇り空で、いくぶん気温も低めです。 絶好のお昼寝日和なのですが、気違い兄妹がいますからね、寝られはしないでしょう。 早く夏休みが終わるのを、祈るばかりです。
 

2008年5月26日(月) くもりくもり
毎日暴れる問題児

 きのうラニーが、オロンガポへ行く支度をしていました。 デッカチ君の荷物もまとめています。 さて帰るのかなと思ったら、デッカチ君が、いつものようにぐずります。 支度をしないというか、帰る気持ちなど毛頭ないデッカチ君です。 
 あきらめたラニーは、娘ガキとランディーの娘2人を、ラニーの部屋に入れて、鍵を掛けてお昼寝です。 仲間はずれのデッカチ君は、ほうきの柄でドアを打ち破ろうとします。 嫌われていることを、なぜ分からないのでしょうか。
 あまりのやかましさに、ケチ女房が切れます。 いや、リッキーが愛人宅から戻らないので、切れていたところに、火を点けたとでも言うのでしょう。 罵声を浴びせるケチ女房です。 ヒステリーは、簡単には収まりません。
 デッカチ君の荷物を、玄関先にぶん投げて、帰れと言うケチ女房です。 さあ、どうするデッカチ君。 ラニーが起きてきて、ランディーも家に来ました。 みんなで、デッカチ君に説教が始まります。 嫌われているなあ、デッカチ君。
 部屋でひと眠りして、玄関先を見ると、荷物がありません。 でもラニーは居ます。 玄関先で遊ぶ娘ガキに、デッカチ君は、どこに行ったと聞けば、裏庭の小屋に住むのだと言います。 小屋に行けば、デッカチ君が住まい作りをしています。
 そういう問題ではないだろう。 これだけ嫌われたら、ふつうは帰るぞ。 それで、小屋に寝るのかなと思えば、リビングに来て寝ています。 最後には、台所でコップをぶち割るデッカチ君です。 いよっ! 一人芝居、夢芝居。





 オロンカポの銀バエは、きょうもうるさく飛び回るのでしょうか。 嫌われているんだよ、みんな迷惑しているんだよ、ということが分からないのだから、始末に負えません。 オロンガポの、親父も親父ですよね。 挨拶のひとつもありません。
 きょうも曇り空です。 のんびり出来ればいいのですが、銀バエがいますからね、ハエタタキから始めないといけません。 


2008年5月27日(火) くもりくもり
丈夫なタライ

 きのうは、昼飯を食べたあと、裏庭の井戸水でシャワーです。 というのも、3〜4日前に、誰かが表の水道管を折ったのですね。 誰がやったのかは知りませんが、直すまで水道は使えません。 井戸水で生活です。
 水道管を直すのは、器用貧乏のリッキーの仕事です。 リッキーが、マニラの愛人宅から帰るのを待たなければなりません。 そんなことで、冷たい井戸水を、浴びなければならないわけです。 曇り空の涼しい日には、身体に応えます。
 水浴びで冷えた身体を、玄関先で温めていると、タカリババアがやって来ました。 この日は、魚を持って売りつけに来ました。 買わないと分かると、私にタバコをねだり、他の家へとタカリに向かいます。
 次に、健康食品を売りにお姉さんが来ますが、これも追い返します。 しばらくすると、今度は、タライ売りです。 プラスチックのバケツを、コンクリートの床に叩きつけて、丈夫さをアピールします。
 カゴやタライをひっくり返し、その上に載って飛び跳ねますが、壊れません。 ちょうど水道が使えず、井戸水をキープしておく、タライやバケツが必要だったところです。 1個、2〜300円の物ですが、きちんとケチ女房が、値切りに入ります。
 次に現れたのが、ビコールワイフです。 噂話には滅法強い、ワイフです。 今回のお題は、デッカチ君の進路問題です。 このままデッカチ君が、ここに居続けた場合、こちらのハイスクールに行かなければなりません。
 ビコールワイフが言うには、年間、3,000ペソの学費が掛かるといいます。 それを、デッカチ君に、持ってこいと迫ります。 持って来ないのなら、オロンガポへ帰るか、ビコール家の奴隷だと言います。 半べそのデッカチ君です。
 デッカチ君が、裏庭の小屋に住むことを、聞きつけているワイフです。 ワイフが小屋に行き、蛍光灯を取り付けました。 3,000ペソ持ってきて学校に行くのか、ビコール家の奴隷になるのか、夏休みもあとわずかです。 苦悩の日々だ、デッカチ君。



