日記 2007年 3月     



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2007年3月1日(木) 晴れ晴れ
誘いの電話

 3月になりました、フィリピンではサマーシーズンに突入でしょうか。
 今月も新しい発見や話題などありましたらお伝えしていきますので、よろしくお願いいたします。


 今朝は2時に目が覚めてしまいました。 まあ、きのう寝たのが夜7時だったので、7時間はたっぷり寝たことになります。 夕飯を食べて部屋に戻ったらガキとチビガキがたむろしていたので、寝た振りをして追い出そうと思い、ベットに横になっていたら本当に寝てしまったのです。
 きょうから3月、日本では確定申告の時期です。 きのう前に勤めていた会社から電話がありました。 元気でやってるか? まではいいのですが、確定申告の書類を作るから手伝いに来いというのです。 手伝いはいいけれどここはフィリピンだぞ!
 旅費、宿泊費、飲み代、諸経費を全部会社で出すから来てくれと言います。 まあ話を聞けば、たまには遊びに来いということらしいのですが、さてどうしようかな。
 もう1本電話がありました。 日本の友達で明日2日深夜便でフィリピンに来ると言うのです。 10日ほどの滞在みたいです。 どこへ行くのと聞くと、アンヘレスで遊ぶのだと言います。 だから私もアンヘレスへ来ないかと言います。 ほらほら、悪いお誘いが来ましたよ。
 バチが当たるといけないので丁寧にお断りして、機会があれば健全な場所でお会いすることを約束した次第です。
 玄関先で飲んでいると、ビコールハウスからキャンキャン、キャキャンと犬の鳴き声が聞こえてきます。 いますねぇ、手足を針金で縛られた犬が檻(おり)の中に、檻に入れているのだからなにも手足を縛らなくてもよさそうなものですが、ビコールにはそういう趣味があるのかもしれません。
 のんびりと空を眺め、道往く人を眺め1日が終わります。 精神的に色々とあった1日、そんなことで疲れてしまい、早い時間に眠りほけてしまったわけです。



 きょうはオロンガポの北、オロンガポからは車で40分くらいのサンアントニオビーチでパーティーがあるので出掛けてきます。 Y社長が帰国するので奥さんが迎えに来られたみたいで、お別れパーティーってとこでしょうか。 Y社長、奥さん、 hiroさんタマさん お誘いありがとうございます。 
 まぶたの裏側におできが出来た タマさん 、まぶたが腫れて目が開かないそうです。 大丈夫ですか? あまり無理をしないで下さいね。
 きょうビーチに1泊しますので、明日の日記の更新は夕方頃になると思います。 雲ひとつない青空、絶好の野外パーティー日和ではありませんか。 それでは行ってまいります。 
 

2007年3月2日(金) 晴れ晴れ
Y社長ご夫妻 さようなら

 サンアントニオビーチ、オロンガポから北に40分、私のところからは南へ20分のビーチです。 天候に恵まれてっていつも晴れなんですが、午後の1時からバーベキューは始まりました。 我々が泊まった所からビーチまでは1分、Y社長夫妻が泊まった所はビーチのまん前です。



 社長夫妻が主催で、集まった方々は社長夫妻のお友達で吉本喜劇の人、本人がそう言っているのだからそうなのでしょう。 バロイビーチのhiroさん 一家、カステリオスのタマさん 一家、それに私達と、あととりまきのフィリピン人の方々と大勢です。 
 誰が飲むのか、あっという間にボトルはカラッポ、そのあとテキーラだっていうんだから酒飲みの私もあきれ返ります。





 私もすっかり酔っ払ってしまい、途中から覚えていませんが、泳いで溺れそうになったのだけは覚えています。 hiroさん は本日仕事なのでお帰りでした、でも hiroさん の奥さんと子供さんはお泊りでした。 なにはともあれ楽しい1日でした。





 社長と奥さんは5日の日に帰国されるそうです。 私へのお土産にと、味噌と袋に入った味噌汁の素、お好み焼きの粉、本だし、それに紀州の梅干しまで頂いて、本当にありがとうございました。
 日本へは道中気をつけて帰って下さい、また会える日を楽しみにしております。
 hiroさん 、それにお岩さんじゃなくて タマさん ご面倒お掛けしました。 楽しかったです、ありがとうございました。 そしてとりまきの皆さんご苦労様でした。 またお会いしましょうね!
 ああ楽しかった、フィリピンでの生活これでいいのだ。   


2007年3月3日(土) 晴れ晴れ
カキ氷 スクランブル

 きのうはサンアントニオビーチから戻ってきて、ビールでも飲んで疲れを癒(いや)そうと玄関先に出てみました。 何時かは分かりません、というのもビーチで海水浴をしたさいに、酔っ払って時計をしたまま泳いでしまったのです。 安物のコピー時計などひとたまりもありません。 はいそれまでよでした。
 玄関先ではアイリーンと妹ラニーがマンゴを食べています。 オキアミを付けて食べています。 このオキアミ、バゴオンと言います。 好き嫌いはあるでしょうが、日本の方はダメな方が多いようです。 私は大丈夫ですが、いちど試してみて下さい。
 ビコールがトライシクルに水牛のフンを積んできました。 砕いて草花にかけるとよく育つのだそうです。 よくそんなことが出来るなって、暇つぶしにそんなことでもやらないと間が持たないのです。
 ガキが頭がかゆいと言うのでシラミ取りが始まります。 頭がかゆいんじゃなくて、頭の中身がかゆいのだと思います。 母親のラニーが取ればよさそうなものですが、なぜかアイリーンがシラミを取ります。
 そんなことをしているうちに、夕食の買出しにマーケットに出掛けることになりました。



 この街サンフェリペのマーケットでお買い物です。 ちょうどガキどもが学校から帰る時間で、マーケットはガキでごった返していました。 1杯5ペソの、ミルク、氷、砂糖を混ぜたスクランブルというカキ氷を売る行商人に群がるガキ。
 先日ハエだらけだったフレッシュジュース屋も繁盛しています。 ハエは健在だが、生活の一部となってしまっているここでは関係がないのかもしれません。 ちょっと生意気そうなお姉さんが、作って売っていました。 ハエだらけの中でツンツンしても始まらないぞ、コラ姉ちゃん!
 パン屋さんのお姉さんも一生懸命働いておりました。 店頭のガキどもがじゃまをして顔がよく見えません、私の楽しみを奪い取るガキども、頭引っぱたいてやろうか。
 いつも買い物をする八百屋さん、ふと上を見ると白い粉をまぶした豆がぶら下がっている。 どう見ても甘納豆だぞ。 アイリーン博士に聞いたところ、まぶしてあるのは砂糖だと言います。 甘くて軟らかいと言います。 間違いない、甘納豆だ。 こんなところにもあったか甘納豆、しかし買うには量が多すぎる。



 肉とか野菜などをたくさん買いこんでさあ夕飯です。 おいちょっと待て! おかしいんじゃないの? なんでおかずが鯖の水煮の缶詰なの、それにY社長夫妻から貰ったインスタント味噌汁、肉とか野菜はどこへ行っちゃたの。
 まあ文句を言っても始まらない、きっと明日料理するのだろうと思うしかない。
 さて本日、昼飯には梅干しを出してもらい頂くとしましょう。 お酒のつまみにもいいんじゃないですか。 お好み焼きの粉はたっぷりあるし、味噌汁にも当分困らないだろう。 これが日本の味だ、うまいだろうなんて、味覚の違うバカどもなんかに勧めもしないし、私だけおいしく頂ければそれでいいのです。
 それにしてもインスタント味噌汁ですが、ガキがうまいうまいとご飯にぶっかけて食べておりました。 インスタント味噌汁は隠しておかないとなりません。
 時計は新しいコピー品をおろしました。 ロレックスのデイ・デイト、800ペソです。 時計が壊れるようなバチが当たらないように行動しなければなりません。 さあきょうも品性方正に暮らすとしますか。   
 

2007年3月4日(日) くもりくもり
バプティスマル(洗礼)

 今朝4時に起きたら雨が降っている。 きのうの夜は満月がきれいだったのに、めずらしいこともあるものだ。 しだいに天気は回復しているが、きょうは曇り空の1日になるのだろう。
 きのうは気分も新たに、新しい時計をして玄関先でいつものようにジンを飲んでおりました。 すると向かいの家にたくさんの人が出入りしています。 なんなの? と聞くと、バプティスマルだと言います。 
 バプティスマルとは幼子(おさなご)、6ヶ月くらいの子供でしょうか、それの洗礼があり、子供の家ではお礼に食べ物を振舞うとのことです。 
 ただの食べ物ですから人は集まります。 隣りのビコールワイフなんか、2度も3度も足を運んで食べ物を持ってきます。 アイリーンは食べ物もらいに行かないのと聞くと、うまくないからいらないと失礼なことを言います。
 人が集まるのを見込んで、バーベキューなんか売ろうと、道端に露天を出すおばさんまでいます。 よく顔を見ると、ビコールワイフのカラオケ食堂の従業員じゃないか、何やってんだお前ら!



 お礼の食べ物といっても、甘いボソボソのスパゲティーだけです。 私の家ではガキでさえも貰いには行きませんでした。 それなら私がお好み焼きでも作ってやろうじゃないか。 酔っ払った勢いでお好み焼きを焼き始めました。 う〜ん、ソースの焦げるにおいが香ばしい。
 この前の教訓を生かし、キャベツは細かくきざみ、干しエビなんかあったのでまぜて焼きました。
そして出来上がり玄関先に持っていくと、あっという間にみんなで完食です。 これほどの評判とは、お前らふだん何を食っているんだ!
 おかわりの声に、2枚めも焼くハメになってしまいました。 たこ焼きの話をしたら、たこ焼き用の鉄板が家にあると言うのです。 嘘つくんじゃねえぞ! ここはフィリピンなんだぞ、そんなものあるわけないだろう。 大概にしろよお前ら! ですよね。



 海辺に住むアイリーンの弟ランディーの生まれたばかりの息子が、来月、バプティスマル(洗礼)なのでニノン(教父 ひらたく言えばスポンサー)になってくれと頼まれました。 いやとは言えないので、いいよとは言っておきましたが、めんどくせえな〜ってとこです。
 たこ焼き器が本当にあるのだとすれば、たこ焼きに挑戦しますよ。 まずはたこ焼き器なるものを見せてもらおうか、穴の開いた鉄板なんかだったら怒るぞほんとに。
 

2007年3月5日(月) 晴れくもり
カラマイ(もち菓子)