 きょうも井戸水を浴びて、リッキーの帰りを待ちます。 雨が降れば、停電で電気がなくなります。 原始の生活です。 酔っ払って、笑うしかありません。 
 

2008年5月28日(水) くもり
いっときの静寂

 犬猿の仲とでもいうのでしょうか、ケチ女房とデッカチ君が、また言い争いをしています。 言わなければいいのに、リッキーが愛人のところに行って帰らない、などと言うものですから、ケチ女房は切れます。
 ケチ女房も、お前の親父が浮気をして、愛人とガキを引っ張り込んだから、お前が追い出されたんじゃないか、と応戦します。 小屋があるんだから、家に入ってくるなと、デッカチ君を追い出します。 飯も喰わせないと、鼻息を荒くします。
 昼飯の時間がきました。 食事を与えてもらえないデッカチ君です。 ラニーも作りません。 他のガキどもには、もちろん食事を与えますよ。 するとデッカチ君、オロンガポに行って、学費と食費をもらってくると言います。
 どこのお坊ちゃまだと勘違いしているのでしょうか、学費と食費で、5,000ペソもらってくると言います。 誰が考えても、デッカチ君の住むオンボロアパートに、そんな大金があるはずもありません。 金銭感覚まで狂っているデッカチ君です。
 それでも、お金をもらえるものと思い、オロンガポへと出かけて行きました。 うわぁ、静か! おしゃべりバカがいなくなっただけで、静寂が戻ります。 玄関先で、静寂を楽しみながら飲んでいると、マニラから、リッキーが帰ってきました。
 愛人との子供、タコ坊主のルピンを連れてきました。 やっと水道管を直してもらえるのかと思えば、ケチ女房と喧嘩です。 喧嘩に負けたのか、リッキーはどこかへ出かけてしまいました。 どうするのだ水道管は、温水シャワーは。
 外は雨です。 雨の中、井戸水を浴びなければなりません。 井戸水君、お手柔らかにお願いしますと、水をかぶります。 外気温が低いと、井戸水は温かいなんて、嘘っぱちです。 冷たいものは冷たいのです。
 さて、オロンガポへ行ったデッカチ君が、午後の8時に戻ってきました。 お金なんか、もちろんもらえません。 このバカヤロウくらい言われて、実家を追い出されたのでしょう。 今朝も、デッカチ君には、朝食がありません。
 パンでも買ってきて、食べるしかないですね。 兵糧攻めにどこまで耐えられるか、自業自得です、飢え死にもやむを得ません。 そのときには、君の作った呪いのお墓に、埋葬してあげましょう。
 

 
 きょうは、朝からうるさいですよ。 本物のバカのバカ騒ぎですからね、これに勝るものはありません。 涼しいので、お昼寝にはちょうどいいのですが、やかましくて寝れないでしょうね。 水道管は、いつ直るのだろう。
 

2008年5月29日(木) 晴れくもり
決死の行水

 きのうは、昼からアイリーンが、オロンガポへ買い物に出かけました。 荷物持ちには、娘ガキが同行します。 出かける前に、私のビールとつまみを用意させましたので、どうぞごゆっくり、オロンガポ見学をしてきて下さいと見送ります。
 おしゃべりデッカチ君は、ここに居ても、ご飯を食べさせてもらえないので、ビコールの農場で朝から奴隷の生活です。 おしゃべりが居なければ、静かに飲めるだろうと玄関先に出れば、とんでもありません。 チビガキが、こまねずみのように、走り回っています。
 農場に居るはずの、ビコールの次男のアディンもいます。 アディン、なんだそのシャツは、雑巾にもならないようなシャツじゃないか、汚いから近寄るなよ。 お前ら静かにしてくれ、落ち着いて飲めないだろう。
 そのうち、雨が降ってきました。 勘弁してくださいよ、まだ井戸水シャワーをしていませんよ。 水道管は、相変わらず壊れたままです。 リッキーが、ちょこちょこと直せばいいのですが、フィリピンスタイルなのですね。 気が向かないと直しません。
 少し酒を入れて身体を温めてから、決死の行水をするしかありません。 ラニーがつまみを持ってきてくれました。 つまみを食べるのを忘れていました。 つまみは何かなと見れば、さばの水煮缶です。 マヨネーズと醤油をかけて、猫にも半分あげましょう。



 冷水を浴びて、玄関先に戻れば、またビールが飲みたくなります。 アイリーンもいないし、いいでしょうということで、ビールを飲んでいると、奴隷が帰ってきました。 もうヤダ僕、とデッカチ君、いやならオロンガポへ帰りなさい。
 今朝アイリーンに、もうそろそろ学校が始まるのでしょう、と聞けば、来月の10日からだと言います。 まだ2週間もありますよ。 騒々しい日々は、まだまだ続きます。 
 