 きょうは5日です、ということはY社長ご夫妻と吉本喜劇の方が帰国する日ですね。 いまごろ空港でしょうか、気をつけてお帰り下さい。 社員のみなさま社長夫妻が戻りますよ、のんびりと羽を伸ばすのもきょうでお終い、お仕事がんばって下さいね。
 フィリピンのピーナツです、マニ(MANI)と言います。 蒸しあげてあるので中身までしっとりとしています。 煎(い)れあげたわけではないのでカリッとはしていません、軟らかくて芋を食べているという感じですか。
 きのうはカニが昼飯に出ましたが、小さくて食べるところがありません。 それでも器用に食べていましたが、カニを茹でたダシ汁はどうしたんだろう、捨てたのかな、もったいない。 味噌汁のダシに使いたかったよな。
 そうそう、たこ焼き器があるというので見せてもらうことにしました。 いいねいいね、このバーカ! なんだよコレ、ふつう製氷皿っていうんじゃないのか? どうやってこれでたこ焼きを作るんだよ、たこ氷なんて見たことも聞いたことも食べたこともないぞ。 
 こんなこと書くこと自体恥ずかしいじゃないか、まったくどいつもこいつもです。



 カラマイ(KALAMAY)というおやつを作るためにマーケットへ行きました。 カラマイはもち菓子です。 まず水に浸したもち米をマーケットに持って行き、2度挽きしてもらいます。 ベトベトのペーストになります。
 次に毛の付いたココナッツを割って、中身の白い部分を削ってもらいます。 家に持ち帰り、その白い部分を水につけ絞ったものがココナッツミルクです。 もちろんジュースも別のビニール袋に入れて持ち帰りますが、毛の付いたココナッツのジュースは市場では売っていません。
 グリーンのツルンとしたココナッツはブコジュースとして売られます。 ジュースは毛の付いたココナッツより甘くて、白い部分も食べられます。 毛の付いたココナッツはココナッツミルクを取るためのものです、ジュースとして売られることはないそうです。
 さてカラマイ(もち菓子)の作り方です。 絞ったココナッツミルクを火にかけ砂糖を入れて沸騰させます。 そこにもち米のペーストに葉っぱの香りのエッセンスをドボドボと入れたものを、ココナッツミルクに混ぜ合わせてひたすらかき混ぜます。 火が通るとドロドロのもちになります。 それで完成です。
 日本だともち米を蒸してから杵(きね)でつきますが、ここではペーストにしてから火を通す、順番が逆なんですね。 そうして出来上がったもち菓子、味は片栗粉に砂糖を入れて、熱湯でといだものにそっくりです。 ビローンと伸びるもち菓子、娯楽のないフィリピンにはぴったりのお菓子です。





 ガキがもち菓子を食べ終わるころにはすっかり暗くなり、夕飯はと思っているとインスタントヤキソバだ。 そんなおやつはどうでもいいけど、飯はちゃんと作って下さいよ。 
 ブトナランカというくだものの種を裏庭に植えるそうです。 マンゴみたく芯のあるくだものだそうです。 うまく育ったらまた報告します。
 覚えましたかココナッツミルクの作り方、ココナッツの白い部分を水に浸して絞るだけです、簡単でしょう。 それではまた!
  

2007年3月6日(火) 晴れ晴れ
ビコール一家の陰謀

 メイドがいなくなった我が家です。 メイドだったアイタ(先住民族)は、山へ行ったきり戻ってきません。 きっと原始人に戻り、猿と生活を共にしているのでしょう。 誘惑に弱いメイドのコロコロは、またどっかにいなくなってしまいました。 
 いなくなるときは2人いっぺんにではなく、1人づついなくなってほしいものです。 おかげさまでまた洗濯物がたまります、さあポンプの汲み出しに出動です。
 きのうはビコールワイフの経営するカラオケ屋に飲みに行きました。 玄関先でビールなんか飲んでいると、ビコールが来て飲みに行こうよと言います。 やだなぁとは思いましたが、お付き合いも大切です、なんて飲めればそれでいいのです。
 そんなわけでビコールワイフのカラオケ屋に行くことになりました。 我が家の敷地内の隣りでハイウェイに面しているところです、歩いて20歩です。 相も変わらずきったない店内です、カラオケ屋ですので一応すでに陳腐化(ちんぷか)していますが、カラオケが置いてあります。



 久しぶりの上客に、ホステスとビコールワイフはボッタクリの相談でもしているようです。 店内に置いてあるお菓子やマンゴなどをつまみに飲みます。 ガキどもにもお菓子を買い与えます。 
 飲みながらふっと考えると、なんでこんなきったないところで飲まなきゃならないんだ、玄関先のほうがよほどいいじゃないか。 ビコール一家の陰謀にはまったか、しまった! と思ったときにはすでに酔いも回り気が大きくなっていたのです。
 まあいいや、じゃんじゃんやって下さい、たまにはお金をおとしてあげましょう。 ホステスさん、わき毛を抜くのはやめなさい、私は上客ですよとそんなことを言っても上客の概念なんて頭のすみっこにもないのでしょう。 ただひたすら抜き続けます。
 さあ、おあいそおあいそ、いくらなの? なにぃ300ペソだと! 日本円で700円ですか、飲んで食って酔っ払ってたったの700円かよ、計算間違えていないか、安すぎるんじゃないのか、ボッタクリで700円とは驚きの値段でした。



 カラオケ屋から帰るとき、鍋に入った豚の血の料理をもらいました。 溶けたチョコレートみたいな感じです。 あぁ気持ち悪い、捨てるわけにもいかず、リッキーにあげました。
 家に戻って台所に行くとシジミにしか見えないような貝がありました。 少し分けてもらい、その貝で味噌汁を作りました。 いい出来具合です。 他のおかずも出来上がりさあ夕飯です。 食卓へと足を運ぶと、味噌汁が冷めたままでかい深皿に入れられて出ています。
 おわんとかご飯茶わんにアツアツをフーフーして飲むのが味噌汁だろう。 なんででかい深皿に冷めた味噌汁を入れて出すのか、それもスプーンなんか付けて、それですくって飲めとでもいうのでしょうか。 フィリピンのスタイルと言われればそれまでです、おとなしくスプーンで飲みましたよ。
 井戸水の汲み出しで始まった本日です。 午後も力仕事があるかもしれません、昼寝でもして体力を蓄えたいと思います。
   

2007年3月7日(水) 晴れ晴れ
裏庭の湯浴み

 きのうは洗濯に始まり洗濯に終わった1日でした。 朝、テツダッテェ〜とアイリーンの声、おぅ まかしとけと裏庭のポンプに井戸水の汲み出しに行きます。 本来はメイドの仕事、メイドがいない時はアイリーンの兄リッキーの仕事なのですが、リッキーも野良仕事に出掛けていません。
 朝の洗濯も終わり、午後の洗濯のために昼飯を食ってお昼寝です。 昼寝から目覚めて玄関先でビールを飲みます。 するとビコールがきのうのお礼だなんて、向かいの家に生(な)っているココナッツをもぎ取りに行きました。 簡単にいうとかっぱらいに行ったのです。
 戻ってきた手にはココナッツの実が3つ、さっそく割って頂くことにしました。 アイリーン博士がひと言、ん〜まだ若い、ジュースに甘味がないとのことです。 あとどのくらいで甘くなるの、と聞いたところ、1ヶ月と断言しておりました。
 かっぱらわれた家から文句がこないのかと聞いてみると、ビコールの子分の家だから問題ないとの話でした。 問題ないわけないだろう、これは立派な犯罪ですよね。



 玄関先のヒマワリはひと回り大きく、裏庭のトマトなんかもう赤く色づき始めました。 さあ午後の仕事です。 ポンプの汲みだし楽しいなの始まりです。 えっさほいさとポンプを漕ぎ、どうにか洗濯が終わりました。 
 するとアイリーン博士がドボ〜ンとタライの中に跳び込みます。 何するのかなと思ったら、どうやらシャワーをここで済ませる魂胆らしいのです。 なんだよ、またポンプを漕がなきゃならないじゃないか。
 チビガキの水浴びでさんざん苦労したかと思えば、こんどは女の湯浴(ゆあ)みか、長いぞ女の湯浴みは、心してポンプを漕ぐしかない。 裏庭のココナッツの葉っぱをもいで、さあ湯浴みの始まりです。
 ココナッツの葉っぱをもんで柔らかくして、体にすりつけます。 なんかの効果があるのでしょうがそんなことは聞く気力もありません。 延々とすりつけています。 こっちは延々とポンプを漕がねばなりません。 
 すりつけがやっと終わり、ここから石鹸を使い始めます。 体を洗い、シャンプーで頭も洗い、いつまで続くのでしょう。 暇をみつけては、植物に水をやりに行かなければなりません。 トマトその他に水を撒き、戻ればまた湯浴みの水汲みです。
 そんなことできのう1日はめでたく過ぎていきました。 湯浴みを見つめるチビガキの不思議そうな顔、おかまいなしで芋をほおばる博士、私は体力の限界です。 水汲みの引退宣言はさせて貰えるのでしょうか、そんなこと出来る訳がありませんよね。





 やっと終わり玄関先へ移動してビールを飲んでいると、ガキが赤い舌を出して笑いながら労(ねぎら)いの言葉をかけてくれます。 君ぃ、なんで舌が赤くなってしまったんだ、腹の中も黒くなっているんじゃないのか!
 彼女の妹ラニーやリッキーのケチ女房などは、こき使われる私を見てきっと家の中で笑っていることでしょう。 いいんです、体を動かしおいしいお酒が飲めると思えば、なんの苦にもならないのです。 
 食っちゃ寝していると豚になるぞラニー! すでにその兆候はあるだろう。 人のことを笑っている場合じゃないぞ。
 きょうはリッキーが家にいるし、重労働はないだろう。 のんびりさせてもらうぞ、まずは昼寝からだ。
 

2007年3月8日(木) 晴れ晴れ
籾とハエタタキ

 きのう朝からアイリーンは部屋の中にマンゴを持ち込み、まるごと噛り付いています。 部屋の外で食べると、半分は兄弟に取られてしまうからだそうです。 買ってきたマンゴを部屋の中のタンスの上や、ベッドの下なんかに隠して食べているのです。
 アイリーンと妹のラニーは、午後からオロンガポへ買い物に出かけました。 夕飯はどうなってしまうのでしょう、まず帰りは午後の8時過ぎになるのでしょう。
 塀の外のハイウェイに籾(もみ)が干してあります。 干すのはばら撒けばいいのですから簡単です。 それでは片付けはどうするのでしょう。 どうやってばら撒いた籾を集めるのでしょう。 ちょうど作業をしていましたので、暇つぶしに聞いて下さい。
 まず、棒の先に平べったい板を打ち付けた、でかいハエタタキのようなもので大まかに集めます。次に集めきれなかった籾を箒(ほうき)で掃き、きれいに集めます。 最後はちりとりですくって米袋に入れるわけです。
 このハエタタキですが、日本の雪かきで代用出来ますよね。 雪かきを売れば結構売れるんじゃないかなんて思って見ていたようなわけです。
 ビコールのトライシクルがまた変なものを積んできた、正体はいったいなんなのだ。