2008年5月30日(金) 晴れ晴れ
小学校で落第か

 きのう、お酒でも飲もうかなと、玄関先に行く途中、リビングでビコールの次男のアディンが、アイリーン博士から、勉強を教わっていました。 アディンは、今年度3年生になるのですが、読み書きが出来ないのです。
 学校側では、1年生と一緒のクラスに編入すると言います。 要するに、落第ということなのでしょう。 もともと、学校になど行かないで、遊んでばかりいるのですから、文盲(もんもう、差別用語ですが悪意はありません)になるのも当然です。
 小学校の退学率が、10パーセントとも言われていますから、それ以上の、読み書きができない人がいるわけですよね。 アディンも、もう学校へは行かないでしょう。 1年生にバカにされたのでは、学校にいるわけにもいきません。
 実際、ランディーの長女は、今度2年生ですが、読み書きができないと知ったアディンを、面と向かって、明らかに言葉に出してバカにしていますからね。 アディンの兄の、ビコール家長男のカロイは、今度5年生です。 
 カロイは、落ちこぼれていないようです。 娘ガキと、同学年ですが、学校が違います。 カロイは、貧乏人が通う公立の小学校ですが、娘ガキは、私立の小学校に通っています。 バカでも、お金があれば、いい学校に通えます。
 玄関先でアイリーンに、水道管はいつ直るのですか、と聞くと、いまリッキーが直していると言います。 じゃあ、しばらく待って、温水シャワーでも浴びましょうと、しばらく待ちますが、依然として水は出ません。
 しょうがない、暑いうちに井戸水を浴びましょうと、上半身裸で裏庭へ行くと、アイリーンが何しているのと。 何って、水道が出ないから井戸水を浴びるのですよ。 バカね、水は出るよと言います。 なんと、元栓を開ければ出るのだそうです。
 おいおい、水道管を修理した時点で、開けておけばいいだろう。 ほんと、中途半端ですよね。 裏庭にいたリッキーに、元栓を開けてもらい、水道は復活しました。
 




 今朝、ブタの注文があったので、ブタの解体です。 1ヶ月目で買ってきたブタを、1ヶ月育てましたから、生後2ヶ月のブタですね。 売値は4,000ペソです。 1万円ですね。 解体してくれたとっつぁんには、ジンでも飲ませましょう。
 きょうも、うるさい日になりそうです。 でも、井戸水シャワーからは、解放されましたからね、もう雨でも大丈夫です。 玄関先で、ガキどもがいなければ、のんびりとくつろげるのですがね。


2008年5月31日(土) 晴れ晴れ
カリスマ美容師

 すっかり寝坊してしまった本日です。 というのも、サーファー王子の SATORUさん が、きのう遊びに来てくれまして、ついつい飲みすぎてしまったのです。 早寝はしたのですが、夜中に起きてしまい、それからまた寝たので、朝起きられません。
 いつものように、玄関先で飲んでいると、アイリーンが、私の髪が伸びてみっともないから、散髪しましょうと言います。 白髪も目立つので、カラーリングもしましょう、ということになりました。 いま、美容師を呼ぶから、とアイリーン。
 マリチェ〜! とアイリーンが、隣のビコールワイフを呼びます。 なんだよ、美容師はビコールワイフか、と思っていると、道具を持ってワイフがやってきます。 その道具を抱えた姿は、幻のカリスマ美容師、とでも表現しておきましょう。
 何点もある道具の中で、使うのはハサミと櫛だけという、天才的に器用なビコールワイフです。 いやだなあ、と思っても、もうワイフは、そこまで来ています。 覚悟を決め、ビールを飲み干し、庭先の椅子に座ります。
 首から毛除けのエプロンをかけて、チョキチョキと散髪が始まります。 動くと危険です、じっと終わるのを待つしかありません。 なんとか終わり、毛除けのエプロンを取ると、身体中、毛だらけです。 背中まで回らないエプロンなのですね。
 身体の毛を掃(はら)い、次はカラーリングです。 色はダークブラウンです。 金髪にする勇気はありません。 ワイフが、液を、私の頭に塗りたくります。 塗った後は、30分待たなければなりません。
 オールバックの頭で待っていると、そこにサーファー王子が現れます。 顔には出さないものの、心の中では笑っていたと思いますよ。 オールバックのまま、飲むしかありません。 何時間飲んだのか、頭は固まって、ヘルメットと化したのでした。





 今月も、きょうでお終いですね。 
 後半は、雨の多い日が続きました。 雨季になったかな、と思わせるフィリピンです。 いくら雨季とはいえ、暑いのがフィリピンです。 季節の変わり目でもあります。 食べ物や、風邪に気をつけて、来月も生活したいと思います。
 今月も、ご指導、お叱り、ありがとうございました。 引き続き、お見守り頂ければと思います。
  
  


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