 トライシクルの積荷の正体は、ただの芋づるでした。 田んぼから別の田んぼに植え替えるのだそうです。 まさか人様の田んぼからかっぱらって来て、自分の田んぼに植えるわけでもないでしょうが、なにぶんビコールのことです、それもあると考えたほうがいいのかもしれません。
 さあ、ガキ様のお帰りです。 アイリーンも母親のラニーもオロンガポに買い物に行っていません。 こうなるとガキ様の天下独り占めです。 ひと通り暴れまわり、外が暗くなると私のを部屋を占領して、パソコンゲームに没頭します。 
 そんなことで、アイリーンとラニーが帰って来たのが午後8時、それから夕飯でした。 甘いバーベキューと冷めたチキンカツ、食欲もなくそこそこに寝てしまいました。



 冷めたチキンカツもソースなんか掛けてくれればよかったのですが、なんで甘ったるいケチャプなんだか、私は甘いものは嫌いですよと言ってあるのに、いやがらせとしか思えないですよね。 バーベキューもコテコテに甘いんですよ、ひと口で満腹になってしまいました。
 きょうこそはのんびりと過ごさせてもらいますよ、いつものようにお昼寝から始めましょう。 
 

2007年3月9日(金) 晴れ晴れ
カソイの実とタネ

 きのうはカソイ(KASOY)というフルーツの実態を調べるために、農場へ行ってきました。 とっつぁんの農場に問題のカソイがあるというので、アイリーン博士とチビガキそして私でトライシクルに乗り込み現場へ行ってみました。
 トライシクルで南に1分で農場です。 だだっ広いだけで牛やニワトリを放し飼いにしているようなところです。 そこの管理人のおばさんに案内してもらい、カソイの木を見に行きました。 管理人のおばさんはとっつぁんの愛人だと、アイリーン博士は言っておりました。
 途中、パパイヤやインディアンマンゴなどを眺め、カソイの木にたどり着きます。 おぉ思っていたよりでかい木だ、高さ5メートルといったところか、マンゴの木にどことなく似ている木だ。 ここまで来たからには、カソイを持って帰らないと話にならないだろうと、おばさんに20ペソ渡して竹ざおでもいで貰いました。
 種つきのカソイは上のほうにあります、というのも下のほうのカソイは手がとどくので、種は取られてしまって黄色い実しかないのです。 農場では、実は豚の餌です。 食べはするのですが、食べきれないほど実が取れるので、豚に与えるのだそうです。
 カゴ1杯にカソイをもらい、さあ帰って調理してもらおうじゃないか!





 黄色いカソイの実の味は、レモンに砂糖を付けて食べたような感じで、渋味があります。 それにハチミツをからませて炒めると、ハチミツがカラメル状になり渋味は消え甘さだけが強調されます。 女、子供が好きな甘いおやつが出来上がるわけですよね。
 実を絞れば、カソイの生ジュースです。 甘くて渋味があり、ジンで割るとジンの臭さがなくなりますが、甘くて飲めるわけないだろう! と私はひと口飲んでやめました。
 カソイは英語ではカシューと言います。 だから種の部分はカシューナッツということらしいです。 さっそく裏庭でカシューナッツを作ってもらうことにしました。 
 まずは火を熾(おこ)します。 火種はルソン島北の魔境の地アブラからリッキー夫婦が持ち帰った幻の木、水に浸けても燃えるサーレンという不思議な木です。 サーレンの木については前の日記に書きましたよね。
 カシューナッツの作り方を簡単に説明します。 鉄板に種を載せてひたすら真っ黒になるまであぶります。 我慢できない種は自然発火します。 驚くリッキーは急いで火を消します。 そして殻を割ると中にはカシューナッツが出来上がっているというわけなのです。







 豆つきフルーツ、カソイの話は以上です。 カシューナッツなんか食べることがあったら思い出して下さいね。 
 きのうは飲みすぎて、気づいたら水汲みやっていたよなぁ。 豚の餌を溶かす水まで汲んでやったのを思い出したぞ、もういい、きょうは何もやらないことで決まり。
 さて、めしめし昼飯なんじゃらほい。
 

2007年3月10日(土) 晴れ晴れ
扇風機のリサイクル

 土曜、日曜と全世界的にお休みの日を迎えました。 きょうはどこかへ出掛けてみようかなんて思っても、この田舎街には見るところも何もありません。 
 きったないパレンケ(市場)に行ったところで面白くもなんともないし、近所のプールで水遊びなんて思っても、なんか赤痢菌に水が侵(おか)されているようで気持ち悪いし、昼間のビーチは暑すぎるしで、結局家でゴロゴロしているようになるのでしょうか。
 きのうアイリーンの兄リッキーと弟ビコールが、扇風機の修理をしていました。 モーターが焼けて動かなくなった扇風機の修理です。 そんなもの捨てて新しいのを買えばよさそうなものですが、もったいないのかお金がないのか、器用に直して再利用します。
 私の部屋の扇風機もモーターが焼けてしまい壊れてしまいました。 これから夏本番です、新しいのを買わなければなりません。 しかしこの田舎街に電気屋さんなどありませんので、扇風機の生(な)る木を探さなければなりません。 なんとも大変なことです。
 アイリーンが梅干しを食べています。 梅干しの味を覚えてしまいました。 ぐずぐずしていると全部食べられてしまいます。 1日2個までと数量制限しなければなりません。 そんなことをしても効果のないことは分かっています、私の気休めです。
 扇風機を直すあいだに、私はジンを、器用貧乏兄弟はコーラなんかを飲みます。 1.5リットルのボトルで35ペソです。 おやつに菓子パンなんかもあります、1個4ペソです。 そのうちに扇風機も直り、羽が回り始めました。 私も酔っ払い目が回ります。
 ガキは私の部屋でパソコンゲームです。 パソコンの中を私とガキ用に分けてあるので壊される心配はありませんが、フィリピンの田舎でパソコンゲームなんてやっているのは、おそらく君ぐらいなものだぞ。
 ちっとも先に進まないアクションゲームに飽きて水撒きなんか始めるガキ、クリア出来ないんだからやめればいいものを何度でも繰り返す。 玉ねぎを剥(む)く猿と一緒だと表現したメイドのアイタ(先住民族)がおりましたが、それと同程度だ君は。





 きのうの昼飯はソーメンでした。 たまにはいいもんですね、暑いなかツルツルと食べるのも。
 今朝アイリーンが芋にマーガリンを付けて食べていました。 いいんですよ何を付けて食べても、いきなり何も聞いていないのに、ミンダナオでは貧乏人がこうして芋を食べるのだと失礼なことを言います。 
 すみませんミンダナオの貧乏人の方々、悪気があって言ったのではありません。 事実を言っただけなのだと思います、私から謝ります、ごかんべん下さい。
 青い空の下(もと)、きょうも始まる1日、いったいどんな冗談が待ち構えているのだ。
 

2007年3月11日(日) 晴れ晴れ
アラスカ・エバップ

 きのう昼寝から目覚め、さあ飲むかと庭に出ると、ビコールのガラの悪そうな友達が4〜5人オンボロ自家用車でやって来ました。 飲もう飲もうと誘われますが、誰がお前らなんかと飲むか、ですよね。 バカどもはビールをしこたま買い込み、氷を入れてビコールハウスで飲み始めます。
 私も玄関先でビールを上品にたしなみます。 オンボロ車は裏庭に止めてあります。 時が経(た)ち、バカどものお帰りです。 酔っ払って車に乗り込み、バックで車を塀の外に出します。 私は玄関先ですまして見ておりました。
 車がバックで塀から半分ほどケツを出したとき、バカはハンドルを切ります。 いくらなんでもハンドルを切るのが早すぎるだろうと思ったら、バコンバリバリとブロック塀にフロント横部分が激突です。 ブレーキでも踏んで切り返すのかなぁと思ったら、そのまま強引にブロック塀を崩(くず)し道路にでました。
 なんて奴らだまったく! 車の外に出て破損部分でも調べるかと思ったら、そのまま走り去って行ってしまいました。 まあ崩したブロック塀はビコールハウス側だし、車はバカどもの車、直接の被害がないのでよしとしよう。 しかし久しぶりの大バカを見させてもらいました。
 ガキどもがビニール袋を抱えて歩いている。 カソイの種じゃないか? ガキを呼び込み見せてもらうと、たくさんのカソイの種じゃないか。



 カソイについては カステリオスのタマさん もブログに書いておられましたので是非ご覧下さい。
 タマさんが バロイビーチに住むhiroさん のお宅に遊びに行ったとき、ビーチでカシューナッツが買えたとのことです。 自宅に戻ると、家の前にカソイの木があったとのことです。 タマさんの自宅は私の家から30分ほど南のカステリオスという街です。 
 オロンガポも近いので、オロンガポにもカソイの木がある可能性は大ですよね。 マニラ北部のマグサイサイに住まわれて、カソイ捜索隊を編成されたという キャプテン・サントさん 御一行、早急に発見されることをお祈りいたします。
 ビコールの二男アディンに、サリサリからアラスカ・エバップというコンデンスミルクを買って来てくれと頼んだアイリーンでした。 アディンがなかなか帰ってきませんので様子を見に行くと、お店の人が悩んでいます。 
 どうしたのかと言えば、アディンがビック・ヌードルを買いたいと言ったらしいのです。 ビック・ヌードルなんてあるわけがありません。 なんでアラスカ・エバップがビック・ヌードルになってしまったのかはわかりませんが、いつもひもじいアディンはビック・ヌードルが食べたかったのでしょう。 しっかりしてくれアディン!



 なんだよ、また水汲みか。 暮れ行く空を眺めながら、一生懸命ポンプと戯(たわむ)れさせて頂きました。 そして夕飯はマカロニスープ。 スープの素と醤油、それにアラスカ・エバップを加えたものです。 おやっ! この色この味、とんこつスープにそっくりじゃないか。
 うまいうまいとどんぶり1杯食べました。 まあ酔っ払っていれば何でもうまいのでしょう。
 鶏がらスープの素、醤油、アラスカ・エバップでとんこつスープ、みなさんも試してみて下さい。
  

2007年3月12日(月) 晴れ晴れ
走るクズ鉄

 きのうは日曜日、海辺に住むアイリーンの弟、ランディーのトライシクル。 パレンケ(市場)近辺で客待ちをするよりも、この家に乗り付けていたほうが商売になるのでしょう。 誰かしら買い物に出掛けたり、日曜は教会にも行く日です。 タダ飯も食えるし、酒も飲めます。
 となりのサリサリの前にすごい車が止まっていました。 なんでしょう、この走るクズ鉄、ワイパーなんかありません。 止まっているのだからブレーキは効くのでしょう。 しかしここまで乗るかなぁ、半世紀は乗っているぞきっと。 見苦しいからあっち行け、シッシッ!
 スクーターには未成年のガキが乗っているし、もちろんヘルメットなんて被りません。 田舎街では免許が要らないのでしょうか、取締りのポリスなんていないし、だいたいポリスの姿すら見たことがありません。 酔っ払い運転なんてあたりまえ、まさに無法地帯とはこのことです。
 ハイウェイの向かいにヤギの親子がいます。 となりのサリサリのあんちゃんのヤギです。 自分の家の庭で飼えばよさそうなものですが、いつも向かいのサリサリの横に繋いで草を食べさせます。 きっとライバル店の営業妨害をしているのでしょう。 ケチくさいことはやめなさいね。



 さあ教会へお出かけの時間です。 アイリーン、リッキーのケチ女房、悪の塊改め悪の権化(ごんげ)でお出かけです。 ラニーは行きません、どうしたのでしょう。 彼氏が台湾人なので、改宗でもしたのでしょうか。 
 台湾は中国と同じ老荘思想の儒教なのでしょうか、それとも仏教なのでしょうか。 ラニーに1番お似合いの宗教は仏教です、ブッタの教えです。 わかりますかこのジョーク、ブッタブタブタ、ブタの教え、食っちゃ寝のラニーにはブタの教えが1番なのです。 仏陀様すみません!
 こんなことを書いていると、私もバチの当たる日が近いのでしょう。 まあなるようにしかなりません、考えてもしょうがありません。 
 日本はそろそろ春でしょうか、「春が来た」っていう童謡がありますよね、春のところを猿に置き換えて歌うと面白いですよ。 いちど歌ってみて下さい。



 きのうの夜9時、面白いものがあるから来てとアイリーンが言います。 なになになあに、と行ってみると、ポンプの水を汲み出してだって、なんだよそれ。 1時間洗濯に付き合いましたよ。
 終わって玄関先へ、ジンの残りを飲みほして寝ようかななんて思ったら、もう1本ジンがあるよと持ってきます。 やめなさい、中身は水であることはすぐにわかります。 だって全部飲んだんだからあたり前ですよね。 そんなことでだまされるわけないでしょう、もう少しましな手を考えなさい。
 きょうは部屋の掃除でもするのか、タンスやベッドを移動して何をするつもりなんだ。 手伝わないからな、勝手にやってくれ。


2007年3月13日(火) 晴れ晴れ
鳥だ! タマだ! スーパーマンだ

 きょうの朝飯は焼き飯でした。 チャーハンと呼ぶには程遠い代物です。 飯に粘り気がないのだからしょうがありません。 飯を食べて部屋に戻り、コーヒーカップに手を掛けたらツルンと滑ります。 無残にも床に落ちたコーヒーカップは粉々に砕け散りました。 仏陀さまのタタリか、バチがあたったのでしょう。 きのう神様をバカにしたのがいけなかったと反省しています。 神様を信じないのは日本人くらいなものだそうです、よその国に行って神様なんていないんだなんて言っていると、相手にされませんから気を付けましょう。
 きのうは部屋の大掃除でした。 壊れた扇風機のモーターを取り替え、冷えなくなったエアコンの内部の掃除、去年の台風で吹き飛んだ窓ガラスを入れてもらい、ベッドその他の配置変え、こんな面倒くさいことはリッキーの仕事です。
 扇風機のモーター代と、それに窓ガラスの実費、修理、エアコンのメンテナンス代として500ペソ渡しすべてやって貰いました。 エアコンを壁から外し分解掃除して、扇風機のモーターと窓のガラスを買いに行き修理して、よくそんなこと500ペソで出来るなと感心した次第です。
 午前中ですべてが終わりました。 また部屋が狭くなったような感じがします。



 こんなことを書いていると、なにぃ! 日本人が来た〜! ってそんな大げさなものじゃないだろう。 窓の外を見るとあらら、タマさん じゃないですか。 なんでも奥さんの姉妹の誕生日だとかで、午後からパーティーなのだそうです。 家にいても準備やなにやらで、落ち着かないというので遊びに来て下さいました。
 まあ、いつものようにバカ話をして、お昼を一緒に頂いて帰ったわけですが、本当に面白くていい人ですよね。 目のおできの方も大分よくなられて、男前になっておられました。 タマさん はお酒がダメなので、私だけ無礼講で頂いておりましたが、ガキも タマさん には慣れているのか、私以上に無礼講です。 
 フィリピン通の タマさん です、ガキの悪さにも嫌な顔ひとつしません。 風が吹けばしなる柳の木っていう感じの方ですよね。 楽しい時間をありがとうございます。 そろそろ年金が入るそうで、その時には遊びに行きますからね、タマさん



 急な タマさん の訪問で、きょうは何を書いているのかわからなくなってしまいましたが別にいいんです、タマさん の訪問で朝から酒が飲めたわけですからね。 なんだ、もうこんな時間じゃないか。 早いとこ更新して、事件の張り込みをしないと、きょうは昼寝抜きだぞ。 なんか書き忘れたような気もするが、そんなことはまた明日だ。
 

2007年3月14日(水) 晴れ晴れ
ニューギニアの魔境

 さて日記でも書こうかなと思ったら、15分おきに停電です。 まあなんとか回復して書き始めることが出来ました。 日本では本日ホワイトデーですよね。 義理チョコでも貰った方はきちんとお返しして下さい。
 衛生面で問題のあるフィリピンですが、日本の立ち食いソバ屋ではネズミの入ったカレーを販売したらしいですね。 「あじさい」って駅にある立ち食いのソバ屋でしょう、やってくれますよね。 まあ、故意でやったわけではないのでしょうが、沸騰させたのであれば大丈夫でしょう。 冗談ですよ。
 日本から持ってきた古本を整理していたら、「私は魔境に生きた」という面白そうな本がありました。 終戦も知らずにニューギニアの山奥で原始生活を10年も送ったという内容の本です。 著者は島田覚夫(しまだかくお)さんという方です。全566ページの分厚い単行本です。 
 まだ障りしか読んでいませんが、食料の調達や火の熾(おこ)し方、タバコの作り方など面白そうなことが書いてあります。 読み進んでためになるようなことがあれば、紹介してみたいと思います。
 当然、ネズミなんかは貴重なタンパク源でしょう、カレーにネズミが入っていただけで大騒ぎしていると笑われますよ。 これも冗談ですからね。 ここフィリピンなんか、ゴキブリ、髪の毛あたり前、手づかみで飯を食べるんですよ。 おっとまた停電です。
 きょうは電気の調子がよくないみたいです。 早いとこ書きあげてしまわないと、長い停電にでもなったらお手上げです。 
 きのうの夜、8時頃から玄関先でふたたび飲み始めました。 飲んでいると強烈な音楽がかかります。 踊りながらパンやミルクコーヒーを運んでくるラニー、こんな時間によく菓子パンなんか食えるものです。 となりのサリサリの客も踊っています。 よく見るとオカマだ、ほんとにオカマの多い国なんですよね。
 なんだかんだと私は12時に床に就きました。 他の連中は、新たにウォッカの大瓶を買ってきて飲んでいます。 いつまで宴会が続いたのかは知りませんが、朝リッキーがまたいません。 怒りまくるケチ女房の姿がそこにはありました。 いつかは刺されるぞパロパロ(浮気者)リッキー。



 ちょっと相場を眺めていたら、株安、円高が進行している。 どうやら調整は長引きそうですよ。 中国株が大幅安しています。 円キャリートレードの解消が進めば、益々の円高が期待できるところです。
 きょうは本でも読んでのんびりすることにしましょう、そう毎日は事件もないでしょう。 
 

2007年3月15日(木) 晴れ晴れ
危険な植物

 今朝起きてカメラの画像でもパソコンにと思ったら、カメラが所定の場所にないではありませんか。 アイリーンが言うにはドロボーが持って行ったのだと言います。 きのう私が玄関先でしこたま酒を飲み、テーブルに置き忘れたのを盗られてしまったと言うのです。
 しかし家の中を探すと、リビングルームにありました。 いくら酔っ払っても、貴重品は本能的に安全なところに持ち込むものなんですね。 まあこんな国では貴重品は肌身離さずが1番です。 知らない人が出入りする場所には、貴重品は置かないようにしましょう。
 きのうはリッキーがケチ女房と浮気のことで、午前中喧嘩をしておりました。 それで憂(う)さ晴らしにと、早い時間から飲むことになってしまったのです。 バレないように浮気をすればいいのですが、朝帰りしたのではどんな鈍(にぶ)い女にだってわかってしまいます。 それもわからないで、毎回朝帰りを繰り返す鈍いリッキーの頭の構造が疑われます。
 そのうちラニーの友達が子供を連れてやって来ました。 お土産だという小さなビニール袋を玄関先に置きます。 なんだろうなと思って、つかんで中を見ようとしたら、いてぇ〜! このバカ女! トゲトゲの植物じゃないか。 危ないからぐらい言えよ、このうすらバカ! 怪我したらどうするんだよ、まったく。



 気を取り直して飲んでいると、おやっ、リッキーがいない。 裏庭に様子を見に行ってみると、エジソン張りに陳腐(ちんぷ)なスピーカーを組み立てています。 原理なんか説明されたって解るわけないし、だいたい誰が浮気者のいうことなんか信じるか。
 アイリーンの弟、ビコールの長男カロイがぶらぶらしている。 アイリーンに学校じゃないのかと聞くと、お金がないから行けないというなんともお粗末な話です。 まあ将来なんてない人間ですからどうでもいいことなのですが、かわいそうなのでパソコンゲームでもさせてあげることにしました。
 どうだカロイ、面白いだろう、バカ面が少し引き締まって見えるぞ、自分の境遇を恨(うら)むなら親を恨んでくれ。 自然児で育ってバカな大人になるのがフィリピンだ、それでいいのだカロイ、なにも望まずに生きているうちに道が開けることだってあるのだ。



 トゲトゲの植物は庭に植えるそうです。 ということは、目を疑うような悲惨な光景が想像できます。 最初の犠牲者は誰になるのでしょう。 私はチビガキが裸足で踏んで大怪我をすると睨んでいます。 
 植えるのをやめさせればいいのですが、それでは面白くありません。 誰かが怪我をするまでは、すくすくと大きく成長してほしいと思います。 トゲトゲが大きくなったところで、思いっきり大怪我をしてほしいものです。 楽しみがまた1つ増えました。
 おっ、カロイ。 きょうも休みか、今いいゲームを探してやるからのんびり生きろ。 手を洗ってからゲームをやってくれよ、きのうはキーボードが真っ黒だったぞ。
 きょうも1日、バ家族を相手に暇をつぶすことにします。  
 

2007年3月16日(金) 晴れ晴れ
ダイナマイト・サラダ

 アイリーンの兄リッキー、その息子ルピンの本当の母親で愛人、セカンドワイフから今朝アイリーンにメールが届きました。 なんでもその愛人宅の食べ物がなくなったので、リッキーに持って来させてほしいというメールらしいのです。 リッキーのそばにはケチ女房がいるわけですから、直接リッキーにメールというわけにはいかないのでしょう。
 昼からでもバカ面さげて行くんでしょう、また怒るぞケチ女房。 双方の女から文句を言われて、男冥利に尽きるじゃないかリッキー、そういう奴の事を たわけ者というのだ。
 きのうはいつもの玄関先で暇つぶしです。 ビコールの娘マリカーの頭のシラミ取り、ノミまでいます。 ビコールも手伝いますが、私は動物用のノミ取りシャンプーで洗ったほうが早いと思います。 そんなチビガキが、私のベッドの上でのた打ち回っているのですからたまりません。
 アイスクリーム屋がオンボロ自転車でやって来ました。 アイスクリームと呼ぶと、玄関先の庭まで入って来ます。 よく溶けないなぁと中を覗くと、でかい魔法瓶のようなものに入っているんですね。 1個わずか3ペソです。 気前よくルピンとマリカーに1個づつ買ってあげました。



 髪も伸びたし、散髪することになりました。 私が日本から持ち込んだ、充電式のバリカンで刈ります。 まずは私から、あたり前でしょう、ビコールの頭を刈った後のバリカンなんて気持ち悪いでしょう。 私は軽く後ろを整えてお終い。
 次はビコールです。 スキンヘッドでいいと言うので、私が刈ってやることにしました。 気持ちいいですね人の頭を刈るのは。 アタッチメントを外してバリカンの刃そのもので刈ります。 はい、出来上がり、おとこまえ〜!
 さて、チビガキのルピンです。 アタッチメントの高さは4センチメートル、全体にムラなく仕上げます。 バリカンを滑らせるだけですから、簡単です。 飽きた飽きたで、あとはビコールにまかせました。 
 ビコールの二男、アディンはいやだと逃げ回りますが、結局つかまり丸坊主にされてしまいました。 シラミのマリカーも1度丸坊主にしたほうがいいんじゃないか、という私の提案はなぜか受け入れて貰えませんでした。 いい考えだと思ったんですがね。



 床屋の値段ですが、ここ田舎は男性が50ペソ、女性が100ペソ、女性のストレートパーマが700ペソが相場です。 私が床屋に行ったときは70ペソ取られました、日本人価格っていうやつでしょうか。 マニラあたりだともっと高いと思います。 
 床屋はオカマの商売なので、オカマさんやオカマバーが好きな人はビールを片手に床屋に行って下さい。 
 きのうの夕飯のサラダ、ケチ女房が作ったのですがニンニクがぶつ切りの生で入っておりました。ニンニクの生は辛いですね、ふつうサラダに生ニンニクのぶつ切りは入れないでしょう。 酔っ払っていたものですから、食べましたが、今朝起きたらニンニク臭いこと、アイリーンなんか息しないでと言う始末です。
 きょうは酒で口の中を消毒しなければなりません。 いやがらせサラダ、本当はリッキーに食べさせるために作ったんじゃないのか。 もう激辛のダイナマイト・サラダは勘弁して下さい。


2007年3月17日(土) 晴れ晴れ
謎の果物 カマチリ

 きのう、ここから南に30分ほどのカステリオスという街に住む タマさん のブログに、カマチリという植物だか果物だか分からないような食べ物が載っていました。 タマさん の近所にあるのなら、こことは場所も近いしこの近辺にもあるだろうと思い、探すことにしました。
 まずは情報収集からです。 午後9時、アイリーン博士を玄関先に呼び、カマチリについて聞いてみました。 すると、あるとの答えです。 ビコールの長男カロイが食べていたと言います。 さっそくビコールハウスにカロイを叩き起こしに行きました。
 眠い目をしてカロイが話すには、学校へ行く途中にカマチリの木があり、そこでもいで持ってきたのだと言います。 そこまで分かれば話は簡単です。 その木に行ってもいでくるだけです。
 かくして今朝、カマチリを取りに行ってきました。 朝6時に起床、まずは洗濯の手伝いです。 ひと段落して、さあ、カマチリの木へ、ビコールのトライシクルに乗り込みます。 着きましたって、マーケットじゃないのかここは、まずは買い物だそうです。 新鮮なメロンなんかありました。
 買い物を終えて、さてカマチリの木へ、おぉ、これがカマチリの木か、ん〜でかい。



 ビコールにカマチリの実を2つ3つもいで貰い持ち帰りました。 大きさは手のひらに乗るくらい、えんどう豆を丸くしたような感じです。 殻を割ると、中に白いものがあります。 その中に種があります。 なんでも白い部分を食べるのだと言います。 
 白い部分は、ミカンの皮の内側の白い部分にそっくりです。 味もミカンの渋皮そのものです。 うまくありません、調理法もなくそのまま生で食べるのだそうです。 アイリーン博士が言うには、たまにマーケットで見かけるそうです。 見かけたら話の種に食べてみて下さい。



 今朝は早くから井戸水の汲み出しにこき使われてしまったので疲れてしまいました。 ひと眠りして疲れをとらなければなりませんが、土曜日なので部屋にはガキが寝っ転がっています。 さてどうやって追い出してやろうか。
  

2007年3月18日(日) くもりくもり
電動ポンプ

 きょうは日曜日、やることが2つあります。 1つは バロイビーチのhiroさん がHPに書いた、ドゥハットというフルーツを探しに行くことです。 もう1つは井戸水のポンプの電動化です。 ドゥハットの木は カステリオスのタマさん がすでにブログに書き込んでいました。 
 さすが名前の通り、弾のように速い タマさん です。 井戸水用の電動モーターは、オロンガポまで買いに行かせます。 私は行きません、そんな重いものを持たせられたらかないません。 金を出すだけで十分でしょう。 アイリーンとリッキー、ケチ女房で出掛けます。 ケチ女房は値切り役だそうです。
 きのうは玄関先でリッキーが大音量スピーカーの手入れをしていました。 うるさくてしょうがありません。 そばで飲んでいると、また原理の説明が始まります。 陳腐(ちんぷ)なスピーカーなので、原理も陳腐なものなのでしょう。 そんな100年前の原理の説明はやめてくれリッキー。
 子連れの妊婦がやってきました。 アイリーンがお金を渡しています。 話を聞けばお金を借りに来たのだとか、子連れでの猿芝居か、そんな100ペソぐらい猿芝居代にくれてやれですよね。 
 さあ水撒き、水撒き。 毎日これだ!



 我が家には3台の井戸水ポンプがあります。 1台は私がいつも水汲みをするポンプです。 2台目は裏庭の犬の調理場にあります。 3台目はビコールの家にあります。 今回電動化するのは、もちろん1台目の私がいつも苦労しているポンプです。
 1台を電動化すれば、すべてをまかなえるみたいですから期待しています。 ビコールハウスにある全自動洗濯機の給水ホースが、水道の蛇口に繋がれていません。 それでも器用に井戸水をバケツに汲んで使っています。
 なんか井戸水のポンプのところで洗濯したほうが早いような気がしますが、しょせん他人事、放っておくことにしましょう。



 電動ポンプの値段は1万円くらいだそうです。 まあ先のことを考えれば安いと思うしかありません。 器用貧乏リッキーはうまく組み立ててくれるのでしょうか。
 そんなことでアイリーンは午前中オロンガポです。 hiroさんのHP にあったドゥハットは午後からの探索予定です。 アイリーン博士が近くにあると断言しているので、問題なく手に入れられると思います。
 ドゥハットの調理法については こちらのHP をご覧下さい、ドゥハットのジュースの作り方が載っています。


2007年3月19日(月) 晴れ晴れ
幻のドゥハット

 まずはドゥハットというフルーツの報告からです。 バロイビーチのhiroさん がオロンガポで買ったというフルーツです。 早速ドゥハットの実の生る現場に行ってみました。 自宅からはトライシクルで2分の他人様の家です。
 太い幹が枝分かれした高さ5〜6メートルの大木がそうです。 これもマンゴの木にそっくりです。 さてブドウのような実と探してみましたが、実は付けておりません。 まだ時期ではないので実は生っていないとのことでした。
 そういえば カステリオスのタマさん のところも実はまだという話でした。 そうするとオロンガポのドゥハットはどこから来たんだ、ということになります。 理屈付けをしなくてはなりません。 地理的に南からオロンガポ、カステリオス、私の家のサンフェリペとなります。
 そうすると桜前線と同じで南から暖かくなるので、オロンガポにはドゥハットの実は生っているが、北の地方はまだ時期が早いのだということになります。 冗談は兎も角として、ドゥハットの旬は5月から6月だそうです。 その時になったらまたチャレンジすることにしましょう。



 きのうの朝、井戸水を汲み上げるための電動ポンプを買いにオロンガポへ行った3人。 午前中には帰ってくると言って出掛けたのに、なかなか帰ってきません。 素直に帰って来ると思った私がバカでした。 前に出掛ければ鉄砲玉と一緒だと書いたではないか。
 3時・・4時・・・5時、やっと帰って来た鉄砲玉、手にはたくさんの荷物です。 私のお金で買い物か! 食料だのドアのノブだのと好き放題買いやがって、5千円は余分に使ったんじゃないのか。 チビガキのおもちゃまであるぞ、いいかげんにしなさーい!
 帰ってくるなり腹減ったと飯を食べている、何時だと思っているんだ、もうすぐ夕飯の時間だぞ。
そんなことより、ドゥハットの探索に行かなければなりません。 かくして飯を食べ終わるのを待って、ドゥハットの探索に出掛けたというわけです。



 きのう電動ポンプの取り付けは行われませんでした。 きょうは取り付けると言います。 どうでもいいけど、水汲みはもうやらないからな。 
 きょうは電動ポンプの取り付けを監視することにします。 せっかく買ってきた電動ポンプです、転売されないように見張らなければなりません。
 いい朝焼けで始まる今日一日、暑くなりそうな予感です。
  

2007年3月20日(火) 晴れ晴れ
電動ポンプ完成

 きのうの朝、玄関先で涼んでいると黒いバンから手を振る人が、来たか借金取りってそんなわけありません。 まさか日本人が来るとは思っていません。 誰かなぁと思ったら、 バロイビーチのhiroさん です。 話を聞けば、ここより北の街に仕事の依頼があり出掛けるのだそうです。 
 ここに来る途中で カステリオスのタマさん と車ですれ違ったそうで、立ち話をしてきたそうです。 神出鬼没のタマさん、また何か発見でもしに出掛けたのでしょうか。 仕事が終わったら寄るからといったんお別れをして、さあ私は電動ポンプの組み立ての監視です。
 リッキーのパロパロ(浮気)仲間のトライシクルドライバー、マローンが応援にかけつけてくれました。 マローンがパイプ屋、リッキーが電気屋といったところでしょうか。 マローンが材料と工具を持ち込み、器用に組み立て始めます。
 さすがフィリピン、あれがないこれがないとマローンは何度も買出しに出掛けます。 昼になっても遅々として仕事は進みません、そのうちにhiroさんとドライバーのチンさんが仕事を終えてやって来ました。 お疲れ様でした、さっ酒、酒。 
 夕方、やっと電動ポンプの完成です。 ホースから出る水、いいじゃないですか。 気まぐれメイドなんか雇わなくてもよくなりました、私も肉体労働から解放されます。 リッキーはホースで水撒き、ガキは水浴び、豚の世話も楽になります。
 電動ですから、電気代が水道代より高くなったのでは笑い話になってしまいます。 でも朝と夕方だけの使用ですから、そんなこともないでしょう。 hiroさんとドライバーのチンさんは午後の6時頃に帰られました、飲んでの楽しい時間はあっという間です、本当にお疲れ様でした。





 夜、裏庭へ行ってみると、みんなで酒盛りをしています。 リッキー、ビコールにマローン、材料費のお釣りでもくすねて酒代にしたのでしょう。 リッキーのケチ女房もいますよ、リッキーとマローンが買春に行かないよう見張っているのです。
 酒代は手間賃としてくれてやろう、でもよく考えると誰が1番楽をするのだ? 豚の世話をしているリッキーじゃないのか。 まあいい、今回は私も多少楽になれるのだ。 
 今朝リッキーが私のいこいの場所、玄関先を水洗いしている。 そうそう、その感謝の気持ちが大切なのだ。 そんな気持ちがあるのだったら、なぜ私がポンプを漕いでいるとき手伝ってくれなかったのだ、エクササイズ、エクササイズってなんだそれは。
 さて、きょうも玄関先で涼みましょう。


2007年3月21日(水) 晴れ晴れ
久しぶりのスコール

 日本は春分の日でお休みですね。 お彼岸なのでお墓参りに行かれる方も多いと思います。 なかなかこういう行事がないと、お墓にお参りなんて行きませんからね。 ガキがのこのこ部屋に入ってきました。 もう学校に行っている時間だろうにどうしたのだ。
 なんでもきょうから学校は2ヶ月間の夏休みだと言います。 日本の春分の日に合わせたわけではないのでしょうが、タイミングのいいこと。 学校も休みということは、地獄の暑さで子供も外に出られないような日々が続くのだろうか。 そんなことはない、ただ教師が休みたいだけなのですよね。
 きのうは午後から雨でした。 アイリーンはシャワーだと言って雨の中に跳び出します。 雨は体にいいのだと言います、とくに降りはじめの雨がいいと言います。 やめてくださいアイリーン博士、スモッグの空で凝縮した降りはじめの水滴が体にいいわけないでしょう。 
 でもここは田舎、空を見てもスモッグはありませんが、風邪をひくからやめなさい。 ガキがカマチリの実を食べています。 私にはまずくて食えませんが、こういうふうに子供のころから食べているので、フィリピンの人は大人になっても食べられるのでしょうね。
 カソイ (カシューナッツ) の実の自家製キャンディーです。 カソイの実をブラウンシュガーに混ぜ合わせれば出来上がりです。 甘いですよ、甘渋い果実に砂糖を加えるわけですから歯がとろけるような甘さです。 フィリピン人はこんなものばかり食べているから、歯のない人が多いのでしょうか。



 リッキーが雨の中、自転車でどこかへ出掛けたままです。 愛人宅にでも行ったのでしょう、夕方になっても帰って来ません。 しようがない、豚小屋の掃除でもしてやるか。 新兵器の電動ポンプもいじってみたいしちょうどいい。
 まず電動ポンプの蓋を開けて誘い水を入れて、コンセントに差し込みます。 うなるポンプ、でも汲み上げが始まらない。 誘い水が足りないのだ。 ふたたび誘い水を注入すると、出た! 感動の一瞬だ。 さっそく豚小屋までホースを引っ張り水を撒きます。
 豚小屋の床面を流し、大豚、仔豚に水を掛けてやります。 大豚は気持ちがいいのか、体を引っくり返してのた打ち回ります。 仔豚は口を尖 (とが) らせてホースの水を飲みます。 そんなことをしているうちにリッキーが帰ってきました。
 あとの豚の餌はリッキーにまかせて玄関先へと戻りました。 空はまだ曇り空、アイリーンが着替えてやって来ました。 いいんじゃないの、アイリーン。 アイリーンも1度病院へ連れていったほうがいいのかもしれません。



 天気が悪いと酒もすすみません、きのうはビール1本だけでした。 きょうは日差しが強烈です。 体の水分も吹き飛ぶはずです。 のどが渇けばビール、酔いを求めたければジン、200円で酩酊できる国フィリピン、酒好きにはたまらない国です。
 

2007年3月22日(木) 晴れ晴れ
ランカキャンディー

 きのうビコールワイフが、ギャンブルで4,000ペソ当てたそうです。 2ペソとか5ペソとか賭けて数字を当てるゲームです、お金をギャンブル集金人に渡し結果を待ちます。 そんなところからウエイティングと呼ばれているゲームらしいです。 賭け金に対して配当が高額なので、そうそう当たるゲームではないのでしょう。
 そのビコールワイフが洗濯をしています。 ガキどもを水浴びさせて感心、感心と見ていたら、ガキにポンプの汲み出しをやらせています。 水浴びさせる目的がガキをこき使うことだったのです。 そんなことをやっていないで、当てたお金で電動ポンプを買いなさい。
 そういえば、誰もご祝儀を貰っていないぞ。 一発当てたらどこの国だってご祝儀の習慣ぐらいはあるだろう。 このケチ! それから私が貸したボールペン、早く返してくれ、2本別々の日に貸したが戻っていないぞ。
 前夫と離婚調停中のラニー、きのうは州都のイバに書類を持ってお出かけです。 ビコールのトライシクルに娘のガキとリッキーのケチ女房も乗って出掛けました。 ふつうトライシクルで行かないだろう、ここからバスで北に1時間のところだぞ。 
 リッキーのケチ女房はなんなんだ、弁護士費用の値切り役か、少しは考えて出掛けてくださいよ。 それにしても離婚調停、何年やっているんだ、一向に進まない離婚調停、フィリピン恐るべしです。
 やって来ましたタカリババア、きったねぇ紙袋の中身はTシャツです。 どこで仕入れたのか、はたまたかっぱらって来たのか、押し売りにやって来たのです。 1枚150ペソとのことです。 2枚持ってきたので、いいよいいよと買ってあげました。
 そのかわり支払いは毎日50ペソづつ、6日間に分けて支払うことにしました。 タカリババア! その老体を引きずりながら6日間通うがいい。 来れば払ってやるからな。 今回は手ぶらで来てタカらないだけまだましだったような、改心したか? いやそんなことあるはずがない。



 アイリーンがランカのキャンディーがあるよと言うので、持って来て貰いました。 おおこれがランカのキャンディーかって、君ねぇ、これって袋だけじゃないの。 中身はぜ〜んぶ食べちゃったって、1粒くらい残しておいてくれてもいいんじゃないですか。
 せっかくですから袋の写真を掲載しておきます。 24粒入りで24ペソだそうです。 食べたかったなランカのキャンディー、中身がないなら袋なんか持って来るな! いい、いやがらせをしてくれるじゃないですか、涙が出ますね。
 裏庭で豚の鳴き声がします。 ランカのキャンディーを食べたくて鳴いているのでしょうか、いや違います、リッキーが豚小屋の掃除をしているのです。 仔豚がおいしそうにホースの水を飲んでいます、電動ポンプから送られた水です。 こんど餌にジンを混ぜてリッチな食事を与えてみたいと思います。
 イバへ行った3人が戻って来ました。 手ぶらです、お土産のひとつもありません。 夕食の食材も買ってきません。 タカリババア以下ではありませんか。 アイリーンもあきれ返っています。  しょうがないのでハムとタマネギでチキンライスを作りました。 なんだこの味! ボソボソのスパゲティーと同じ味じゃないか。 甘いぞ甘いぞ、ケチャップが違うのか? まあいい、酔っ払って食べるのだ、腹に溜まればそれでいい。



 マーケットに大蛇が売っているとアイリーンが言います。 おいおいほんとかよ、さっそく見に行こうと思って準備をしていたら、もう売れちゃっただって、ほんとうにもう暑いんだからやめて下さいよ。
 きょうもこんな調子で過ごします。  
  

2007年3月23日(金) 晴れくもり
天の恵み

 きのうのお昼、離婚調停中のラニーが弁護士費用のお金を下ろすためにオロンガポへお出かけです。 10万ペソという大金のために、リッキーが警護としてついて行くことになりました。 リッキーのケチ女房とチビガキルピンも一緒です。 このとき私の脳裏には、荷物を抱えて帰ってくるリッキーの姿がありました。 
 警護というのは名ばかりで、本当は荷物持ちにこき使われるのだリッキー。 わずかばかりの軽食を与えられ、重労働に駆り出すラニーの本心をなぜ見抜けないのだリッキー。 まあそんなこといいけれど、早く帰ってきて貰わないと、私がまた水撒きと豚の世話をやらなきゃならないだろう。
 そんなことを考えながら玄関先で飲んでいると、にわかに空が曇り始めてきました。 天の恵みか、雨が降れば水撒きからは開放される。 と思っていたら、ものすごい勢いで雨がたたきつけてきました。 
 さっそく、雨どいから滝のように落ちる雨水を手桶に汲んで、屋根の下の雨の当たらないところにある草花や苗に水をやります。 あれっ、地べたに米袋が放置してあります。 アイリーンにこれなんなのと聞くと、米だから早く中に入れてくれと言います。
 どしゃ降りの中、米が濡れたら大変だと必死に米袋を引きずっていると、アイリーンが中身は牛のウンコかな、なんてとぼけたことを言っています。 足で袋を押してみると確かに米の感覚ではありません。 晴れているのならまだしも、どしゃ降りの中ですよ。 
 牛のウンコをバカ面さげて引きずる自分が情けない。 まさかダマシと気付かなかった自分の未熟さが不甲斐なくて、自分に憤(いきどお)りを覚えます。
 雨も降り止み、こんどは豚小屋の掃除です。 電動ポンプを作動させているとガキがやって来ました。 ホースを引っ張り豚に水をかけていると、ガキがやりたいと言います。 いじめの好きなガキです。 豚に水をかけていじめるのは快感そのものに違いありません。
 豚はガキにまかせ、私は玄関先で1杯。 しばらくして見に行くと、いい仕事をしてくれました。小屋の中も豚もきれいに洗われています。 このぶんだと庭の水撒きもすすんでやるに違いありません。 いい労働力が手に入りました。



 オロンガポに行った面々も雨に打たれたのだろうと思ったら、オロンガポは眩しいほどの1日だと言っておりました。 もちろんリッキーの手には、抱えきれないほどの荷物がありました。 
 のんびりと暮らして油断をしていると、とんでもないダマシがありますからね。 皆さんも気を付けて頂きたいと思います。 お前がドジなだけだろうって、確かにそうです。      


2007年3月24日(土) くもり晴れ
悠々自適の生活

 今朝はひと雨きそうな曇り空です。 涼しくてちょうどいい天気ですね。 真っ青な空もいいけれど、曇天(どんてん)の空もまたいいものですね。 こんな日は思いっきり蒸すんですよね。 まあタダでサウナに入れたと思えばいいですか。
 ガキどもは学校が夏休みなので、パソコンゲームをやらせろと絡(から)んできます。 やり始めれば1日中やっていますから、私は部屋を追い出されます。 部屋を出て玄関先に行けば、リッキーがスピーカーの調整なんかやっています。
 数字当てのギャンブルで、きのうはアイリーンのおっかさんが2,000ペソ当てました。 確かこの前も当てたおっかさん、ポックリ逝(い)かないように注意してほしいと思います。 ビコールワイフと違い、おっかさんはちゃんとご祝儀をくれます。 私は300ペソも貰ってしまいました。
 そのお金でジンを買って玄関先で飲んでいたら、不審な黒いバンが塀の外に横付けしています。 なんだろうと見ていたら、借金取りではありませんなんて カステリオスのタマさん が出てきました。 驚かさないで下さいよ、借金をしに来た人かと思ったじゃありませんか。
 おやつと飲み物代だと、私の300ペソはさっそくアイリーンに没収されてしまいました。



 タマさんは友達のお墓参りに行った帰りに寄って頂いたそうです。 お土産にと、お墓の近くに生っていたという、スハというカボチャくらいの大きさの夏みかんのようなものですか、それとマボロというカキに似たフルーツ、あとマンゴを持ってきて下さいました。
 竹竿の先に針金を取り付けてかっぱらって来たそうで、なかなか大変だったみたいです なんて冗談ですよ。 タマさんのブログ に、ちゃんと持ち主にお断りして頂いて来たと書いてあります。 ビコールのココナッツとはわけが違いますからね。
 とりあえず、マボロというフルーツを剥いてみんなで食べてみました。 白くてリンゴみたいな色、形です。 味はほんのり甘く淡白です。 桃をスカスカにしたような食感です、甘いものがダメな私でも抵抗なく食べられました。 
 来月奥さんの誕生日だそうで、その時にはおじゃまさせて頂きたいと思います。 バナナケチャップで作ったスパゲティー、楽しみにしております。



 タマさんは来月から年金が入るそうで、悠々自適の生活が始まります。 のんびり暮らして下さいね、タマさん。 へんなところにおできが出来るような使い方はダメですよ。 楽しい1日をありがとうございました。 また近くに来たら寄って下さいね。
 雲もなくなり晴れてきました。 夏なんですね、常夏の島フィリピン、きょうも暑さとの戦いだ。  
      

2007年3月25日(日) 晴れ晴れ
独り占め

 きのうは朝停電があり、このまま復旧しなければ洗濯の水汲みかと思っていたら、1時間ほどで復旧して一安心でした。 昼飯を食べ終えて玄関先で1杯やろうかなと思い、台所の冷蔵庫にジンを取りに行くとリッキーのケチ女房とおっかさんが何かを食べています。
 なに食べているのかな〜と思って見ると、カステリオスのタマさん がお土産に持ってきてくれたマンゴとスハを食べているのです。 マンゴはまだしも、スハの剥くところを写真に撮りたかった私は唖然。 アイリーンを呼び、とりあえずスハの実の断片を確保させました。
 目に付くところに食べ物を置いておくとすぐになくなってしまいます。 私が貰ったお土産なのだから、私のものではないでしょうか。 食べていい のひと言くらい言えばいいのに、なんで食べちゃうのかなぁ。
 スハですが、見かけはでかいのですが、中身はこぶし大で大味です。 粒の皮が厚く果汁は少なめです。 酸っぱくはありませんでした。 もし市場で売っていたら、皮を剥いてもらい中身だけ持ってきたほうが、かさばらなくていいでしょう。



 ビコールが田んぼからとうもろこしを持ち帰ってきました。 さっそくビコールワイフが取り返します。 私がそばで写真を撮っているのだから、2つ3つ分けてくれてもよさそうなものですが、このとうもろこしも私の口に入ることはないのでしょう。
 久しぶりにメイドのコロコロが現れました。 メイドとしてはもう雇いません。 そのコロコロ、オーケイズという花のなる木を運び込んでいます。 オーケイズの花は高価な花らしいです。 庭に植樹でもするのでしょうか。 置いたままどっかへ消えてしまいました。
 裏庭に新しい仔犬がいます。 聞くと、アイリーンが200ペソで買ってきたのだと言います。 犬殺しビコールの住む家の庭に、犬など買って来るはずがありません。 きっと借金の形にでも持ってきたのでしょう。
 裏庭に2匹の仔犬、ビコール家に1匹、そして今回の仔犬と全部で仔犬が4匹。 大きくなったらビコールの毒牙にかかり、食肉として売られていくのでしょう。 ビコール家の仔犬は全然大きくなりません。 餌を与えていないのでしょう、やせ細り今にも死にそうです。



 本日はマニラからお客さんが来る予定です。 キャプテン・サントさん といい、カソイ(カシューナッツ)の木を見に来るというのです。 まあ何もない田舎ですが、楽しんで頂ければと思っています。
 今頃はバスの中で、なんだ遠いな来なきゃよかったぜ、なんて思っているのかも知れません。 幸い空は快晴、旅行日和なので我慢して乗って来て下さいね。


2007年3月26日(月) くもりくもり
サントさんがやって来た

 きのうは遠路はるばるマニラから キャプテン・サントさん が遊びに来られました。 奥さんも一緒です。 カソイの木がどうしても見てみたいというので来られました。 朝7時に家を出られたそうで、到着は11時頃の予定です。
 その前に、カステリオスのタマさん も来て下さり、バカ話をしながらサントさんを待つことにしました。 11時を過ぎても現れないので電話をしてみると、もうバスから降りて墓地の前に居るとのことです。 早速タマさんと迎えに行き、無事お会いできました。
 玄関先にご招待して、さあ宴会です。 とは言っても、サントさんはお酒がダメです、タマさんもダメです。 なのでお酒は私1人、無礼講で飲まさせて頂きました。 サントさんもタマさんもお話好きなので話題には事欠きません。
 楽しくお話しているうちにお昼です。 みんなで台所へ行き昼食を食べて、いよいよカソイの木へと出発です。 しかし結構な量を食べていましたよ、健康なんですね、サントさんもタマさんも。



 カソイの木はとっつぁんの農場にあります。 トライシクルで2分くらいでしょうか。 フィリピン人は歩かないからな、なんて言いながら、サントさん、奥さん、タマさんがすたすたと歩き出して行ってしまいました。 おいおい、農場の場所が分からないのに先に行かないで下さいよ。
 すぐにアイリーンとビコールのトライシクルで追いかけ、3人を乗っけて農場へと向かいます。 だだっ広い何もないところです。 サントさんがこの物置小屋なぁになんて聞きます。 やめてくださいよサントさん、人が寝泊りする立派な家ですよ。
 さあカソイの木です。 見上げるサントさん、黄色い実に種が確かにあります。 種を集めてとっつぁんがカソイを煎(い)ります。 真っ黒くなり炎に包まれたら出来上がりです。 殻を砕けば中身はカソイ(カシューナッツ)です。 出来立てのアツアツをみんなで頂きました。
 カソイの実のほうも頂きました。 サントさん曰く、匂いはリンゴだそうです。 そんなことでカソイバーベキュー、楽しんで頂けたでしょうか。 農場を少し探索して、バケツにカソイの実をもらい、農場を後にしました。



 家に戻り、カソイの生ジュースや蜂蜜炒めを頂き、そろそろお時間です。 サントさん夫妻はバスでマニラに戻られました。 タマさんとお見送りをして楽しい1日はお終いです。
 サントさんからお土産にと、お酒のつまみ ♪カラスミを頂きました。 他にも日本茶、そば、漬物の素、にんにく味噌、乾燥切干大根などなど、懐かしの品々を頂きました。 キャプテン・サントさん ありがとうございました。
 遠いところまで奥さんとお越し頂きまして、ご苦労さまでした。 アイリーンもよろしくと言っておりました。 マニラに行った際には、顔を出させて貰いますのでよろしくお願いいたします。
 タマさん ありがとうございました。 4月からまた忙しくなりそうですね。 なんかあれば誘ってくださいね、楽しみにしています。      


2007年3月27日(火) 晴れ晴れ
ラニーの息子

 ビコールが藁(わら)を踏んでいます。 何やってんだビコールと聞くと、米を取っているのだと言います。 よく見れば藁は稲穂です。 ん〜原始的、足で踏んで米を取るなんて、棒で叩いて取るのは見たことがあるような気がしますが、足で踏んで取るのは初めて見ました。
 やって来ましたタカリババア、この前 Tシャツを買ってやったのに気をよくしたのか、今度は大皿なんか持ってきて売りつけようとしています。 もちろん買いはしませんが、どこから持ってきたのだこんな大皿、持って来るだけでも大変だろう。
 タカリババアが、家の近所に60才くらいの日本人がいるから紹介すると言います。 すごいお金持ちだと言います。 うそつけクソババア! だったらそこに押し売りやタカリに行けばいいだろう。 金持ちがこんな田舎に住むかコラ! バカも休み休み言いなさい。
 アイリーンと妹ラニーが、ラニーの離婚調停の手続きのために州都、イバにお出かけです。 私も誘われますが、買い物の荷物持ちってパターンはわかりきっておりますので、丁寧にお断りいたしました。 しかし一向に進展しない離婚調停、いったいどうなっているのでしょう。



 アイリーンがいなくなれば、気がねせずに私は飲み放題です。 飲んでいる傍(かたわ)らでリッキーがスピーカーの修理、製作をしています。 闇雲にやっているのかなと思っていたら、ちゃんとテキストを見ながらやっているのですね。 やかましいからやめろとも言えませんが、原理の説明だけはやめて下さい。
 そんなことをしていると、ラニーの息子がオロンガポからノコノコとバカ面下げてやって来ました。 息子ですから、娘ガキの兄になります。 娘ガキでさえ辟易(へきえき)しているのに、そのバカ兄までも参戦となるともうお手上げです。
 息子は前夫が引き取り面倒をみるという約束です。 なんでここに遊びに来させるのか理解に苦しみますが、うるさい娘ガキがオロンガポの前夫のところに遊びに行くと言えば、みんな大喜びで送り出すでしょう。 そんなとこですかね。
 裏庭に鴨が番(つがい)でいました。 ビコールがどっかから かっぱらって来たのでしょう、でなければ居るはずがありません。 3日もすれば、その辺に鴨の羽が散らばっていることでしょう。



 私の部屋のテーブルの上に置いておいたボールペンやライターがありません。 ライターがないので買ってきたマッチも、今朝にはありません。 しょうがないので、タバコはガスコンロで点けています。 どうなっているんだいったい!
 借りていくのはいいけれど、だまって借りて返さないのをドロボーと言うんじゃないのか。 今、テーブルの上には、ガキのきたないエンピツがポツンとあるだけです。 さあまずはマッチでも買いに行って、きょうも楽しく暮らしましょう。
     

2007年3月28日(水) 晴れ晴れ
冷えたビール

 きのうは案の定、カンカン照りの天気となりまして、日中の気温は33℃まで上昇したようです。 きょうも容赦なく照りつける太陽、昼間はさすがに出歩く人もなく閑散としております。 裏庭の鴨も日陰で涼んでおりました。
 玄関先で酒を飲みながら涼んでいると、裏庭から歓声が聞こえてきます。 なんだろうなと思い行ってみると、やっていますバカガキ兄弟、ラニーの息子と娘です。 ラニーが洗濯をしているそばで水浴びです。 近づけば水をぶっ掛けられるだけ、放っておくしかありません。
 放っておけば1時間でも2時間でもやっています。 そのうち玄関先で作業をしていたリッキーが裏庭へ行き、叱りとばして一件落着となります。 久しぶりに音響装置の貸し出しが決まったので、準備をしていたリッキーです。
 貸出し先は隣り街の学校だそうで、1日4時間2,000ペソで3日間の契約だそうです。 3日で6,000ペソ、いいじゃないかリッキー、またパロパロ(浮気)でケチ女房を泣かせてやれ。 しかし、学校にその程度の音響の設備がないのか、まっ、あるわけないか、こんな田舎街の貧乏人のガキ相手のオンボロ校舎には。



 オンボロトライシクルにリヤカーをくっ付けて、器材を積み込んで運びます。 暑い中ご苦労なことです。 私は酒を飲みながら、のんびり眺めているだけです。 手伝いもしないで冷たい奴だとお思いでしょうが、この灼熱の中でそんなこと出来ますか、座っているだけで汗ダク、それだけでもうじゅうぶんです。
 スピーカーも片付き、清々したところでビンゴ大会が始まります。 ビンゴの紙は普通数字が一致すると、数字のところを奥に折り曲げるわけですが、ここのは一枚の紙に数字が印刷してあるだけです。 
 どうするのかといえば、石ころなんかを乗っけて数字を埋めていくのです。 お金持ちの人は、ペンで塗りつぶしてポイと捨てるのでしょうが、貧乏人は何度も繰り返し使用します。 ということは、私のところも貧乏なんですね。
 おやつに出てきた丸いもの、一瞬 タコ焼きかと思いましたよ。 聞けばスクイッドボールという、イカのすり身を油で揚げたものだそうです。 フイッシュボールと同じ味ですよね。 まあ、イカでもタコでもいいですが、思い出させてくれますアツアツのタコ焼き。



 暑いときには冷たいビールがおいしいわけですが、隣のサリサリはビールを買いにいくとキンキンに冷えているときと、全然冷えていないときがあり、冷えていないときのまずいビールは飲めたものではありません。
 かといって、買い置きして冷蔵庫にでも入れておこうものなら、勝手に飲まれてなくなってしまいます。 暑い中冷えたビールを探して買うのも億劫ですし、いきおいジンでいいかなんてことになってしまいます。
 まあ酔えればなんでもいいのですが、いくら飲んだところで200円、でも冷たいビールがいいな。
  

2007年3月29日(木) 晴れ晴れ
貝の名前は ドキャン

 きのうリッキーが、貸し出した音響器材を持ち帰って来ました。 あれ、3日間貸し出しす予定ではなかったのか。 話を聞けば、現場に置いておくとドロボーが持っていってしまうとのことです。 大変だね大変だね、はいご苦労様。
 玄関先に7〜8センチの大きな貝がころがっています。 ハマグリを大きくしたような貝で、ドキャン(DOKYANG)というそうです。 元メイドのコロコロが置いていったみたいです。 罪滅ぼしに置いていったのかと思ったら、あとでちゃんと取りに来ました。 くれないのならそんな生臭いもの置いていくなよ、まったく。
 向かいの営業をやめたカラオケ屋に垂れ幕が下がっています。 新規にオープンなのかリニューアルなのか分かりませんが、よくやりますよね。 酒を売るのか女を売るのか知りませんが、観光客のいないこんな田舎で、現地人相手に儲かるわけがありません。 まさか私を狙っているのではわけでもないでしょうが。



 塀に立てかけてある木は、オーケイズという花の咲く木らしいのですが、立てかけておくだけで花が咲くのでしょうか。 私は地面にぶっ差して植樹したほうがいいと思うのですが、なかなか行動に移しません。 そのうち枯れて腐ってしまうのでしょう。 オーケイズはなかなか高価な花らしいです。
 また来たかタカリババア、きょうは何しに来たのだ。 Tシャツのお金の集金か、300ペソの6回分割払いは応えるだろう、近所のお金持ちの日本人は元気か、こんど確かめに行くから覚悟しておけ。 どうせ私のことは、大ケチな日本人がいるとでも近所で噂をばら撒いているのだろう。
 アイリーンが200ペソで買ってきたという仔犬、ラニーがプリンセスと呼んでいました。 プリンセスはないんじゃないの、この田舎で生まれた雑種の犬っころですよ。 名前負けして早死にしたら喜ぶのはビコールだけですよ。



 ベッドが窮屈で夜中の3時に起きたら、ガキが一緒に寝ていました。 私は酔っ払って早い時間に寝てしまったので、起きるまで気付きませんでした。 もう眠る気にもなれず、まんじりと朝をむかえました。 
 オロンガポの兄ガキは居座ったままで、帰る気配はありません。 まあそのうち悪さをして追放ということになるのでしょうが、その前に大怪我をしてご帰還というのも期待しています。
 リッキーは今朝6時に、音響器材を積んで出掛けて行きました。 お仕事熱心、感心感心はいいが、豚の朝飯やらずに行っちまったろうコラ!
 

2007年3月30日(金) 晴れ晴れ
農場へ

 きのうは玄関先で1杯です。 見てくださいこれが キャプテン・サントさん からお土産に頂いたカラスミです。 ボラの魚卵です、薄く切って食べます。 まったりとしておいしいですよね。 ついついお酒がすすみます。 サントさん、ありがとうございました。 3〜4日はこのおつまみで楽しめます。
 まん中の写真はランカの実です、なんとなくカソイの実に似ています。 そういえばサントさんが持ち帰ったカソイノ種ですが、炒めてカシューナッツを作ろうと思ったら、炒めすぎて失敗したそうです。 
 そうなれば、こんなおいしい高価なカラスミを頂いたわけですから、カソイの種でよければ送ってやらなければなりません、念願のカシューナッツをもう一度トライして頂きたいと思います。 荷物をビクトリーバスに預け、サントさんの近くのバスターミナルへ届けて受け取って頂きます。
 そうと決まれば、これからカソイ採りにいくぞ、アイリーン! ということでガキどもを従えて農場へ出掛けました。



 木に生るカソイ、相も変わらずののどかな風景、時代に取り残された子供たち、沈み行く農場の夕日と風情漂うなかでのカソイ採りです。 採ったカソイの実は塩を付けて頂きました。 いつ食べてもジューシーなカソイの実です。
 私は皮を飲み込まずにペッと吐き出します。 すると鶏がそれを奪い合うように食べます。 鶏が食べるカソイの実です、はたして本当にそのカソイの種を炒めた煙を鶏が吸うと死んでしまうのでしょうか、疑問です。
 サントさんの思わぬ失敗で、楽しいひと時を過ごさせて頂きました。 種はたくさん採れましたので、サントさん楽しみにお待ち下さい!





 きょうも暑くなりそうです。 ビールがおいしい1日になるのでしょう。 のんびりと玄関先で涼みたいと思います。 
   

2007年3月31日(土) 晴れ晴れ
欄の接ぎ木

 ここから南へ車で30分の街カステリオス、その街に住む カステリオスのタマさん が先日遊びに来られて、オーキッズの木を持って帰られました。 自宅に持ち帰り庭に植樹して水をやり、オーキッズ(欄)の花が咲くのを楽しみにしていたそうです。
 ところが掲示板に皆さんから投稿がありまして、オーキッズの木は、オーキッズを接ぎ木して育てるための木だとのご指摘がありました。 そのままでは何も生らないとの話しなのです。 アイリーン博士に聞いたところ、この木の名前はカットクワーティ(KATKWATI)という名前の木らしいです。 
 掲示板を見たタマさんは、さっそくオーキッズを探して接ぎ木したと、タマさんのブログ にありました。 タマさんごめんなさいね、私の認識不足でご迷惑おかけいたしました。 オーキッズを接ぎ木する木(カットクワーティ)は地面に植えなくても大丈夫らしいことも付け加えておきます。 私の家に、植えたオーキッズを接ぎ木する木(カットクワーティ)がありましたので見てください。 植えた木は葉っぱなんか生えていますよね、 
 アイリーンに、ちゃんとタマさんに教えてあげて持っていって貰わないとダメじゃないかと言ったら、タマさんの奥さんは知っているよと言っておりました。 奥さんはまた面倒なものを持ってきたなと思って、黙っていたのでしょうか。 
 いやいや、別に私の責任を奥さんに転嫁させようというわけではありませんからね。 フィリピン人ならみんな知っているとアイリーンがいうものですから。 きっと奥さんは、タマさんも知っていて、そのうちオーキッズを接ぎ木するのだと思っていたのでしょうね。


 
 きのうはオロンガポに行ってきました。 カラスミのお礼に キャプテン・サントさん にカソイの種を送るのが目的です。 オロンガポのバスターミナルからサントさんの住む近くの、カロオカンのバスターミナルに送るのです。 
 私はてっきり家の前でバスを止めて、これお願いね くらいのつもりでおりましたら、最寄のターミナルへ行って頼まないとダメなんですね。 まあたまにはオロンガポもいいかということで行ってきました。 ちょうど昼休みの時間で窓口は閉まっておりました。
 時間つぶしにピザ屋で昼飯を食べて、窓口に行くと開いていたので、荷物を預けて無事終了です。 さあ終わった終わったとこのまま帰るわけがありません。 私の嫌いな買い物です。 ダラダラと暑い中を歩き、荷物は私ですからたまりません。
 やっと家に着いたらケツが痛い。 汗をかいてケツに汗疹(あせも)が出来たんですね。 チクチク痛くてしょうがありません。



 サントさん、こんどはうまく煎って下さいね。 最初少量で試し焼きをして、出来具合を確かめてから本格的にがいいのではありませんか。 まあサントさんの自由です、口出しはいたしません。 成功することをお祈りしています。
 さてと、ケツにベビーパウダーでもつけて今日1日楽しく暮らしますか。

 今月も今日でお終いです。 日記を見て頂いた方、応援して頂いた方、ありがとうございます。
 お仲間も増えてまいりまして、心強く思っております。
 来月もこの調子でまいりますので、みなさん宜しくお願いいたします。

 


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